甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 vingt-deux

 智駿さんの家に帰って、シャワーとかをすませる。今日、たくさんお尻をいじられるんだとわかっていながらだと、ずっとドキドキしっぱなしだった。二人ともシャワーを浴び終えて、なんとなくテレビをみているときも、俺はずっと智駿さんのことを考えていた。

 リラックスした体勢で座っている智駿さんにぺったりと寄り添うようにして俺は座って、そして智駿さんがそんな俺の肩に腕をまわしてきている。でも智駿さんがのんびりとしすぎていて、いつエッチしてくれるんだろうと俺はそわそわしてしまう。


「梓乃くん」

「……はい?」

「エッチしたいの?」

「えええっ!?」


 あれ、声にでてたかな。智駿さんはやく抱いてって頭の中でずっと言っていたから、もしかしてぽろっと口からでてた……? スパッと思っていることを言われて俺がきょどっていれば、智駿さんは困ったように笑う。


「だって、ずっと僕の匂い嗅いでるんだもん」

「へっ……」


 言われて、俺はぱっと智駿さんから離れた。無意識だったけれど……言われてみれば俺、智駿さんの首筋の匂いずっと嗅いでいた。くんくんなんて嗅いでいたわけじゃないけれど、智駿さんの首筋に顔をくっつけて、呼吸のたびに入り込んでくる智駿さんの匂いにうっとりしていた。

 智駿さんの匂いを嗅ぐと、ぽんやりとしまう。智駿さんにされたあれやこれやを思い出してしまうから。智駿さんはそんな俺のそんな気持ちを感じ取ってしまったんだと思う。


「あっ、あの……」

「可愛い。わかった、ちょっと待ってて」


 恥ずかしい行動をしてしまった俺を変な目でみることはなく、智駿さんは頭を撫でてくれた。そして、立ち上がって部屋の隅に置いてあった紙袋を取って戻ってくる。


「あの、これ……」


 中に入っていたのは、ローションとバイブ。俺のお尻をほぐす道具たち。


「見てもいいよ」

「み、見てもって……」



 促されて、俺は固まってしまう。これからこれでたくさん喘がされるのだと思うと、直視できない。でも、ここで「いいです」なんて遠慮するのもどうかと思う。


「……っ」


 とりあえず、ローションを先に手にとった。ローションなんて、いままで使ったことはない。容器を傾けたりして中の液体がゆっくり、とろーっと動くのを見て単純に「へえ」なんて声をあげてしまった。まあ、これに関してはそこまで恥ずかしくないというか。問題は、もうひとつの方。


「……こ、これ……」


 箱を持って、俺は思わずうつむいた。かわいらしいスケルトンピンクのバイブ。智駿さんの大きなものをいれられるようにするために、智駿さんが用意してくれたんだと思う。でも、バイブなんて初めてで……。これが、俺のなかでぶるぶる震えるんだと思うと、ドキドキしてしまった。


「……なんで、このチョイスなんですか……?」

「ん? サイトで評価が高かったからかなあ。いっぱいイけるって」

「いっぱい……」


 にこ、なんてバイブを買った本人とは思えないような優しい笑みを向けられて俺はまいってしまった。


「おいで、梓乃くん」

「あっ……」

「いっぱい可愛がってあげるね」


 智駿さんがベッドに座って、ぽんぽんとシーツを叩く。あ、はじまっちゃうんだ……そう思って恥ずかしくなった。ゆっくりと、立ち上がって智駿さんの隣に座る。


「んっ……」


 ぎゅっと抱きつかれて、そのまま押し倒された。そしてキスをされて覆いかぶさられて、俺はすっかり智駿さんに閉じ込められる。全身が智駿さんの熱で包まれて、暖かくて、幸せで……俺は恥も忘れて智駿さんに甘えだしてしまう。


「あ……、ん……ちはや、さ……」


 俺も智駿さんの背に腕を回して、身体をすり寄せて。ぴちゃぴちゃと音をたてながら舌を絡め合う。好き、好きって頭の中で言いながら智駿さんにいっぱい甘えた。


「んっ……」


 シャツの中に、手を入れられる。お腹のあたりをくるくると撫でられたりマッサージするようにしながら智駿さんの手は上に上にとあがってきて、シャツがめくりあげられていく。はあはあと吐息を交えながら服を乱されていくと、ああ、これ、エッチっぽいなぁ、って思って興奮した。


