甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 neuf


「ぜ、全部、ですか?」

「うん」


 布団を剥いでシーツの上に座る。「ここでしてもいい」って、智駿さんに一人エッチを見せろってことで間違ってない、よね?

 男の人の前で脱ぐのに抵抗を覚える必要なんてないのに、智駿さんの前で服を脱ぐのはなんだか恥ずかしい。じっと智駿さんに見つめられるなか、俺はそろそろと服を脱いでゆく。


「……っ」


 シャツを脱いで、かあっと顔が熱くなった。さっき弄られた乳首がぷっくりふくらんでピンク色になっている。ほんとうに俺の身体?って思うくらいにいやらしい。これを智駿さんに見られているのかと思うと、ふわ、と身体が火照ってくる。


「智駿さん……はずかしい、です……」

「ん?」

「……、」


 あ、智駿さんやっぱりいじわるな人だ。そうやって優しく笑って、俺の羞恥心を煽ってくる。

 下を脱ぐのを少し躊躇ったけれど、ちらりと目で訴えても智駿さんはにこにこと笑っているだけ。俺は意を決して下を脱いでゆく。


「あっ……」


 ぷるん、と勃ったものがでてくる。一人だけ全裸になって、勃起したそれを見られている俺の心境はといえば、それはもうすごいもので、全身が恥じらいで真っ赤になった。智駿さんのことを見ることもできなくて俯いていると、くすくすと笑い声が聞こえてくる。


「梓乃くん、こっち」

「へ?」

「ここ、座って」

「え、ええっ……」


 ぽんぽんと智駿さんが胡座をかいた自分の太ももをたたく。智駿さんって俺を自分の上に座らせるの好きなのかな。ケーキを食べさせてくれるときも座らせられた。ただ、今回はあまりにも状況が違うというか……。

 恥ずかしさでいっぱい。でも、いやだなんて全然思わない。俺はゆっくりと、智駿さんに近づいていってそこに座り込んだ。


「脚は、こう」

「ひ、あ……ッ!?」


 突然されたことに、俺はたまらず甲高い声をあげてしまう。智駿さんが俺の太ももを軽く掴んで、開脚させてきた。思い切り、恥ずかしいところを曝け出す格好。男がするポーズじゃない。


「や、やだ……ちはやさん……」

「いや?」

「……っ」


 お尻の穴がヒクヒクしてる。やだって言ったけれど、ほんとうは嫌なんかじゃない。恥ずかしいことをさせられて、嬉しい。意地悪な智駿さんの質問に俺は答えられず、黙り込む。


「じゃあ、して」

「へっ」

「僕がみてるから。梓乃くん、いつもみたいにやってみてよ」


 ……智駿さんのいじわるに、心が蕩けてしまいそう。こんなに密着して、恥ずかしい格好をさせられて、そんななかで一人エッチしろなんて。


「ん……」


 片手で軽く、堅くなった俺のものを掴む。


「いつもこうしているんだ?」

「……っ」


 ここはさすがに本当のことは言えず、俺はこくりと頷いた。まさか「お尻におもちゃをいれています」とか「さっき乳首を触っていました」なんて言えるわけない。


「ん、ん……」


 なんでだろう。いつも一人でしているときよりも、気持ちいい。いつもなら声なんて出さないでできるのに、今は勝手に声がこぼれてしまう。

 でも……すごく気持ちいいのかと言えばそうではなくて。扱くだけだと物足りなく感じてしまう。お尻に何かをいれていないと、なんだか物足りないと……そう感じてしまうのだ。

 これ、やばいかもしれない。俺、女の子みたいになっているような。ああ、こうして扱いているあいだにも、お尻の奥がヒクヒクしているし……。足りない。……女の子みたいなイキ方がしたい。


「梓乃くん、こっちも触ってみて」

「あっ……」

「好きでしょ、ここ」


 俺がむずむずとした顔をしていたからだろうか。智駿さんが俺の片方の手を、乳首まで誘導させた。もしかして、俺が乳首いじられるの好きってバレてた……?


