甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 neuf


「今日、梓乃くんモデルやったんだっけ?」

「あ、はい、そうです」

「モデルって大変なんだよね。お疲れ様」



 由弦と別れたのが、夕方ごろ。色々と危なっかしい予感はあったけれど、無事に何事もなくお開きとなった。以前智駿さんに「無防備だ」と言われて、その時の俺は男を相手に過敏になってどうするんだと思っていたけれど、さすがに今日の由弦からは危険を察したから俺は俺で色々とがんばったのだ。「ボディアートしていい? 全裸で!」って言われたときは必死に断った。

 今日は「無防備」なんて言われて怒られるようなことはしていない。だから今日は智駿さんにいつもみたいに甘〜く抱いてもらうんだ……! そう、思っていた。

 思っていたのに、だ。



「あ、由弦からなにか……」



 スマホに、メッセージの通知が届く。由弦からのようだ。なんだろうと開いてみてーー俺は「ひえっ」なんて情けない声をあげてしまう。



『梓乃くん、今日はありがとう! 今日描かせてもらった絵、モデルになってくれた梓乃くんには送らないとって思ったから送るね!』



 なんと空気を読まないのか、由弦がメッセージと一緒にあの絵を写真でとった画像を送ってきたのだ。そしてなにが最悪って、俺が声をあげたものだから気になったのか、智駿さんがちらりと俺のスマホを覗いてしまったこと。

 俺の、あの破廉恥を極めている絵を、見られたのだ。



「……この絵は梓乃くんだよね」

「え、……ええ、そうです」

「モデル、したんだもんね。梓乃くん、由弦くんの前でこんな風にしていたの?」

「い、いやっ……こんな、やらしい顔は……」



 やらしい顔は、……していたか。智駿さんにしばらくエッチをお預けされていたから、悶々として脳内オナニーをしていた。それに、この緊縛だってよくよく考えれば、かなり変態ちっく。

 智駿さんが面白くないって思うような、そんなモデルを俺はしていたのだ。



「ふうーん」

「ちょ、ちょっとまって、智駿さん! 俺、べつに油断していたわけじゃなくて! その、由弦のより良い作品のためにですね……!」

「まだなにも言ってないでしょ?」

「……っ、」



 ああ……やってしまった。オシオキ、される。

 思いっきりいじめられるのは嬉しいけれど、慣れないプレイだとどうしてもハラハラしちゃうから、すぐには喜べない。この前のおもらしプレイだって……恥かしすぎて結構辛かったし。気持ちよかったけど。

 俺はヒヤヒヤひながら立ち上がった智駿さんの背中を追う。智駿さんはキッチンに行って、なにやら道具をとってきた。なんだろうとよくよく見てみれば……智駿さんの手にあるのは、ハケ。



「これ、もう新しいのに変えようかなーって思ってて」

「……そ、それを何に使うつもりで……」

「んー?」



 智駿さんはふっと笑うと、ハケで俺の唇を撫でる。



「由弦くん、このいやらしい身体を描いたんでしょう。ズルいから、僕は直接梓乃くんの身体に筆でお絵描きしようかなーって」



 え、なんだって?

 聞き返そうと思ったけれど、ハケが口の中にずぼっと入ってきて、言葉を発することを封じられた。智駿さんはハケでくちゅくちゅと俺の口の中をかき回してゆく。



「あっ、……あ、ふ、ぅ……」



 敏感なところを擦りながら、ハケは俺の口の中を責め続けた。唾液がどんどん分泌されていって、口からこぼれそうになる。意地悪そうな顔をした智駿さんに見下ろされながらそんなことをされると、見事に被虐心が湧き上がってきて、俺は感じ始めてしまった。ハケがどこかを擦るたびに、ぴくんっと身体が震えてしまう。



「こんなに感じやすいと……ほんと、不安になっちゃう」

「あ……あぅ、……」



 もっと口の中めちゃくちゃにして、って思えば、まるで焦らすようにぬるん、とハケが口から出てきた。ハケが俺の唾液でてらてらと光っている。もっと口の中をいじめて欲しかった……そうぼんやりと思っていれば、智駿さんはぐいっと俺の服をめくりあげた。そして……