「あっ……」


 唇が離れていく。すうっと濡れた唇を空気に撫ぜられて寂しく感じて、そんな切ない声をあげたら、智駿さんににっこりとほほ笑まれた。もっとキスして、って目で訴えたけれど、智駿さんはそのまま俺の首筋を軽く吸い上げる。


「あんっ……!」

「……ふふ、マーキング」

「ちはやさんっ……」


 ちゅ、ちゅ、と音をたてながら何度も何度もそれをされた。痕、をつけられているらしい。智駿さんにマーキングされるなんて最高……って幸福感に浸って、感じてしまった。ちゅ、とひとつ痕をつけられる度にビクンッ、て腰が跳ね上がる。


「あっ、あっ、あーっ……!」


 ちゅーっ、と長く吸われると、俺は仰け反って身体を震わせた。もはやこれ、敏感なんて域じゃないと思う。身体が感じているっていうよりも心が感じてしまっていて、智駿さんに触られるとどこを触られても感じてしまっている。

 痕、つけられている……痕、……俺、智駿さんのものになってる……!

 歓びに満ち溢れる身体が、純情に、いやらしくなっていった。ただ痕をつけられているだけなのに、乳首はぴんっと勃っちゃうしズボンのなかは濡れ始めるし。胸を撫でられるとこりこりになった乳首が擦れて、腰を揺らすと濡れたパンツがぬるっとして。

 自分で感じ取る自らの身体の変化に、俺はひとりドキドキしてしまう。俺、智駿さんのこと好きすぎてこんなエッチなことになってるんだ、って。


「んんっ……!」


 ずっ、と身体を引っ張られる。そして身体を起こされてベッドの上に座った智駿さんに後ろ抱きにされる状態になった。


「んあっ……あっ……」

「梓乃くん、はじめるからね」


 智駿さんが俺の乳首をぎゅうっとつまみ上げながら、パンツの中に手を突っ込んでくる。乳首をこりこりってされて、きゅんってヒクついたお尻の穴のいりぐちを、智駿さんの指がぐぐっと押し込んでくる。


「ぁんっ……!」


 いりぐちのあたりを、くちくち、と智駿さんはただ弄ってきた。指の第一関節も挿れないくらいにほんのちょっとだけなかに挿れてきて、だしたり、いれたり、穴をとんとんと叩いてきたり。

 ひくん、ひくん、っていっぱいヒクついているのに智駿さんはなかなか奥にくれない。乳首をきゅううって引っ張り上げるとヒクヒクッて激しくソコが痙攣したから、智駿さんがクスクス笑った。


「ねえ梓乃くん。この一週間、どうしてた? ここ、僕が今日いっぱいいじってあげるってわかっていて……どうしてたの?」

「ち、はやさ……」

「おしえて、梓乃くん」


 ハア、ハア、と息があがってくる。どうしてた、って聞かれても。

 ずっと智駿さんにお尻のなか弄られたことを思い出して、きゅんきゅんしてましたって。今日をずっと楽しみにしていて、考えるだけでイッてました、って。そんなこと言えるわけないのに。

 恥ずかしくて恥ずかしくて俺が口ごもっていると、智駿さんが指の動きを早めてくる。くちゅくちゅっていりぐちのところをひたすらにいじくってきて、奥のほうが激しくきゅんきゅんと反応している。


「はぁっ……あぁあっ、ん……あっ、はっ……」

「ねえ、梓乃くん」

「やっ、ちはや、さっ……う、ぅん……」


 下腹部がじんじんして、それでもイケなくて。

 前に、奥のほうをぐちゅぐちゅとされて激しくイったときのことを思い出してそれが欲しくなって。

 智駿さんの腕にすっぽりと収まりながら俺はひくひくと震えて、智駿さんのいじわるに悶える。でも欲しくて欲しくて、苦しい。イケそうでイケない、その状態がいつまで続くんだろうと思うとクラクラした。

 イきたい。はやくイきたい、イきたい、智駿さんの腕の中で、めちゃくちゃになりたい。


「ちはやさんのこと、かんがえて……きたい、してました……」

「期待して、なにしてたの?」

「えっちなことかんがえてっ……でも、がまんしてっ……きょう、いっぱい、いじめてもらおうって、……たのしみにしてました……! ん、あっ……あぁああっ」


 我慢ができなくて、思わず言ってしまった、その瞬間。ずぷっと智駿さんの指が奥まで入り込んできて、奥のほうをぐりぐりと掻き回された。


「あぁっ……! あーっ……!」


 ぬぷぬぷと指を出し入れされて、なかが激しく収縮する。智駿さんの、この、焦らして焦らして一気に責めてくる、このやり方、ずるい。こんなことされたら俺、おかしくなっちゃう……。


