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僕らのウォーゲーム act.02

太一は冷蔵庫の中を漁り、純は買い物から帰ってきたばかりの太一のお母さんのお手伝いをする。
デジタルワールドから帰ってきた直後から、この光景はよく見られる光景になっていた。
たまにヤマトがいることもあるのだが、この日はいなかった。
ヒカリが誕生日パーティーでケーキを食べるのがズルいという太一のリクエストにより、太一のお母さんと純がケーキを作ることになった時、インターホンがなり、八神家の扉が突然開いた。
そこには息を切らした光子郎がいた。

「おぅ、光子郎。あがれよ。」
「た、たまごが…たまごが孵ったんです!」

ケーキの材料を揃えていたため、ちょうど手に持っていたたまごに目線を落とす。

「違う!デジモンのたまごです!」
「デジモン?」

デジモン、という言葉に反応し、純も玄関まで駆け寄った。

「純さんもいたんですね、ちょうどよかったです。」

太一のお母さんへの挨拶も済ませ、太一の部屋に足を進める。

「ねぇねぇ。さっき言ってたデジモンって?」
「これです。」

光子郎が開いたパソコンに写し出されたのは、クラゲのような姿をしたデジモンであった。
目が一つしかない、というのは不気味であったが、まだ産まれたてのためか可愛いと感じる面もある。
光子郎曰く、ロスに住んでる大学にも席を置く小学生(つまり、ものすごく頭のいい小学生ということだろう)が調べたところ、コンピューターのバグが寄り集まってデジタマが作られた、ということらしい。

「俺も小学生だけど、小学校しか通ってないぞ。」
「日本には飛び級とかないからね。」

緊張感のないまま、話を進めていると、突然パソコンが鳴った。
目を離した隙にデジモンの姿が変わっていた。

「進化した…」

そして、メールが1通。
“オナカスイタ”



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