「あぁんっ……!」



 濡れたハケで、俺の乳首をぺろんと撫でてきたのだ。



「可愛い声。まさか由弦君の前でこんな声だしてないよね?」

「だし、て、ない……あっ、んんっ、……」



 ハケの毛先で、乳首をほじくるようにくりくりと刺激される。絵を描かれているときから勃ってしまっていた乳首を、こんなふうにいじめられると、思いっきり感じてしまう。俺の腰はびっくんびっくんと勝手に動いて、智駿さんから責めに悦んでいた。



「あっ、ひゃあっ、んっ、」

「ふふ、」

「あぁっ……!」



 ぱたぱたっ、と智駿さんはハケを素早く動かして、乳首を嬲った。こりこりの乳首がハケで刺激されて、気持ちよくておかしくなる。ここ数日挿れられなくて辛かったからなかを思い切り突いて欲しかったけれど、乳首をひたすらいじめられるのも、やっぱり最高。

 ハケでくすぐるように乳首を責められて、俺はもうとろとろになっていた。頭のなかは智駿さんにいじめられる期待でいっぱい。



「梓乃くん。もっと気持ちよくしてあげるから、自分で乳首をつまみあげてごらん」

「あぅ、……そんな、……はずかし、……」

「命令。」

「……はい、……」



 いやらしいこと、されるのが大好き。俺は智駿さんにいやらしいことを強要されると、全身がしびれたような感覚に陥って、頭のなかが真っ白になる。きゅん、としてしまう。

 俺は命令されたとおりに、乳首をきゅうっとつまみ上げた。こりこりになった乳首をつまむと、ひくんっ、とお尻の穴がヒクついて、腰が跳ねてしまう。そしてずっとつまんでいると乳首がじんじんとしてきて、もどかしくなって、くりくりと刺激したくなるけれど、それは命令されていないから勝手にやっちゃだめだし……はやく、智駿さん、乳首いじめてって、俺は視線で懇願した。



「ふふ、よくできました」

「ふ、あぁあっ……」



 智駿さんが微笑んで、ハケで乳首の先をなでてくれる。つまみ上げて堅くなった乳首はほんとうに敏感で、軽くなでられただけでも目の前が真っ白になるくらいに気持ちよかった。俺は腰をくねくねとくねらせて、快楽を受け止めていたけれど、もっともっと、気持よくして欲しい。アピールするようにぎゅうっと強く乳首を引っ張りあげて、そうすれば智駿さんはハケで乳首のくぼみをほじくるように強くくしゅくしゅと刺激してきた。



「あぁ、……あー……」

「顔、とろとろだね」

「もっと……ちはやさん……んあぁ……」



 俺はもっと気持ちよくなりたくて、のけぞった。そうすれば智駿さんは片方の乳首から俺の指を軽くはらって、ちゅうっと吸い上げてくる。吸われて、先っぽを下でぐりぐりとされるともう気持ち良すぎて俺は暴れるようにして悶えた。ハケを動かす速さもあがって、乳首にガンガン快楽が蓄積されていく。



「あーっ……あーっ……」



 ぐぐっと熱がせりあがってくる。目の前が真っ白になる。

 乳首でイッちゃう……やっぱり乳首でイクの、気持ちいい……あ、イッちゃう、イッちゃう……



「あぁっ……い、く……!」



 奥が激しくヒクヒクして、チンコからぴゅうっと精液が飛び出した。俺は枕にしがみつきながら、かくかくと身体を揺らし、イッた。顔をあげて智駿さんは俺を見下ろし、楽しげに微笑んでいる。



「やっぱり、乳首でイッたときの梓乃くんの顔、とびっきり可愛い」

「……は、……は、……ちはや、さん……あの、……」

「はいはい、アソコいじって欲しいんだね」

「はい……!」

「ずっと我慢していたもんね。たくさんいじってあげる」



 にこ、と智駿さんが笑うと、俺のアソコがきゅんっとした。智駿さんは俺の脚をぱかっと開いて、つんっ、とアソコを触ってくる。「んっ、」なんて声を漏らして俺がヒクつくと、智駿さんはくすくすと笑った。



「梓乃くん。お尻の穴、自分で開いてみせて」

「……っ、……はい、」



 恥ずかしい命令、された。ドキドキしながら、俺は両手をアソコに伸ばす。そして、指をお尻の穴に添えて、ぐぅっと左右に広げた。なかの粘膜が空気に触れてすーすーするのと、じっとりと視線をそこに感じるのとで、なかがきゅんきゅんと疼く。