「んっ……」


 恐る恐る、乳首をつまんでみる。さっき、ひとりでちょっと触ったときも、智駿さんを想いながらだとちょっと気持ち良かった。今……智駿さんの前で触ってみると……。


「あっ……あ、ぁ」


 気持ちいい。智駿さんに触られたときみたいに、気持ちいい。智駿さんに触られるのに比べたらちょっと足りないかもしれないけれど……くに、と指で軽く潰してみるときゅううんってお尻の奥が疼く。

 これ。これが好き。お尻がきゅんきゅんする気持ち良さが、俺、好き。女の子みたいになかがきゅんきゅんする気持ち良さが、俺、好き。


「んっ、んっ、」


 もっとぎゅうぎゅうに摘んで乳首いじめて、自分を追い込みたい。でも、智駿さんが見ているところでそんなことできない。遠慮がちに乳首を触って、ゆるゆるとしたチンコを扱いて。物足りない気持ちよさに、俺はどうしようもないもどかしさを感じていた。


「梓乃くん、かわいい」

「あ、ぅ……」

「自分でこんなところ、触って」


 俺が緩い一人エッチで物足りなさを感じていたところに、智駿さんがぴん、と俺の乳首を弾いた。

 その瞬間……きゅううんっ、と身体の奥がヒクついて、腰が跳ねてしまう。


「あぁんっ……!」


 今の声……だめなやつ。でも、しょうがない。今の、ほんとうに気持ち良かった。ほんとうに、いじめられてる……そんな感じがして。もう一回、……今の、して。


「ぁんっ……」


 俺の願いが届いた。また、弾いてくれた。


「あぁっ、ん……」


 あ、また……


「ふぁっ……!」


 また……

 ぴん、ぴん、と一定のリズムで智駿さんが乳首を弾き始める。その度に俺が大袈裟なくらいに声をあげるせいか、智駿さんが俺の耳元でくすくすと笑っている。


「はぁっ……あぁ……」


 お尻のなかのヒクヒクが止まらない。もっと乳首をぎゅーってして欲しいけれど、こんなふうに少しずつ刺激を与えられるのも……


「あぁあんッ……!」


 なんて、思っていたら突然智駿さんが乳首をぎゅううっとひっぱってきた。目の前が真っ白になってちかちかして、イキそうになって甲高い声をあげてしまった。


「梓乃くん。手、止まってるよ」

「はっ……はっ……ごめんな、さ、」

「僕、梓乃くんの感じている顔もっとみたいから頑張って」

「あっ……はいっ……」

「それとも」


 強烈な快楽の余韻に酔っている俺の顔を、智駿さんがやさしく掴む。そして、振り向かされて目を合わさせられて、囁かれた。


「僕に触られるほうが、好き?」


 ひゅ、と息を呑んだ。ゾクゾクした。智駿さんの言葉に身体中が熱くてきゅんきゅん疼いて、イキそうになる。


「おねだりしてみて」

「……ッ」


 おねだり、ってどうやって。恥ずかしい。でも、でも……


「触って欲しくないの?」

「ひゃ、あぁっ……ん」


 きゅうーっと乳首をひっぱられて、ぱ、と離される。もう俺の乳首はぷくぷくに膨らんでいて、触って触って、っておねだりしている。でも、智駿さんはそれっきり触ってくれなくて。俺が口ごもっていれば、時折ぴんっと弾いて焦らしてくるだけ。


「やっぱり自分でやる?」

「あっ……やっ……あぁんっ……」

「ほら、梓乃くん」

「はぅっ……ち、はや、さん……」


 いじわる、いじわるいじわる。もっといっぱい触って感じさせてイかせて欲しいのに。でも俺、そんなこと恥ずかしくて言えないのに……


「ちは、やさん……もっと……もっといじめて……」


 必死に、絞り出して、おねだりする。これ以上のこと、俺、言えない。頭のなかではすごく卑猥な言葉で智駿さんにおねだりしている。でも、そんなこと智駿さんにひかれるから、できない。


「梓乃くん……かわいい。いっぱいいじめてあげる」

「ちはやさん……っ」


 だから、嬉しい。これくらいしか言えない俺の、必死な想いが伝わって嬉しい。「いっぱいいじめてあげる」って言われた瞬間に身体の内側から蜜があふれだすような、じわーっとした気持ち良さがひろがった。お尻のなかがヒクヒク激しくヒクついて、身体が勝手にのけぞって、全身がかくかくと震えて……


「あっ、あっ、あっ、」


 なに、これ、おかしい、ただ「いじめてあげる」って言われただけで、俺……


「あぁあぁ!」


 がくんがくんと腰が跳ねて……イってしまった。これからいじめてもらえるのに、嬉しさのあまりイってしまった。


「あ……あ……」

「梓乃くん、イっちゃったの?」

「いじめてくれる、って、うれしくて、……」

「……かわいい」


 智駿さんが俺の髪を撫でる。顔を覗き込んでくる智駿さんの瞳が、じりじりと灼熱を思わせるような熱を汲んでいる。

 イった余韻が、心地良い。チンコ以外でイクってこんな感じなんだ。ふわふわとした感じが、イったあとも続く。いつもよりもずっと深くて、身体がいうこと聞かなくて、いまだにビクビクと身体が震えている。熱に浮かされている。