「だめぇっ……ちはやさんっ……!」

「だめ? 気持ちいいでしょ?」

「きもち、いい、けど、」

「じゃあやめない」

「あっ……やーっ……」


 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ、ていやらしい音が聞こえてきて、股間が揺すられた。俺はあんまりにも気持ちよくて涙目になりながら、ぎゅっと自分の口を塞いだ。

 快楽のあまり、とんでもないことを言ってしまいそうだったから。

 でも、智駿さんはすぐにそんな俺の手を払った。そしてじっと俺の顔をみつめて、やっぱり俺の感じている顔を観察している。にこにこと嬉しそうに、俺をみている智駿さん。

 こっちは責めに責められて大変なことになっているのに……本当にいじわるだ。


「あっ、あぁっ、あぁあっ!」


 次第に、身体が勝手に仰け反っていく。腰をカクッ、カクッ、と揺らしながら仰け反って、俺は泣きながら……


「いくっ……あぁあぁっ!」


 イッてしまった。


「あ……ん……」


 やっぱり、お尻でイッちゃうのは、ヤバイ。ぎゅうっと身体の奥がヒクついて渦の中に突き落とされるような感じがして。一回知ってしまうと忘れられない、すごい気持ち良さ。


「ん……」


 イった余韻に浸って、うっとりと智駿さんの首筋に顔を寄せる。ああ、この匂い、好き。智駿さんに触られているときにずっと俺を包んでいた匂いが、この首筋から一番する。この匂いが俺をイかせているなんて錯覚を覚えて、もうこの匂いを嗅いだだけで身体が疼いてしまう。


「また僕の匂い嗅いで……気持ちいい?」

「はい……すごく、きもちいい……」

「ふ、可愛いね。もっと嗅いでいいよ」

「んっ……ぁっ……」


 ぐいっと頭を引き寄せられて鼻を首筋に押し付けられる。そうするとふわっと一気に智駿さんの匂いが鼻に入り込んできて、その匂いがすうっと俺の下腹部に届いでじゅわっと広がる。びっくん、って腰が跳ねて、また入り込んできた智駿さんの匂いに、びっくん。
 
 智駿さんの匂いでイっちゃいそう……。
 
 幸せ。幸せ。智駿さんの匂いでイケるの幸せ……。

 どんどん熱くなってくるアソコから、愛液が溢れ出すような錯覚を覚える。ああ、すごい幸福感。頭がふわふわとして、俺、智駿さんでいっぱいって、そう思うとものすごくみたされる。


「梓乃くん、これからもっと気持ちよくなるよ」

「んぁっ……」


 俺が智駿さんの匂いを嗅いでイきそうになって、ぼーっとしていると智駿さんが耳元で笑ってくる。

 俺のズボンを脱がして、パンツを脱がして……まじまじと俺の股間を見つめた。チンコからエッチな汁がたっぷりとでて、パンツの中がぐっしょぐしょになっていたからか、俺の股間が全体的にぬらぬらと濡れている。

 あんまりにもいやらしいその光景を……なぜか俺は目をそらすことができず、ジッと見ていた。


「すっごい濡れてるね。どうしたの?」

「ちはやさんにさわられて……きもちいいから……」

「本当に、梓乃くんの身体って可愛い」

「あぁん……」


 このいやらしいびしょびしょは、俺の身体が智駿さんに支配されている証拠だ……そう思うと、恥ずかしくてもそのびしょびしょのアソコから目がそらせなかった。

 このすごい濡れっぷりをみていると、嬉しくも感じた。こうしてみているあいだにも、チンコの先からとろーっとエッチな汁が溢れてきて、それをみてまた俺は感じてしまう。


「もうちょっと……濡らすね」

「あんっ……えっ、ちはやさん……」


 智駿さんがその出てきたばかりの雫を指ですくって、微笑んだ。そして、ローションを手に取る。


「はい、梓乃くん。もっとエッチなこと、はじめるよ」

「……っ」


 智駿さんはさっと用意してあったタオルを俺のお尻の下に敷く。そして、ローションのボトルのキャップを外して、口を下に向けた。まるでホットケーキにシロップでもかけるように、トロトロと俺の股間にローションをかけてゆく。