「んっ……」



 智駿さんは俺の乳首をこりこりしながら、ハケをまた口のなかにつっこんできた。大きく口のなかを掻き回して、唾液をからめとるように。いじめられているような気分になるから、こうして口のなかをぐちゃぐちゃにされるのは、気持ちいい。乳首も弄られてうっとりしてしまっているから、お尻の穴に添えた指をそのままなかに突っ込んでオナニーしたくなってくる。もっと、気持ちよくなりたい、し。

 もう、アソコのきゅんきゅんが辛い、って、そう思っていると、ようやく智駿さんは口からハケを抜いて、それをアソコに近づけてきた。ハケで、アソコ弄られるんだ……そう思うと、ゾクゾクしてきてしまう。



「がまんできない?」

「はい……はやく……おしり、さわってください……」

「もっとお尻の穴を広げておねだりしてごらん」

「んっ……ちはやさんっ……おしり、いじめてぇ……!」



 ぎゅーっとお尻の穴をひろげると、智駿さんが満足そうに微笑んだ。ああ、俺が恥ずかしい命令を悦んで受け入れたことを、喜んでいる顔だ。

 濡れたハケが、アソコに近づけられてゆく。そして、ぺろり、と一度だけ、アソコを撫でてきた。



「あぁん……」



 ゾクゾクッとすごい快楽が溢れてきて、アソコがぴくぴくと震えてしまう。早くまた撫でて欲しいって懇願していると、ふーふーと息が荒くなっていって、じわりと汗が噴き出してくる。そんな、欲情しきった俺を見て智駿さんは目を細めて、もう一度、ハケでアソコを撫でてきた。



「あふ……ぁん……」

「すごく気持ち良さそう」

「気持ちいい……あん……ぁん……」



 ぺろり、ぺろり、とゆっくり、一定のリズムでアソコをハケで撫で上げる。もっともっと気持ちよくなりたくて、俺は必死にお尻の穴を広げてアソコを揺らした。



「お尻の穴ヒクヒクさせちゃって……やらしいね、梓乃くん」

「だって、ぇ……きもち、いい……あぁん……」

「もっと激しくするからね」

「はい……もっと、いじめて……」



 イキそう、イキそう、そうなりながらもなかなかイケない。その焦らされている感じもいいけれど、そろそろイきたい。だから、激しくされると聞いて、俺は心の底から喜んだ。

 どんなにしてくれるんだろう……って期待いっぱいに智駿さんを見つめていると、智駿さんが俺のチンコを撫であげてきた。エッチな汁がたくさん出てきているチンコはぬるぬるしていて、智駿さんが撫でればその手にたくさん液体がついてしまう。恥ずかしいって俺が思っていれば、智駿さんは、その手に取った液体を俺のお尻の穴に塗り込んで、アソコをぬるぬるにした。



「んん……ちはやさん……」

「ふふ、梓乃くん。エッチな顔」

「ん、あ……」



 智駿さんが俺の脚を掴んで、ぐっと押し込んでくる。アソコを大きく曝け出すような格好をさせられて、そこにハケを近づけられて……俺の心臓は、どきどきといいはじめる。

 もっと気持ちいいことしてくれる。お尻の穴、たくさんいじめてくれる……



「あっ……あ、ぁあーっ……!」



 わくわくと待っていると、突然、凄まじい快楽が襲いかかってきた。ハケが、ものすごいスピードで俺のお尻の穴を嬲ってきていたのだ。お尻の穴に付着したぬるぬると、ハケを濡らす唾液が、ぴしゃぴしゃ!と音をたてるくらいに、激しく。

 俺が仰け反って悶えれば、智駿さんが乳首をぎゅっと掴んでくる。もう、どうしたらいいのかわからないくらいに気持ちよくて、それでもどことなくもどかしくて、俺はもう片方の乳首を自分でコリコリして、腰を縦に振った。



「あんっ! あんっ!」

「すっごくやらしい。こんなにやらしい梓乃くんを描けるのは、やっぱり僕だけだね」

「ぁあんっ……ちはやさんっ……!」

「もっといやらしくなってごらん」



 命令されて、もっと乱れないと、そう身体が言う。俺は自分の股間に手を伸ばして、人差し指と中指でお尻の穴をくぱっと広げて、ハケになかの方を刺激してもらうようにねだった。いっぱい腰を振って、乳首オナニーをして、そしてお尻の穴を広げて。ベッドをぎしぎしと軋ませながら、俺は智駿さんの前で乱れてみせる。