「まだ、出してないね」

「ん、……」

「まだまだいじめられそう。ほら」

「あぁん……」


 ぼーっと智駿さんに寄りかかってとろんとしていると、智駿さんが俺のチンコを撫でた。撫でられて、気付く。先っぽからたらたらと透明な液体がでている。でも、こんなに出たの初めてで……イってソコを濡らすなんて、ほんとうに俺、女の子みたいだな、と思った。


「あんっ……あんっ……」


 智駿さんの指先が、俺のチンコの先っぽをくるくると撫でる。零れる液体ががぬりゅぬりゅとローションみたいにとろみを出していて、すごく気持ちいい。やっぱり智駿さんの触り方は俺を焦らすように緩くて、刺激は足りない。でも……どんどん「気持ちいい」が膨らんでいって。


「すごいね、梓乃くん。とろとろ」

「んぅっ……」


 智駿さんが指を俺の目の前に持ってくる。そして、指と指をつけたり離したりして、とろとろと指にまとわりついた液体を見せつけてきた。銀の糸がつうっと智駿さんの指についていて、あんまりにも恥ずかしくて、かあっと顔が熱くなる。これ、俺が出したやつなんだ……そう思うといやらしい気分になる。


「まずはどこを触って欲しい?」

「ど、こ……」

「ここかな?」

「んあっ……」


 つん、と両方の乳首をつつかれた。そして、俺のだしたとろとろがついた指の腹で、乳首の頭をくるくると撫でられる。


「あっ……あぁっ……」

「梓乃くん、どんどん声が蕩けてきているよ。可愛い」

「そん、なぁ……あぁん……」


 こりこりに固くなってピンク色になった乳首が、俺のエッチな汁でてらてらと光っている。そこを、智駿さんがゆっくり、ゆっくりと撫でてくる。ぞくぞく、ぞくぞく、身体が疼く。お尻の穴がぎゅうぎゅうと締まって、腰が揺れる。


「んぁ……は、ぁあ……」


 自分の出している声が、ものすごくいやらしいものだと、自覚している。でも、声を抑える余裕なんてなかった。さっきまでは、智駿さんに引かれたくなくて声を必死に塞ごうとしていたのに、そんなこと、今はできなかった。智駿さんに身体を完全に預けて、智駿さんの上でびくんびくんと腰を動かしながら悶えることしか、できない。


