甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 dix-sept

「梓乃〜! お願いがあるんだけど!」


 智駿さんに会いたくて会いたくて震えてしまうそんな金曜日。あと数日で智駿さんとデートできるけれど、ここまで我慢してきた辛さもそろそろ募ってきて苦しい金曜日。

 今日は授業が5限まであってバイトもいれていなかったから、授業が終わってさっさと帰ろうとした俺に、瑠璃が話しかけてきた。


「デートしよ、デート!」

「……お断りします」


 へへ、とわざとらしく笑ってそう言ってきた瑠璃に、俺は迷わずNOを出した。俺と瑠璃は所謂イツメンというやつで、お互いに恋愛感情を持つ時はこれからおそらくやってこない。

 だから「デート」なんて言葉を使ってきて笑いかけてきた瑠璃の本当の頼みには、嫌な予感を感じざるを得なかったのだ。


「お願い! 梓乃くらいしか頼めないんだって」

「……何を?」

「……彼氏の誕生日のケーキ選ぶの手伝って欲しいんだけど!」



prev / next


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -