「たたた太一っ!」
「なに、どもってんだよ。」
「こ、これっ!」
純はテレビを指差し、叫んだ。
太一がテレビの方に目をやると、災害伝言ダイヤル171の文字。
「こ、コレだ!」
太一は早速171に電話をかけ始めた。
「もしもし、ヤマト!この伝言聞いたら、すぐ返事くれ。一大事なんだ!」
他の子どもたちにも同様に電話をかける。
空には純がかけることになったのだが。
そして、その電話を聞いていたお母さんによって、ミミがハワイにいることを知らされたのだった。
「ハワイ…じゃ繋がるはずないよね。」
「あら、おかえりなさい。」
「どうも…」
タイミングがいいのか悪いのか、ちょうど光子郎が戻ってきた。
「純さんも太一さんもどうしたんです?」
二人はただ、顔を見合わせ、苦笑いするしか出来なかった。
「ハワイ…ですか。」
「ダメだ、完璧に。」
「僕らっていまいちまとまりないですもんねー。」
「それって、私の絆の紋章の力がないってこと?!」
「い、いえ…そういうわけでは…」
「ところで光子郎。お前、どこ行ってたんだ?」
太一は話を逸らすように話題を変えた。
「衛星携帯ですよ。」
「衛星携帯ってなに?」
光子郎の話によるとNTTの交換機を使わずにインターネットを繋げるものらしかった。
しかし、ヤマトたちへの電話など、国内通話は出来ないようだ。
「ねぇ、そういえば、そろそろ171に伝言入ってるんじゃないの?」
「そうだ、忘れてた!」
bkm