「あぁっ……あー……!」



 大きくのけぞって、あっというまに昇りつめて……俺は、がくがくと震えながら、イッた。どさっと腰を落として、ぐったりと横たわっていれば、智駿さんが俺の顔を覗き込んで、微笑む。ハケでつん、つん、と乳首つつかれて、俺の身体はぴくんぴくんと震えた。



「いやらしくて、可愛かったよ、梓乃くん」

「ほんと……?」

「ずっとおあずけしていたから、たまってた?」

「はい……ちはやさん……」

「ふふ、挿れてほしい?」



 智駿さんが、ズボンのベルトをはずしている。数日の間、智駿さんに挿れてもらえなかった俺は、もう期待でいっぱいだった。乳首とお尻のいりぐちだけでイかされて、奥のほうがきゅんきゅんと疼いている。やっぱり……智駿さんのもので奥を突いてもらわないと、俺は満足できない。

 智駿さんのものが、俺のお尻の穴に、あてがわれる。息があがってきて、興奮してしまって、くらくらする。智駿さんは俺の身体の脇に手をついて、じっと薄く微笑みを浮かべながら見下ろしてきていて……かっこよすぎて、おかしくなりそう。心臓がばくばくといっていて、それでも智駿さんから目を離せない。



「ふ、あ……」



 熱いものが、いりぐちにあてがわれる。長い間お預けをされていた俺の身体は、それだけでビクビクと震えてしまった。智駿さんはそんな俺をみて目を細めてくるけれど、俺は早く挿れて欲しくてたまらない。おねだりするように腰を押し出して、自分のお尻の穴を智駿さんのものに押し付ければ、智駿さんはふふっと笑って、ぐ、とそれを押し込んできた。



「あ……あ……」



 びり、となかが震える。智駿さんがじっとりと俺の瞳を覗き込みながら、ゆっくり、ゆっくりとなかに推し進めてくる。じわ、じわ、となかから液体が分泌されるような錯覚を覚えるくらいに、熱が染み出てくる。俺は息を詰まらせるように、はくはくと息をして……最奥にそれがくるのを、待っていた。

 そして、それが……奥まで、やってくる。あと少し、あと少しで一番奥までくる、そのときに――智駿さんは、一気に最奥を突いてきた。ズンッ!と強く突かれて、俺は失神しそうになりながら、イッてしまう。



「あっ――」

「どう?」

「ま、って……これ、……や、ば……」

「なかに欲しそうにしてたの、梓乃くんでしょ。待たないよ?」

「だ、……だめっ……だめ、だめ……!」



 すさまじい、快楽だった。腰が、蕩けてしまいそうなほど。感覚が、なくなってしまいそうなほど。今ピストンなんてされたら、俺の下半身が壊れてしまいそうで、怖くなった。でも――智駿さんが、止めてくれるわけがない。智駿さんは、俺の腰をがっしりと掴むと、ガンガンと奥を突き始めた。



「あっ……あっ……」



 気持ちいい……気持ちいい、気持ちいい。もっと、もっとめちゃくちゃにして欲しい。

 もう、自分がどうなっているのか、わからなかった。どんっ、どんっ、と強い衝撃が下半身に走って、それと同時に重い快楽が押し寄せる。俺は悲鳴のような声をあげながら、もっと、もっと、って腰を自ら振っていた。



「はぁっ、ちはやさっ、あっ、あっ、もっ、とぉ……」

「もっと、ね」

「あぁんっ、はげしっ、あーっ……!」



 体位を変えて、何度も何度も突かれた。俺は潮吹きしながら、ぐちゃぐちゃになりながら、久々に挿入された悦びに悶えていた。



「梓乃くん、出すよ、」

「あっ、いっぱい、ちょうだい……ちはやさん……!」

「ふふ、僕だけの、梓乃くん」



 なかに出される瞬間、俺は、智駿さんにぎゅっと抱き着いた。俺は、智駿さんのもの。そう頭に浮かべながら中出しされると、ふわふわと気持ちよくなって、幸せな気分になる。

 キスをして、奥に最後の一滴までだされて。俺、智駿さんじゃなきゃ、だめだって。そう思った。


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