幼少期編


もう乾いた笑いしか出ないよと思いつつ思いにふけていると横から話しかけられ思考は途切れた。


「それにしても金品とかその使い方とか知らないって意味がわからないんだけど」
「カシム!」
「アリババだって、えって思ってたし怪しんでたじゃんか」
「だからって言っちゃダメだから!」
「ガキンチョ共、そのリンゴをのど奥につっこむぞコノヤローが」
「「・・・・・」」


淡々と言っているのが逆に怖い


「で、ナマエあんた何者だよ」
「そうだなぁ。アレだよアレ。なんつーの?そうそう旅人的なやつかな。うん、いいね。そんな感じで」
「(的って、結局どんな感じだろ?)」
「適当じゃねーか。迷子だろ」
「違うし、迷子ってのは帰る場所とか行く場所があるとかで、その場所にたどりつけないだろ?でも、別にそんな場所ないから迷子じゃねーの。だから私は、なんだっけ…あ、放浪者的なものだよ」
「さっき旅人っていっていたけど」
「ヤベッ間違えた。えっと、旅人な旅人」
「「・・・・・」」


疑わしい事この上ない。だが、まいっちゃうなぁーと言いながらナマエは自分の頬を引っ張ったりしている姿から二人はなんか変な人と関わっちゃったと思っていたりもした。


「でさ、ナマエはどこ行きたいの」
「そうだねぇ。まずはこのお金をマジックで増やそうかと思っててさ」
「え!そんなマジックあるの!!」
「あるわけねぇだろ。信じるなよアリババ」
「だからね、ここらへんに賭場とかやっているとこ知らない?」
「「賭場って言っちゃってるし!マジックじゃないし!!」」
「いやいやマジックだよ。りっぱなマジックさ。こーね、気がついたらいっぱいになっていたりなくなったりするんだよ。まさしくイリュージョンマジックさ」
「いいかアリババ。こういった大人になるなよ、俺もならねぇから」
「もちろんだよカシム」
「ざけんな」

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