おわりとはじまりが訪れる3


「長かったね、波折」


 ガチャリと扉が開いて、波折が出てくる。一糸纏わないその身体は水浸し。波折は篠崎を殺害したあとにシャワーを浴びていたのだった。浴室からでて、波折はタオルで身体を拭きながら男が座るベッドに向かう。その傍らには篠崎の死体が転がっていたが、目もくれない。


「……これから慧太のいるうちに帰るから、ちゃんと身体洗わないと」

「身体にちょっと血がついていたもんね」

「はい。慧太に会うから身体綺麗にしないと」


 へへ、と笑った波折に、男が制服を投げてやる。どうやら用意していたらしい、新しい制服だ。波折はお礼をいいながらそれを着始める。


「……その鑓水くん、あの子鋭いからすぐに勘づくんじゃないの。波折が篠崎くん殺したって」

「……」


 シャツのボタンをとめながら、波折がじっと男を見つめる。しかし、男の質問に戸惑うことなく、微笑んだ。その瞳は、どこか淀んでいる。



「……慧太は、大丈夫。もう俺のものです」
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