甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 sept


「あ、すごい夜景」



 新見さんといくらか話をして、俺達は部屋に戻った。智駿さんはホテルにくる前と比べると、すっきりとした顔をしている。新見さんの活躍をきっと智駿さんは結構前から知っていてもやもやとしていただろうから、このホテルに来ることが出来て良かったと思う。新見さんと話せて、心のつっかえがとれたはず。



「梓乃くん」

「はい?」

「あのね、」

「わあっ」



 窓から夜景を眺めていた俺に、智駿さんが背後から抱きついてきた。急に抱きしめられてドキッとして、俺は挙動不審になってしまう。



「梓乃くんが言ってくれたことも、新見との話も台無しにしちゃうようなことなんだけど、」

「……?」

「……ブランシュネージュをやっていたから梓乃くんに会えたって思うと、僕はあの店を開いてよかったって思える」

「へっ……!」



 智駿さんの言葉に、かあっと顔が熱くなった。

 ほんとだよ、それ、俺が言ったこととも新見さんと話したこととも関係ないじゃん!ってつっこみたかったけれど、どうしても嬉しい。



「僕のことを応援してくれる、素敵な恋人。ほんと、梓乃くんに逢えたのって運命なのかな」

「ちょっ……あ、あの……智駿さん!? は、恥ずかしいことばっかり……どうしたんですか!」

「……ほんとうに嬉しかったの。さっき、梓乃くんが言ってくれた言葉が。僕のケーキをもらったら嬉しいって、僕のケーキが人を笑顔にするって、……本当に僕が最初の最初にもっていた夢を思い出させてくれるそんな言葉が」



 そ、そんなに俺はすごいことを言っただろうか。ぎゅーっと抱きしめながらそんなことを言われて、俺はどうしたらいいのかわからなくなってくる。



「梓乃くん」

「……、はい」

「好き。大好きだよ、梓乃くん。すごく好き。愛してる」

「ちっ……智駿さっ……んっ……」



 顎をくいっと掴まれて、唇を奪われた。

 どき、どき。すごく心臓が高鳴っている。好き、って言葉はいつも言われているのに、なぜか今日はやたらとドキドキする。ちょっとした壁を乗り越えて、もっと大人になった智駿さんがかっこいいって思ったからかもしれない。ああした小さな弱さすらも俺にとっては愛おしくて、今日の件で俺はますます智駿さんを好きになっていた。だから、だろうか。胸が痛いくらいにどきどきして、おかしくなってしまいそうになるのは。



「愛してるよ、梓乃くん。君に出逢えてよかった」

「ち、はやさん……まってっ……」



 でも、こんなに愛を囁かれると参ってしまう。どきどきしすぎて頭が真っ白になって、自分が自分でなくなりそうだから。智駿さんが俺の首筋を吸いながら身体を撫でてきて、腰が抜けそうになる。甘い甘い愛の言葉に蕩けてしまって、身体からくたりと力が抜けて行く。



「あっ……」



 かくん、と脚が崩れそうになって、俺は窓に手をついた。息を飲むくらいの綺麗な夜景が視界に飛び込んできて、くらくらする。そんな美しい夜景にのまれている間も、智駿さんは俺の首筋にキスを落としてきた。



「梓乃くん……そのまま」

「んぁっ……そんな……」



 服の中に智駿さんが手を入れてくる。このまま……するんだ、ってどきどきしてくる。こんなところでしたら、外から見えちゃうっ……!なんて、ちょっと抵抗しながらも俺も乗り気にはなっているんだけれど。



「梓乃くん……好き」

「あんっ……」



 乳首を摘まれて身体がビクンッと跳ねる。身体が熱くなってきて……もう、俺も完全にその気になり始めていた。



「あっ……んっ……んぅっ……」



 乳首をこりこりされて、脚ががくがくし始める。どんどん上半身が落ちていって、窓をずるずると滑っていって、智駿さんに腰を突き出すような体勢になってしまった。智駿さんはそんな俺に覆いかぶさるようにして、なおも乳首を責め続けてきて、そして耳を舐めてくる。