「つめた、っ……ん、やぁ……」


 たらーっとローションが俺の股間から伝っていく。脇の方に流れて行ったり、そしてお尻の穴まで伝って行ったり。ある程度かけると智駿さんがそのびしょびしょのアソコに手のひらを乗せた。そして……勢いよく、アソコを揉みしだき始める。


「あんっ……! あぁんっ……!」


 俺のチンコからでたエッチな汁よりも、ずっと大量のぬるぬる。音はぐっちゅぐっちゅと激しく、感覚も摩擦感が一切なくなって、にゅるにゅるっとした感覚しか伝わってこない。

 すごく、きもちいい。

 初めての感覚に俺はそれはもう歓んでしまって、腰をビクビクと跳ねさせながら、智駿さんにもっと触ってっておねだりするように突き出した。


「梓乃くん。お尻の穴に、いっぱい挿れてくよ」

「あっ……ちはやさん……」


 俺が感じているのをみて、智駿さんはご満悦。もう、智駿さんは俺の感じている顔をみるのはクセみたいだ。俺は見られているってわかっていながらも顔を蕩けさせてしまっていて、お尻に挿れるって言われた瞬間嬉しくて頬が緩んでしまったのも見られたのかと思うと、身体が熱くなった。


「あっ……ああ……」

「まず、二本」

「んぁ……」


 ぬぷ、となかに指がはいりこんでくる。さっきよりも圧迫感があって、指の本数が増やされたことがわかる。正直なところ俺のお尻はオモチャで広げてあるから、そんなに苦労もなく指二本くらいならはいってゆく。智駿さんが心配そうに俺の表情を伺っている中、俺はリラックスした顔でいた。


「……気持ち良さそうな顔、してるね」

「はい……なかがいっぱいになって、しあわせ……」

「……やらしいね。ねえ、梓乃くん。ここ、感じる?」


 俺が痛みを感じていないとわかると、智駿さんが指を俺のなかで動かし始める。ぐちゅっ、ぐちゅっ、となかをぐちゃぐちゃにかき回されて、その間も俺は腰をくねせて感じていた。でも、なかをぐちゃぐちゃされているとき……ふと、ゾクゾクッてして、俺は「ひゃあっ……」なんて甲高い声をあげてしまう。


「ここ、前立腺」

「ぜんり、つ……」

「きもちいい?」

「んっ、ひ、ぁあっ……!」


 俺のなかのある一点を触られた瞬間、凄まじい快楽がなかに広がった。前立腺、聞いたことがある。男の身体のなかで、すごく感じるところ。そこを、今、責められているらしい。


「んぁっ、あっ、やっ、」


 ソコの気持ち良さは、もはや異常だった。智駿さんが指を二本使ってソコをぐりぐりとしてくると、勝手に腰が浮き上がってきてものすごくいやらしいポーズを取ってしまう。腰を浮き上がらせながらカクカクと揺らして、首は仰け反らせて。俺は初めての前立腺責めに、どうしようもなくなっていた。


「あーっ……いくーっ……!」

「ははは、早いね。二回目。ほら、イってごらん」

「あぁあぁっ!」


 智駿さんがぐっと指を突っ込んで、そしてゆっさゆっさと下腹部を揺らす。乳首まで引っ張ってきて、俺はもうわけがわからなくなっていた。ビクンッ!ビクンッ!ってなかが勢いよくヒクついて、ああ、イっちゃった……ってなぜかホッとしたのに、智駿さんは動きをやめない。


「まだイけるよね」

「えっ……んっ、やぁあっ! いくっ、やっ……ちはやさっ、おれ、もう、イってるっ……あっ、」

「なかでイクのって、連続でイけるんだよね?」

「やっ、やっ、いくっ、いくっ!」


 やばい、って思った。イキすぎて動悸が激しくなってきて、目眩がする。はーっ、はーっ、って呼吸が荒くなってきて苦しい。気持ちいいのに、苦しい。自分の身体が自分のものじゃないようにガクガクと震えて、怖くなる。

 俺がひいひいいって悶えているなか、智駿さんはやっぱり微笑んでいた。ぷちゅぷちゅと俺のアソコを刺激しながらじいっと俺のイキ顔を観察している。俺はもう何回もイッていて「恥ずかしいから見ないで」とも言う余力がない。


