笑顔をみせて。

「あはは……ははは」

私の笑い声が、こだまする。

冷たい、冷たい、冷凍庫。

貴方の顔には笑顔が称えられている。

「素敵よ」

貴方は冷たい。

とてもとても、冷たかった。

だからこそ、この笑顔をそのまま保存したかった。

私は、貴方の入った冷たい塊に手を触れる。

「やっと、私に笑顔を向けてくれた」

にへらと照れ笑いし、愛しげに塊に触れ続ける。

これからは、その笑顔は私だけにしてね。

貴方の視線は動かない。

「そんなに見つめないで、照れるよ」

こつんとおでこをつけ、貴方に布を被せてあげる。

これからは、私だけのもの。

ずっと、ずっと……。

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