「腰揺れているね。触っているのは、胸なのに。そんなに気持ちいい?」

「きも、ちー……きもちい、……です……」

「じゃあ、これは?」

「あぁあっ……!」


 きゅー、っと乳首をひっぱられた。ずくん、と下腹部のほうから熱が這い上がってきて、全身を貫く。また……まただ。腰がガクガクいって、身体がのけぞって……


「いくっ……いく……!」

「んー?」

「いっちゃう……! あぁあッ……!」


 イってしまった。また……。身体ががくがくと震えて、こわばって、俺が変な声をあげながら悶えているのに……智駿さんは乳首を引っ張るのを、やめてくれない。


「あーっ……! あぁあっ! あぁッ!」


 こんな……こんなに気持ちいいなんて……。ほんとうにわけがわからなくなって叫ぶことしかできなくて。

 乳首でイクってこんなにヤバいんだ。やばい、ヤバいヤバい……壊れちゃう。こんなに気持ちいいの初めてで、俺、壊れちゃう。


「だめぇ……! もう、だめぇっ……!」

「いじめてほしいって言ったの誰?」

「ひっ……やぁあぁっ……!」


 もう、お尻のなかの痙攣がハンパない。智駿さんの乳首責めはどんどん激しくなっていって、イキ狂いそうになる。

 乳首をぐぅーっとひっぱられてそのままコリコリされて。のけぞってビックンビックンいってるのに智駿さんはやめない。いつものようにクスクス笑って、俺をみつめている。


「ゆるしてぇ……ちはやさん……あぁあっ……また、イクッ……!」

「かわいいね」

「あーっ……イクッ……ああぁああっ」


 乳首でこんなにイかされて、イッてもイッてもまたイッて。


「いれてっ……ちはやさんっ……あぁっ……ちはやさんの、いれてっ……あっ、またっ……イクッ……あぁああっ!」


 欲しい。ヒクヒクして奥のほうがきゅんきゅんしているお尻に、智駿さんのが欲しい。貫いて欲しい。智駿さんの熱を注ぎ込んで、俺を智駿さんのものに……。


「梓乃くん……」


 じり、と理性を焼く、そんな智駿さんの声。欲望を無理やり押さえつけたような、そんな声。智駿さんの焦燥を、感じた。


「んっ……あぁっ……!」


 にゅる、とチンコを掴まれた。ああ、これ……今日は挿れてくれないんだな、と感じ取る。このままチンコでイかされる。


「ああッ、あっ……! だめっ、智駿さん……!」


 にゅるにゅる、ものすごく俺のチンコは濡れていた。こんなに俺、エッチな汁出していたんだと、恥ずかしくなった。


「あっ、あっ!」


 くちゅくちゅとわざと音をたてるように智駿さんが俺のチンコを扱く。羞恥心を煽るようにそんなことをされて、俺は智駿さんの思うがままに悶えていた。強烈な刺激に腰が勝手に揺れて、チンコからはさらにだらだらとエッチな汁があふれでてくる。


「あぁーっ……あぁ……あーっ……」


 片方の手で、乳首を摘まれる。ぎゅーっ、こりこり。乳首をいじめられながら、チンコをにゅるにゅるされる。ほんとうにアソコが濡れすぎて、腰を揺らすたびにぬるっとした感触を覚えた。

 まだまだエッチな汁はあふれてきて、このままアソコがとろとろに溶けちゃうんじゃないかと思うくらい。いや、もう、全身とろとろ。汗がふきだして体中が熱くて、いじめられている乳首とチンコだけじゃなくて、智駿さんに触れている肌という肌が感じている。


「あぁん……ふぁ、……あっ……はぁ、あん……」


 お尻の奥がきゅううんっと締まってきて、下半身が勝手にこわばって、上半身はのけぞっていく。びんびんに勃った乳首をぎゅううっとひっぱられてコリコリッて激しく刺激されて、チンコはすごく早くぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅって扱かれて、


「アッ、アッ、アッ、アッ」


 もう、もう……


「あぁあぁッ……!」


 何かが弾けるような凄まじい解放感、電気ショックを浴びたような激しい快楽。びゅるるっとチンコから勢いよく射精しながら俺はぶるぶると震えて、イッてしまった。


「んっ……」


 熱がゆっくりと引いていって、俺は智駿さんにだらりと身を預けた。息がはあはあとあがって、いつものイった後とは全然違う。


「いっぱいでたね。こんなところまで」

「ん、ぁ……」


 智駿さんが俺の胸にゆっくりと手を滑らせる。精液は俺の胸のところまで飛んでいて、智駿さんが手のひらで精液をのばしていくのをみて、かあっと顔が熱くなった。白いぬらぬらと光る液体で、俺の智駿さんにいじめられてぷくぷくになった乳首が光っている。


「ねぇ、梓乃くん」

「んんっ……」


 ゆっくり、押し倒された。そして、智駿さんは俺を覗き込みながら、精液を乳首に塗り込むようにこりこりしてくる。ぴくん、ぴくん、って俺の身体が跳ねれば智駿さんが笑ったから、ああ、またいじめられるって嬉しくなった。