「梓乃くん……好き、ほんと、好き。可愛い、梓乃くん」

「あっ、やぁ……智駿さん、だめぇ……んんっ……」



 シャツをたくし上げられていって、肌が露出する。これじゃあ外からみたときにエッチしてるって丸分かりだって恥ずかしくなった。でも、そのわるいことをしている感じに興奮してしまう。「だめ」って否定することにゾクゾクする。

 突き出したお尻をぐんっと布越しに突き上げられて、俺の身体はまたビクンッと震えた。腰を押し当てられるとバックからされているみたいで、きゅんきゅんしてしまう。俺は自ら腰を揺らして、もっと、ってせがんで、よがっていた。



「あっ……あっ……だめっ……こんなところで、だめっ……」

「ごめんね、梓乃くん。大好きだから、とまらない」

「あぁっ……ちはやさんっ……」



 智駿さんが俺のズボンを脱がせてきた。ずるっ、とズボンが下がってしまえば俺の体を覆うものははだけたシャツだけになってしまう。そんなエッチな格好をしている自分が窓に反射して映って恥ずかしくなると同時に外から丸見えだ、とどきどきした。ここは地上からはるか高くにある部屋だからそうそうは見えないだろうけれど、この場所で抱かれるのはすごくイイなって思った。自分が智駿さんのものって証明になるような気がして。



「梓乃くんは僕の心の支えになってくれるし、体の相性もいいし……もう、僕は梓乃くんがいないとだめだと思うんだ」

「あっ、……ゃんっ……おれも、ちはやさんがいないと、しんじゃうっ……」

「うん、梓乃くん……大好き」

「おれも、好きぃっ……あぁんっ……」



 ぬぷっとお尻の中に指が入ってくる。智駿さんに愛を囁かれながら指を挿れられて……俺はびくんびくんと仰け反った。腰を突き出したまま上半身をぺたりと窓につけて、かくかくと震えてしまう。

 くちゅくちゅとなかを掻き回されて、俺は窓に頭を擦り付けながらよがった。もうお尻の穴を解すのなんて、智駿さんにはお手の物って感じみたいだ。俺の感じるところを責めながら指を増やしていって、ぐりんとなかを広げていって、あっというまに俺のなかは柔らかくなる。

 今日の智駿さんは、早く俺とひとつになりたいみたいだ。焦らしがほとんどなくて、がんがん感じることをされている。窓際でされている興奮も相まって、俺はすっかりぐしょぐしょになっていた。太ももの内側を、エッチな汁がたくさん伝っていく。



「あっ、ふぁ……こんなところでイっちゃう……だめぇ……」

「梓乃くんのイッてるところ、可愛いから恥ずかしくないよ」

「あぁっ……!」



 ぐりぐりとなかで前立腺をいじくられる。必死に窓に張り付いて、体が崩れ落ちないように耐えるけれど、脚はもうガクガク。体が震えるたびに窓に押し付けられてつぶれた乳首がぐにぐにとされて、それに連動してまた前立腺がきゅんきゅんする。



「梓乃くん、挿れるよ」

「あっ……やっ、いれられたらでちゃう……窓汚しちゃう、だめっ……」

「出ないように掴んでてあげる」

「ひぁっ……!」



 アソコが十分に柔らかくなると、智駿さんのものがあてがわれた。そして、チンコの根元を掴まれる。こうされると、イこうにもイけなくなってしまう。このまま挿れられたらどうなっちゃうんだろう……考えただけでゾクゾクして、期待に胸を膨らましていれば、ふといものがずぶっと入ってきた。



「ふっ、あぁあっ……なに、これぇ……」

「すごい、しめつけ」



 挿れて挿れて、ってせがんでいたソコに挿れられて、俺の身体は歓びに歓んだ。でも、イケない。イク感覚が下腹部に渦巻いていてなかが激しくヒクついているのに、それは弾けない。じんじんと痺れのようなものがひたすらに俺のなかで暴れまわる。

 ぱん、ぱん、ってゆるゆると突きあげられる。速度はゆっくりだけど、なかの前立腺はしっかりと擦りあげてくる。すでに感じまくっている俺は、立っているのが辛くて、どんどん内股になっていった。窓に上半身をくっつけて、脚は内股になって、その状態で後ろから奥を何回も突かれる。



