「そらへ。こないだはわるかつた、きげんなおせよ。やがみたいち」
「太一ってば、まだ空と仲直りしてなかったの?」
「うぉ!勝手に見んなよ!てか、なんで純がここにいんだよ!」
太一は必死でパソコンを隠しているが、丸見えだ。
というより、純は読み上げている内容を聞いていたため、メール画面を隠す必要はないのだが、あえて口には出さなかった。
「遊びにきたら、ヒカリちゃんがあげてくれたの。ヒカリちゃん、お友達の誕生日パーティーがあるみたいで、すっごいお洒落してて可愛かった!」
「ふふ、ありがとう!あ、お兄ちゃん!メール出すにはここをクリック!」
ヒカリはマウスを動かすと、太一が出せずにいたメールをいとも簡単に送信してしまった。
出せずに、とは言っても、出し方が分からなかったわけではなく、出すか出さないか悩んで、出せずにいたわけなのだが。
「おい!勝手に送んなよ!」
「ヒカリちゃんが出してくれてよかったじゃん。ヒカリちゃんがいなかったら、出せなかったでしょ?」
ヒカリは誰に出したメールなのかをとても気にしていたが、太一が教えることはなく、気にしたまま、友達の誕生日パーティーへと出掛けた。
「あ、太一。メール送れてないみたいだよ。」
「メールの受信は拒否…なんだよ、空のやつ!俺からのメールは受け取れないってゆーのかよ!」
太一は椅子の上で暴れたため、椅子と共に倒れるハメになった。
「メール受信拒否に頭まで打って…今日は災難だね?」
この時、二人はまだ知らなかった。
これから更なる災難が二人を待ち構えていることを…
その頃、光子郎は自身のパソコンのチェックをしていた。
ふと覗いた先には見覚えのないデータがあり、開いてみるとデジタマがあり、ちょうどデジモンがうまれるところだった。
1通のメールが届いた。
“hello!”
それを見た光子郎は太一の家へと一目散に走り出した。
bkm