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僕の言葉は砂糖と毒でできている

『す、好きです』


あーあ。噛んじゃった。


季節は秋、テスト期間でバスケ部も一時休止中となっている中もちろん勉強なんてそこまでまじめにやることないって思ってるオレは放課後空がオレンジに染まるまで違うクラスの友達と喋っていた。そろそろ、と一人が腰を上げたらそれを封切りみたいにみんなが帰る準備を始めて、オレもその場で別れた。そしたらたまたまクラスメートの青木、…青木さんにあって、ちょっといいですか、なんて声をかけられた。自分で言うのもなんだがオレはカンが鋭いほうだし、顔だっていいって自覚してる。だからその時勉強にはまったく使わない賢いオレが出てきて、オレは営業用のスマイルを作って「いいっスよ」と言った。

そして冒頭に戻るわけだ。やっぱりオレのカンは鋭い。いや、つーか告白なんて相手の顔見りゃだいたいわかるか。にしてもこのおん…青木さんって、もしかして意外と可愛いのか?なんか俯いててあんま顔見えねえし、緊張してんのはわかるけどちょっとお顔見せて欲しいなーナンテ。普段女の子とはどんな系統の子とも話してるけど、それでもどうしてもオレの立ち位置てきに、派手な女の子との絡みがダントツ多い。つまり青木さんをこうしてまじまじ見ることはなかった。あっちはオレを見てたんだろうけど。


『…黄瀬くん?』
「あ、ごめん、ちょっと考え事してたっス!」
『うん、平気…あの、ほんとごめんねいきなり…』
「や、嬉しいっスよ」


ぶっちゃけ慣れてて嬉しいとかうざいとか何も感じない。告白されたらどんな相手でも嬉しい、なんてそれはモテないやつの言い分で、残念ながらモテちゃうオレは最近告白を若干煩わしく思っていた。青木さんも例外じゃない。

…それにしても。


「(どうすっかな、)」


青木さんって可愛いかも。もちろん可愛いからって付き合うわけじゃないけど。可愛い顔以上に気になるのがその体だ。胸は、うーん、D?E?とりあえず周りより確実に大きめで、制服の上からじゃわからないけどきゅっとくびれてるような体系だ。腕は細くて、脚なんか細過ぎず太過ぎずほどよいふっくら加減がたまらない、ともしかしたらクラスの男が言ってたかもしれない。

やばい、ここ最近でいちばん迷う。こういう地味め女子の喘ぐとことか超気になるっつーか、しかもこんなえろい体なら尚更で、もっと言うとちょうど今のカノジョは束縛キツくてそろそろ潮時かなって思ってたとこなんスよねぇ…。そういえばこの子オレにカノジョいるって知らないのかな、まあ地味な子ってあんまそういう情報とかなさそうか。


「青木さん」
『は、はい』
「オレ、先生に見つからない空き教室知ってるんスよ」
『へ?うん…?』
「だから、そこでキス、しないっスか?」
『えっ』
「ほら、あっち」


キスだけじゃないかもだけど。キスで終わる自信ないけど。青木さんの細い手首をつかんで空き教室へ向かう。いろいろ考えんのはそろそろ疲れたし、つまりはこれからこの子とヤっちゃってそんで付き合って(あれ?付き合うが先?)、そんで今のカノジョと別れてもし青木さんがつまんなかったら別れちゃえばいいや。とにかく今は空き教室直行。


『き、黄瀬くんっ!き…キスって、それ黄瀬くんもわたしのこと、好きってことなの?』
「好きっスよ」


にこっと笑ってこんなこと言えば簡単にオチる、女ってバカな生き物。


空き教室に入ってからすぐに青木さんを机の上に押し倒し、貪るようなキスをした。何度も角度を変えて続けていたらそれに必死に応えようとするとこが可愛くてちょっとキュンてきた。キスの最中携帯がポッケの中で震えて、だけど唇は離さずにこっそり確認したらカノジョだった。萎える時に電話かけてくんな、と心の中で毒づきながらオレは親指で電源ボタンを押したのだった。


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20121002//僕の言葉は砂糖と毒でできている

◎梓さま
40万打記念企画に参加してくださりありがとうございます!
げすい黄瀬くん、書くのはものすごく楽しかったのですがこれがげすくなってるかどうか…!
不安ですけどとっても楽しめたので梓さまも楽しんでくださることを願います(*^▽^*)
このたびは本当にありがとうございました!


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