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ディアボロモンの逆襲 xxx.04

せめて、気持ちだけでも、子どもの頃に戻りたくて。

「太一!私も混ぜて!」
「「僕たちもぉー!」」

太一とアグモンの追いかけっこに混ざることにした。
久しぶりにした追いかけっこは意外と楽しくて、なんだか嬉しくなった。

まだハタチにも満たない私たち。
子どもか子どもじゃないか、と問われれば、まだまだ子どもなんだと思う。
なのに、なにを悩んでるんだろう、私は。
太一を追いかけながら、そう思った。

「つっかまえたっ!」
「ちょ、おまっ、挟み撃ちはずりぃって!」

私が太一を捕まえると、アグモンたちは電車内だと狭いと感じたのか、三人で電車の外まで飛び出して、追いかけっこを始めた。
私と太一はというと、捕まえた格好、つまり、抱き合ったままで。

「太一、このまま聞いて」
「ん?」
「私も太一に救われてる。太一がいてくれたから、今の私があるんだもんね。きっと、またいつか、世界のピンチを救ってみせる!」
「また世界がピンチになるのかよ。」
「そこはモーマンタイだよ。…昔から太一に頼りっぱなしだけど、これからもよろしくね?」
「おぅ。任せとけ。」

太陽のように眩しい笑顔を見せられ、心がパァーっと明るくなった気がした。
しばらく見つめあったあと、そっと唇を重ねた。

「ふふ。太一が側にいれば、なんでも出来る気がする。」
「ん。俺も。」

その後も何回も何回も唇を重ねた。
いつかこの体が溶けて、一つになってしまえればいいな、なんて狂気じみたことを願ってしまったり。



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