「なんか純とは一生一緒にいる気がする。」
「なんかプロポーズみたい。」
「とりあえず、誓いのキスでもしとくか?」
「なんか、太一らしくない。」
「うっせ。」
また唇を重ねた。
今度は私たちにとって、大切な大切な誓いのキス。
少しだけ長い時間重ねた私の唇に太一の唇のぬくもりが移った気がした。
唇が離れてからも抱きしめあった。
「…あのさー、いきなりキスを見せつけられた俺らはどうすればいいわけ?」
「「え…?」」
ふ、と周りを見渡せば、電車の出入り口や窓から覗いている、子どもたちとパートナーたち。
「お、お前ら、なんで…!!」
「…私がみんなに連絡したんだよねー…太一にも送ったでしょ?」
そういえば、みんなに都電集合って連絡したんだっけ。
すっかり忘れてたけど。
「純、お前なぁっ…」
「や、わざとじゃないっ!でも、誓いのキスの証人ができたわけだし、いいじゃんー!」
「おまっ、そーゆーことは口にするんじゃねぇ!」
「ヤマト!空!助けてー!」
「は?!俺たちまで巻き込むなよ!」
なんて言っても、ちゃっかり守ってくれるのがヤマトと空で。
気が付けば、ミミちゃんや光子郎くん、丈先輩や大輔くん、アグモン、ロッテリア、みーんなで追いかけっこをしてた。
「はぁー。つっかれたー!」
「元はと言えば、お前が悪いんだろっ!」
「まぁ、いいじゃんいいじゃん。こーんな綺麗な景色見れたんだから、ね?」
太一と純は都電に登り、空を見上げた。
目の前に広がるのは初めての冒険の時にも目にした綺麗な夕日で。
「ここから始まったんだよな。俺たちの冒険。」
「うん。まだ、終わってないけどね?」
僕らの冒険に終わりは来ない。
キラキラと輝く冒険に終わりなどないのだから。
あの時と同じ夕日を見つめ、またキスをした。
bkm