▼ インターミッション
「おつかれ、シンデレラ」
式と全ての付き合いを終わらせて、ジークフリートと椛はようやくゆっくりとした時間をすごせる夜を迎えた。夫婦になった初めての夜、深く愛し合いたいと思ったが正直疲労でそれどころではない。寝間着に着替えた二人は倒れるようにしてベッドに入り込んだ。
「まだ……ジークと結婚したって実感がないです」
「そう?」
「こんなきらきらとした生活は、今までの僕にとっては非現実的すぎて……まるで夢みたい」
「夢じゃないよ」
ぼんやりとしながら語る椛に、ジークフリートはちゅ、と口付けを落とした。ああ、たしかに温かい。夢なんかじゃないね、と椛は微笑む。
「なんか幸せだなあって思います」
椛はもぞもぞと布団に潜り込んでジークフリートに抱きついた。頭にキスをされる感覚に、微笑む。
疲労に苛まれる体にぬくもりが優しい。幸福感と疲労でぼんやりとした頭は、あっとういうまに夢の世界へ引きずり込まれていった。
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