二体で必死に残りの一匹となったクラゲを追うが、スピードが早くて追いつけない。
「いない!」
「そんな…どこに消えたの?!」
「一分を切りました!」
「そんなっ!!もう時間がないのに!」
「お兄ちゃん、早く奴を見つけて!もう時間がないよぅ!」
しかし、クラゲのスピードがあまりにも早く、目で追うことすらままならない。
パワーではオメガモンが、スピードではディアナモンが優っているが、共に優っていなければ、この状況では意味がなかった。
「そうだ、転送だ!このメール全部、奴のアドレスに転送すれば...!!」
光子郎はクラゲのアドレスを打ち込み、転送ボタンを押す。
「いっけぇー!」
メールの転送が始まった途端、クラゲのスピードが急激に落ちていく。
「残り10秒です!」
「あそこにいる!」
かろうじで動いているクラゲは純を睨みつけていた。
「グッドナイト・ムーン!」
ディアナモンの攻撃がクラゲに命中し、動きは完全に止まった。
「太一!ヤマト!」
「おぅ。」
「いっけぇぇええ!」
オメガモンはクラゲの頭にオメガソードを貫通させた。
そして、その直後、マンションの横に流れる川に核ミサイルが墜落した。
もちろん、爆発はしなかった。
時計が止まったのは、わずか一秒前であった。
「間に合ったぁー…」
「ほ、ほんとだ…よかったー!」
クラゲを倒した直後、無事にネット世界から現実世界へと戻ってきた太一と純は光子郎も巻き込み、抱きつき喜び合った。
クラゲとのウォーゲームはこちらの完全勝利で終わった。
bkm