「あんっ、あんっ、あっ、ううっ、」

「もっと可愛い声、きかせて」

「あっ、ひぁあ……それ、だめぇ……!」



 チンコの根元を掴まれながら、先っぽを親指でねちねちといじめられる。すっかりぬるぬるになっているそこをこねくり回されて、俺はかくんかくんと腰を揺らした。チンコをいじられながら奥を突かれて……おかしくなってしまうくらいに気持ちいい。気持ちいいのに、イけない。快楽がどんどん蓄積してゆく。



「やーっ……イかせてっ……ちはやさんっ……やぁー……」

「身体がくがくしてる。かわいい」

「焦らさないでっ……ちはやさん、おねがい……おねがい……」

「焦らさないよ、僕もいっぱい梓乃くんと繋がりたいからね」

「ひっ、あぁあっ!」



 懇願すれば、智駿さんは言葉の通り責めを激しくしてきた。ピストンの速度を速めて奥をぐうっと押し込むように強く突いてきて、そしてチンコも溢れているぬるぬるを使ってじゅるじゅると手でしごいてくる。

 でも……チンコは掴まれたまま。責めは激しくされているのに、イくことはできない。前も後ろもどろどろになって、あまりの気持ちよさに頭が真っ白になってゆく。



「あっ、あっ、も、だめっ、だめ、だめ……」

「なか、ほんとキツイ。すごい、梓乃くん」

「イきたっ……ちはやさ、いきたい……」



 わけがわからなくなって涙まで出てきて、そうすると智駿さんが俺の耳元に唇を寄せてきた。そして、ぱっとチンコをつかんでいた手を離してしまう。



「いいよ、イって」

「ひ、ぁ……!? あっ、ぁあぁあっ……!」



 突然解放されたものだから、我慢出来ずに俺は思いっきり出してしまう。どぴゅっ、と一回出たかと思うと続いてどぴゅどぴゅと出てきて止まらない。たくさんたくさんでてくるそれは、自分の胸にかかってしまう。



「気持ちいい?」

「んっ……んん……」



 智駿さんはゆるゆるとピストンを続けて、チンコを弄りながら囁いてきた。胸についた精液がとろとろと身体を伝ってゆく。上半身がべったりと自分の精液で汚れてしまったから、もう窓に身体を寄りかからせることができない。手と頭だけを窓につけて、俺は崩れ落ちそうになるのに耐えていた。

 突かれるたびににゅる、とチンコからとろみのある液体が出てくる。俺のチンコを掴む智駿さんの手はすっかりべとべとになっていて、こんなに出してしまったんだと思うと恥ずかしい。



「大丈夫? 梓乃くん」

「だ、だめ……もう、立てな……」

「じゃあ、抜く?」

「やっ……抜かないで……」

「ふふ、可愛い」



 これ以上突かれたら腰が砕ける、そうわかっているけれど、智駿さんの精液を奥にたくさん出してもらわないと満足できない。だから俺は、泣きながらも首を振って懇願した。

 智駿さんは俺がおねだりすれば、またピストンの速度をあげてくる。ぱんっ、ぱんっ、って激しく突かれて、俺の身体はがくがくと激しく揺さぶられる。必死で窓をひっかくようにして体勢を保って、俺は悲鳴のような声をあげて、それでも智駿さんを欲した。



「やあぁあっ……智駿さんっ……智駿さん……!」

「梓乃くん……奥、出すよ」

「だしてぇっ……智駿さんの、いっぱいくださいっ……あぁっ……!」



 たくさんたくさん突かれてなかでどくんどくんと智駿さんのものが震えると、俺は一気に身体から力が抜けてがくんと座り込む。お腹がぽかぽかして頭がぼんやりしているなか、智駿さんが俺の身体を包み込むように抱きしめてきた。



「梓乃くん」

「はい……」

「愛してるよ」

「……俺も……愛してます、智駿さん……」



 幸せ……。

 いつもよりも、さらに智駿さんの愛を感じたような気がする。いっぱいいっぱいの幸福感に胸が痛いくらいにどきどきして、俺はそっと目を閉じた。



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