「あー……あー……」

「とろとろ。可愛い、梓乃くん」


 腰の力が抜けて行く。なかは収縮して強張っているのに、下腹部は蕩けていって力がはいらない。俺はだらんと腰を突き出して、ぱかりと脚をひらいて……智駿さんの責めを存分に味わっていた。

 連続でイクって感覚は、それはもうすごいものだった。何回もイク、というよりはイキっぱなしといった感じ。じくじくというイク直前の感じが延々と続いて、そしてぱちんと弾ける、それの繰り返し。俺は智駿さんが前立腺を揉みあげてくるたびに大袈裟に腰を揺らしてイっていた。ほんとうに、何度もイキすぎて怖くなってぶるぶると顔を振りながら。


「あぁっ、あっ、あぁあっ」

「可愛い。梓乃くん、可愛いよ」

「やーっ……いくーっ……」


 ひく、ひく、と痙攣しながらぼんやりと天井を仰いで俺はどこまでも続く責めに耐えていた。アソコが熱すぎて、蕩けてしまったんじゃないかって錯覚を覚えて。

 ずっと、智駿さんと前立腺責めは続いた。俺が意識がぼーっとしてきて言葉をあまり発しなくなったあたりでようやく、智駿さんはアソコから手を引き抜く。ぐったりとした俺をみて、智駿さんが満足そうに笑っている。


「次、3本」

「も、むり……」

「やめるの? もう、十分?」


 ふふ、と智駿さんが微笑んで俺をベッドにうつ伏せに転がした。散々前立腺責めをされてくったりと横たわっている、そんな俺に智駿さんが覆いかぶさってくる。そして耳をぺろりと舐められて、そのまま囁かれた。


「僕の、欲しいんじゃないの?」

「ほ、し……い……」

「そう。僕もはやく梓乃くんのなかに挿れたい」


 腰を掴まれて、腰だけ高く突き上げさせられる。びしょびしょのお尻を強調する格好だ。恥ずかしいと思っても、抵抗する気力すらない。


「ほら、じゃあおねだりしてみて。梓乃くん」

「あっ……」


 ぞくぞくっとした。おねだり、するんだ。3本の指、いれて。俺のことめちゃくちゃにしてくださいって。智駿さん……めちゃくちゃにして……。俺のからだ、智駿さんだけのものになるまで思いっきり、いじめて。

 俺はゆっくりと、その体勢のままで脚を開く。そして、ぬれぬれのお尻の穴に指を添えて、くぱっと開いた。


「いれて……してください……おれの、おしりのあな……たくさん、いじめて……」


 とろーっとローションがお尻の穴からつたい落ちる。その感覚に脚をぶるぶると震わせながら、俺は智駿さんの言葉を待った。穴を指で広げるなんて、恥ずかしいポーズを取りながら。


「……わかる? 梓乃くん。梓乃くんのお尻の穴、ひくひくしてるよ」

「はい……」

「すっごく欲しそう。いやらしいね」

「はい……いやらしいです……」


 くすくす、智駿さんの笑い声。それに反応して俺のお尻の穴がヒクヒクって疼く。このヒクヒクもバッチリ見られているんだ……そう思ったら、きゅうんって穴がしまって、またこぽってローションが溢れてきた。「あふっ……」なんて、声が漏れる。


「いやらしいね。いっぱい可愛がってあげるね」

「あぁっ……ちはやさん……」


 可愛がってあげる、そう言われた瞬間に俺のお尻の穴はだらしなくヒクついた。。ヒクヒクッヒクヒクッて激しく疼いてしまっている。


「いい子、梓乃くん」

「あっ……」


 ぬるっ、と穴の周囲を撫でられた。それだけで俺の腰は跳ねてしまうというのに、智駿さんがこれからしてくるのは……


「痛かったら言うんだよ」

「んっ……あぅ……」


 指、3本。ずぷぷって指がゆっくりとなかにはいってくる。やっぱりディルドで広げてあるそこは指3本くらいなら飲み込んでくれた。痛みもなく3本を受け入れた俺のお尻の穴は歓喜に震えていて、下半身はガクガクと震えだす。


「あぁん……」

「ん、梓乃くん、気持ち良さそう」


 ぬぷっ、ぬぷっ、と智駿さんが抜き差しを始めた。俺が痛がらなかったから安心したのか、優しげな笑い声も聞こえてくる。


「あんっ……あんっ……」


 ズプッと奥に入り込むと、じゅわって熱が染み出すような快楽を覚えてビクンッて腰が跳ねて、ズルルッて引き抜かれるとゾゾゾッて感じて身体が震える。それを繰り返されるとゾクンッゾクンッてしてわけがわからなくなって、必死にシーツを掴むことしかできない。