「さっき、挿れてって言ったよね。梓乃くん、僕とセックスしたいの?」

「っ……、ぁっ……んぁっ……」


 もちろん、したい。したいに決まっている。智駿さんに、抱かれたい。


「したい、です……んっ、……抱いて、欲しいです……あっ……んぁっ……」

「……梓乃くん」


 乳首をいじられてとろとろになって、まともに呂律もまわらない状態で俺が懇願すれば、智駿さんはふっと微笑んだ。


「さっき、梓乃くんに挿れてって言われた時、ほんとうに挿れたくなっちゃった」

「いれて、くれてよかったのに……」

「だめだよ、だって……」


 智駿さんの腕が俺の下腹部に伸びていく。そして、股間に割り込んできて、お尻の割れ目に指が入り込んできた。穴の部分を、とん、と指の腹で叩かれて、


「あぁんっ……」


 きゅんっ、となかが収縮する。


「ここ、使うんでしょ。僕の理性があんまり保てなそうな状況で無理にやったら、梓乃くんが辛いから」

「ちはやさん……」

「だいじょうぶ? 男同士ってここ使うんだよ? 梓乃くん、怖くない?」

「こわく、ないです……いれてほしいです……」


 ああ、そうか、普通は怖いんだ。そこ、エッチに使う部分じゃないから。でも、俺はそんなこと全然思わない。智駿さんとエッチがしたくてたまらない。


「ねえ、梓乃くん」

「んっ……あんっ……」

「いれられたい、ってどんな感じ?」


 智駿さんがお尻の穴をくるくると撫でてくる。俺がいっぱい出した、エッチな汁を塗り込むようにして。


「んっ、あぁん……」

「いま、こうしているとなかに挿れて欲しくなる?」

「なります……ぁんっ……なかのほう、きゅんってして……んんっ、……あっ……切なくなって……むずむずしてきて……」

「ふうん……いま、そういう感じなんだ」

「はい……、……ヒッ、ぁあっ!」


 智駿さんの目が、いじわるそうに細められた、その瞬間だ。にゅるん、そんな感覚と共に……智駿さんの指が、俺のなかに入り込んできた。


「ちっ……ちは、やさっ……」

「痛い?」

「いたく、ない……です……」

「そう。きついね、なか。ああ、ほんとうだ……きゅんきゅんしてる」


 ふうん、なんて智駿さんは俺のなかを探るようにして指を挿れてくる。

 俺は……初めて、そこに他人の侵入を許したわけで。初めての感覚すぎてパニくっていた。そして、感じまくっていた。さっきイったばかりなのに、またふつふつと熱が膨れ上がっていく。自分でおもちゃをいれたときよりもずっと気持ちいい。ゾクゾクってしてきて、勝手に腰がくねくねと動いてしまう。


「ここに挿れることになるんだね。梓乃くん、だいじょうぶそう?」

「あっ、あっ……だいじょうぶっ……あぁんっ……」

「感じてるの? 梓乃くん。すっごくなか、ぴくぴくしてる」

「かんじてます……んっ……あぁ……」


 くちゅ、くちゅ、と音がする。智駿さんは指を大きく動かしてなかを掻き回したり、抜き差ししたりして、俺のなかの具合を確かめていた。じわーっと熱の波紋が広がっていって俺はもう感じまくって、全身をヒクヒクさせてしまう。


「んっ……んんっ……」

「深いんだね、梓乃くんのなか」

「んあぁっ……!」


 ぐぐぐっ、と智駿さんが指を根元まで挿れてきた。奥の、欲しくて欲しくてたまらないところにギリギリ届かないところまで、指がくる。智駿さんはそこまで指を突っ込んだまま、手首を揺らして指を振動させてきた。


「あぅっ……あぁっ、あぁんっ!」

「気持ち良さそうだね。すっごくキツくなってきたよ。感じてくると梓乃くん、僕の指を締め付けてくれる」

「あぁあぁっ……ちはやさっ……!」

「楽しみ、ここに僕の挿れるの」


 奥には指は届かない。でも、奥の方まで振動が届いて、気持ちいい。ほんとうに気持ちいい。お尻でこんなに感じるの初めてで……おかしくなりそうだった。このままイって、めちゃくちゃになりたかった。

 でも。


「うぅんっ……」


 ぬぽっ、と智駿さんの指は引き抜かれてしまう。ひくっ、ひくっ、とお尻の穴がヒクつきながら、もっともっとっておねだりしているけれど、智駿さんはそれっきり挿れてくれる様子はない。


「思ったより梓乃くん痛がらなくて安心した。でも、ゆっくり、準備していこうね、梓乃くん。僕も勉強しておくから」

「ちはやさんっ……いまっ……今挿れてぇ……」

「だめ。まだそこまでやるつもりなくて、僕も全然準備してないんだ。梓乃くんのこと、大切にしたいから、我慢して」


 準備。たしかにローションとかの道具はないけど……もう俺の出したぬるぬるで十分に濡れてるしこのまま挿れてもいいのに。それに俺のお尻、智駿さんのために広げてあるから大丈夫だよ。

 俺がこんなに焦れているって、たぶん智駿さんわかってない。奥をガツガツ突いて欲しいって思ってるなんて、絶対にわかってない。


「大丈夫……ゆっくり慣らして、そのあと……たくさん、たくさんいじめてあげるからね。梓乃くん……あせらないで」

「ちはやさん……」


 でも、俺は、男だから。だから智駿さんは心配してくれている。

 智駿さんは俺を虐めているわけじゃなくて、大切にしてくれている。それに、ちゃんとあとでいっぱい愛でてくれる……そう思うと、この焦らされている感じも心地よく感じた。



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