「あぁっ、はぅっ、んぁっ」

「梓乃くんのここ柔らかいね。とろとろ」

「あぅんっ……」


 上の方から智駿さんがとろとろとローションを足してくる。その間にも抜き差しは止められることもなく。じゅぶじゅぶと速度を増してゆく抽挿に俺はどんどん追い詰められていく。


「はっ、はっ、はぁっ、」


 太ももに大量のローションが伝ってゆく。もう俺は腰がガクガクして、智駿さんに思いっきり腰を突き出していた。

 もう、抜き差しのスピードはかなりのものになってゆく。ずぷずぷと抜き差しされて、俺は激しく喘いでいた。泣き声に近い喘ぎ声をあげて、シーツに額を擦り付けてただ連続で訪れる絶頂に耐えている。


「あぁーっ……! やっ、……あーっ!」

「ん? もっと激しく?」

「あーっ……!」


 ズボズボズボズボッ、て、もう、ほんとに、激しい。イって、イって、イキまくって。俺は涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、全身をガクガクと震わせながら、感じまくっていた。


「ぁ……あ……」


 もう、何回イったのか、自分が何を言っているのか、わからない。下半身がビショビショになって、顔は涙と唾液で濡れて。このまま壊れてしまいそうで狂ってしまいそうで怖くなって、俺はたまらず逃げ出そうとした。手を伸ばして、遠くのシーツを掴んで、そして脚を少し前へ……


「梓乃くん」

「あっ……」


 でも、逃げることは叶わなかった。ぐいっとお腹に手を回されて引き戻される。再び智駿さんに抱かれるようにして座らせられた俺は、あっさりと逃げる気力を失って、えぐえぐと泣きながら智駿さんに縋り付く。


「もう、やめる?」

「……や、め……ない、」

「逃げようとしたでしょ?」

「ごめんなさい……やめないで……」


 心と身体がばらばらになるってこういうことを言うのだと思った。心は智駿さんにいじめられたくてたまらないのに、与えられる快楽に身体が耐えられない。もっと酷くして欲しいって思うのに、勝手に身体が逃げてしまう。

 やだ、やだ、やだ、智駿さん、いじめて。酷くして、おかしくして、めちゃくちゃに、して欲しい。

 言葉には、出てこない。でも必死にその想いを伝えようとした。かたかたと震える腕を智駿さんの首に回して、キスをする。泣きながら、ちゅ、ちゅ、と唇を擦り付けるようなキスを繰り返した。



「もっ、と……ちはやさん……」


 必死に、必死に、懇願して。これからもっと激しく責められて大変なことになってしまうとわかっていても、やめて欲しくない。とにかく智駿さんに身体を触ってほしい。やめないで、やめないで……そう願っていれば、智駿さんがぐっ、と俺に噛み付くようなキスをしてきた。


「んんっ……!」


 激しい。そのキスは、激しい。触れ合ったところがどろどろと蕩けていく、そんな錯覚を覚えるほどに、激しい。そのキスだけでも俺はイって、またビクンと跳ねて。そうすると智駿さんが唇を離して、俺をすっと見つめてくる。


「……っ」


 息が、止まりそうになった。その瞳。ゆらりゆらりと燃える瞳。俺の心臓を射止める熱。これは……智駿さんが、俺を欲しいって思ってくれているときの、瞳だ。


「もう、止めないからね。梓乃くん」


 すきに、して。

 俺は智駿さんに全てを捧げるように、くたりと智駿さんに寄りかかる。脚をM字に開かれて、そしてアソコにとうとうバイブを近づけられて……俺は、抵抗しなかった。これからくる快楽が、自分のことを壊していくって、わかっておきながら。


「使ったこと、ある?」

「な、ない……!」

「そっか」

「んっ……」


 ぐ、とバイブの先っぽをお尻のいりぐちにぴたりとあてられる。予想以上に、大きい。少しばかりビビってしまって身じろいだ俺に、智駿さんは「力抜いて」って囁いてきて……


「んぁあっ……!」


 バイブのスイッチを、いれた。お尻のいりぐちにブゥゥン……と細かい振動が迫ってきて、奥の方がヒクンッと疼く。


「気持ちいい?」

「きもち……いいっ……」

「じゃあ、少しずつはいっていくよ。痛かったら言ってね」


 智駿さんが俺の頭をよしよしと撫でる。気持ちよくてうっとりしたけれど……アソコには、初めての感覚が。ぐぐぐってアソコが押し広げられながら、バイブの先端がなかにはいってくる。今、バイブのスイッチは切られたようで、振動はこない。みち、みち、って肉壁が割られていくような感覚もして、ほんとうにはいるのかなって不安になった。


「んぅっ……」

「いたい?」

「っ、大丈夫です……いれて、ください……」


 痛みは、感じない。けれど、こういう圧迫感は初めてで怖気付いてしまった。智駿さんを心配させないように、俺は自分にリラックスしろって言い聞かせて、バイブがいれやすいように脚をぐっと広げる。


「あっ……んあっ……」


 ぐり、ぐり、と先っぽが全部はいってきた。ここが終わればあとは……


「んんぁっ……!」


 竿の部分。凸凹のついたバイブがじりじりと中に入ってきてゾワゾワとしてくる。ずぷぷ……とそれはだんだんと中に入ってきて、そして、


「あぁあっ……」


 やっと、最後まではいった。最後まではいるとキツキツで、なかがいっぱいって感じがした。そして奥の方まで入り込んでいて……すごい、満足感。


「はぁ……」

「梓乃くん。いっぱいいっぱいの顔。大丈夫?」

「んぁあっ……だいじょっ……ぶ、」


 まだ、このキツキツ感には慣れない。でも、初めてのこの「いっぱい」って感じに俺はさっそく感じ始めていた。智駿さんが手で軽くバイブを揺らすと、じわっと快楽の波が広がっていく。


「あっ……んんっ……」


 やばい、きもちいいかもしれない。

 やさしく、奥のほうをくちゅくちゅとされる。智駿さんは俺の耳にちゅっ、ちゅっ、とキスをしながら、甘く俺のお尻を責めてきた。


「あっ……あっ……」


 次第に抜き差しを始められる。ローションをたっぷりと継ぎ足しながら、ぬちゅ、ぬちゅ、とゆっくり抜き差しされた。

 ぞく……ぞく……と熱がなかに広がってゆく。ああ、これ……俺、ほんとうになかで感じるようになってきたんだなって自覚する。なかをごりごりされたり奥をぐりぐりされたりするのが、気持ちいい……。


「あんっ……あんっ……」

「梓乃くん。痛くない? きもちいい?」

「あっ、あっ、きもち、い」

「ん。じゃあ、もう少し激しくするね」

「あっ、あぁあっ、あんっ、あんっ、あんっ……」


 とっぷとっぷと抜き差しの速度があがっていく。奥の方にずぶっと入り込んできて、ずるるって抜かれていって。奥の方をずんってされるたびに俺の身体はヒクンッて震えた。


「んぅっ……」


 ぐうっ、て智駿さんが奥にバイブを押し込んでくる。ヒクッて震えた俺の身体を見て、智駿さんは微笑んでいた。のけぞり気味の俺の胸に手を這わせて、乳首をきゅっと掴み、そして……バイブにスイッチを入れる。


「ふぁっ……あぁあんっ」


 ゾゾゾゾッ、て一気に快感が奥から溢れ出す。智駿さんが俺の乳首を根元から掴むようにして引っ張ってくるから、身体もどんどん仰け反っていく。


「あぁっ、あぁんっ!」

「バイブ気持ちいい?」

「きもちいい……!」


 バイブで俺、感じてる……。いままで、オモチャでこんなに気持ちよくなれなかったのに……。太いものいれられて、俺、……俺……


「あぁぁー……」



 奥に突っ込まれたバイブがぶるぶると震えて、あんまりにも気持ちよくて腰が浮き上がってくる。風船が膨らんでいくように快楽も大きくなっていって、俺の身体がのけぞればのけぞるほど、智駿さんが乳首を強くひっぱりあげてきた。


「やぁー……!」

「可愛い、梓乃くん」


 はっ、はっ、って息があがってきて苦しい。相変わらず、智駿さんは俺の顔をじっとみている。ああ、このままイク。そんな風に奥の方刺激されたら……


「いくっ……!」


 かたかたって身体が震えて身体が収縮する。その瞬間、智駿さんがバイブを少し傾けた。じゅわっと熱が広がって、ビリビリッと白い電流が走る。これ……前立腺にバイブあてられてる……!


「やぁっ……いく、いく、っ……いくっ……」


 凸凹でごりごりと前立腺を擦られて、イク。そのブルブルで細かい振動でも、イク。また、さっきみたいな凄まじい刺激。息苦しさすらも伴う、快楽。視界にバチバチと白い火花が散って勝手に身体が暴れて。


「もう、だめっ、だめ、だめ……あぁあっ!」


 刺すような快楽が下腹部を襲ってきて、そして、びゅるっと射精してしまった。チンコ、触られていないのに……なかをいじめられただけで、俺は、射精してしまった。


「んぅっ……」


 もう一度、ビクンッ、と跳ねて、一旦強烈な波はひいていく。吐き出した精液は自分の胸にかかってしまっていて、とろりと上半身をつたっていっていた。


「すごいね。直接触らないでもイけた」

「ん……ぁん……」


 智駿さんはバイブから手を離す。けれども、バイブのスイッチは切られていない。ウィーン、と動き続けるバイブの振動は俺のお尻を責め続けていて、快楽は未だ、続いている。じんじんと熱が下腹部に滞留して、一度すごく激しくイってしまった余韻も手伝って、意識がふわふわとする。気を抜けば、ぷつ、と糸が切れてしまいそうなくらいに、ぼんやりと、した。


「ち、はや、さん……」


 今にも消えてしまいそうな意識の中で。俺は、ずっと智駿さんのことを想っていた。よろよろと手を動かして、智駿さんのズボンのファスナーを下ろしていく。


「ちはやさん……ここ……」


 ぐったりと智駿さんにもたれかかって、俺は掠れ声で言った。ずっと、智駿さんのそこが堅くなっているのが気になっていた。

 智駿さんがこうして俺を焦らしに焦らしているのは、智駿さんのおおきなものをいざ挿れるときに辛くないようにするため。

 だから、智駿さんは自分が勃ってしまっても、俺に挿れようとしない。……それを知っている俺としては、智駿さんの苦しそうなものを放ってなんておけない。俺のために我慢してくれている智駿さん。楽に、してあげたい。


「ちはやさん……」

「……っ、梓乃くん」


 ファスナーからでてきたものを、ゆっくりと手でしごく。そうすれば智駿さんはびっくりしたみたいだけど、抵抗しなかった。ほんとうは口でしゃぶりたいところだけど、あいにく体力が限界。ゆっくりと手でしごいて、俺は智駿さんに身体を預ける。


「……梓乃くん」

「んっ……」


 がっ、と唇を奪われた。顎を掴まれて振り向かされて、強引なキスをされる。俺は嬉しくて嬉しくて、うっとりと目を閉じた。


「んっ、んっ、」


 再び智駿さんがバイブを手に持ってピストンさせてくる。すっかり柔らかくなったそこはくっちゅくっちゅといやらしい音を発しながらヒクンヒクンと疼いていた。俺はバイブのピストンに合わせるようにして智駿さんのものをしごいて、必死に奉仕する。


「んぅっ、んっ、んんっ、」


 ああ、いくっ。いきそうっ。

 すっかり熱に浮かさた身体が悲鳴をあげ始める。それと同時に、智駿さんの手の動きが早くなってきた。これは、もしかして智駿さんがイキそうなのかもしれない。


「んっ、んっ、んっ、んっ、」


 くちゅくちゅくちゅくちゅ、ってすごい音がする。頭の中がふわーってしてきて、身体が仰け反っていって……


「んんんっ……!」


 俺はまた、思い切りイった。そして、智駿さんも同時に……イってくれた。ぶるぶると手の中でそれが震えて、手の中に吐き出される。嬉しくて嬉しくて……俺のイキっぷりはすごかったかもしれない。唇を離されて自由になった唇から甲高い声をあげて、息のかかる距離で智駿さんをみつめて、イキ顔を晒しながらイった。バイブから手を離されると、ぎゅうーってしまったお尻の穴からころんとバイブが押し出されて出てしまった。


「ちはやさん……」


 わずか、乱れた智駿さんの吐息。あんまりにも色っぽくて、かっこよくて、それをみただけでまた俺はイっていたのかもしれない。

 智駿さんをイかせることができた……。その満足感に満たされて、さーっと頭が真っ白になって……そして、俺の意識が、ふっと途絶えた。



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