部屋に着き、オイラは既に困っていた。何せベッドは一つしかないし、部屋も狭い。床に散らばった芸術(粘土)を見て女は少し驚いたように目を見開いたように見えたが、一瞬だった。

「あんた……椿、つったか、うん?」

オイラと組むことにされた上、しかも相部屋にされた以上名を覚えない訳にもいかないか、と確認する為に問いかけた。合っていたようで、女……椿は、無言で頷いた。

「なぁ、オイラと会ったことあるって覚えてるか?うん」

どうしても気になっていた事を聞いてみた。覚えていないのなら良い。寧ろ好都合だ。覚えていたら、やはり若干の気まずさが残る気がする。椿は一瞬考えるように目を伏せたが、すぐに淡々と話し始めた。

「……覚えている。貴方は一人で遊郭に来て、適当に私を指名した。貴方のように顔の整った客は滅多に来ないから印象に残っていた」

まさか覚えられていたとは驚きだ。あの遊郭にはたったの一度しか行ってないというのに、適当に指名したところまでよく覚えているもんだ。あの日は溜まっていて、綺麗な女なら誰でも良かったんだ。早くシたかったもんだから、適当に綺麗な女を指名した気がする。それが椿だったというわけだ。

「そうか。……明日から遠征任務があるから、一緒に着いてきてもらうからな、うん」
「感知の為?それとも、性欲処理の為?」
「なっ、感知だ!うん!それにリーダー命令でお前と組むことにされちまったからな」

明日の任務は元々簡単なもので、珍しくオイラ一人で行く予定のものだったから別に椿がいようがいまいがどうでも良いのだが。感知がどの程度のレベルなのかも知りたいところだしな。

「明日は早いからさっさと寝るぞ、うん」

外套を脱ぎ捨て、これ以上話すこともないので早々に布団へ入ると、椿も軽装になりオイラの隣へ入り込んだ。それにしても狭い。一人用の布団だし狭いのは当たり前なんだが。ったく、何で相部屋なんかにされなきゃならねえんだよ。
椿が布団に潜り込んですぐ、ふわりと甘い香りが鼻についた。そうだ、この香りは記憶にある。性欲を掻き立てられるような刺激のある香り。以前は遊女として会ったからそういう香水でもつけてんのかと思っていたが、コイツの香りだったとは。ここ最近抜いていなかったせいか、そういう気分になってきた。大体女と、しかも遊女と二人で布団にいるのに、手を出さない理由もないだろう。オイラは起き上がり、椿を組み敷いた。

「なぁ……性欲処理として使ってもいいんだろ?前にもヤったことあるしなぁ?うん」
「構わない」

相変わらずの無表情にこの顔が歪むのを見てみたい気がしたが、今はそれより自分の欲求を満たしたい方が大きい。了承を得ると、荒々しく衣類を剥ぎ取り、大きな乳房を揉んだ。やはり胸は大きい。色も白いし、乳輪も淡い桃色で遊女と思えぬ綺麗な身体だ。ただ、変わらず反応は皆無だが。
早急に欲棒を取り出すと前戯もせずに秘部に押しつけ、欲のままに腰を突き進めた。一瞬だけ息を呑むような呼吸が聞こえ顔を覗いたが、無表情のままの椿。やはりつまらないと思ったが、根本まで挿入したところで想像以上の締まりの良さに顔が歪む。コイツ、こんなに気持ち良かったか……?やべえな、すぐに持っていかれちまいそうだ。

「っ……」

ゆるゆると腰を打ち付けると、奥を突く度俺の欲棒に絡みつくように締め付けてくる秘部。コイツは無反応なのに、自分の方が声が出そうになる事に屈辱的な気持ちになる。

「っ、は……こりゃ、やべえな」

ずちゅ、ずちゅ、と結合部から響き渡る水音が一層興奮を掻き立てる。少し早いが、溜まっていた事と、余りの快感に耐えきれずにラストスパートをかけ、奥を狙い激しく腰を打ち付ける。締め付けが強まり、耐えきれず最奥へ吐精した。

「はぁ、はぁ……っ、なぁ、椿」
「何…?」
「お前はオイラ専属にする事にする。だから飛段の野郎だとかに足開くんじゃねえぞ、うん」

こんなに気持ちの良い最高の身体、他の誰にも渡したくないという気持ちが強くなった。飛段と穴兄弟になるのは論外だというのもあるが、オイラだけの物、オイラ専用の性欲処理にしたいと強く思った。こんな独占欲のような感情が湧き出てきたのも不思議でならないが。それ程までに気持ちが良い。癖になりそうな身体だ。

「……了解した」
「……なぁ、お前何も感じねえのか?」
「何が」
「普通こんな事言われたら何で、とか嫌だ、とか感じるもんだろ。セックスしてても何も感じてねーみたいだしよ、うん」
「リーダーにデイダラと組めと言われたのだから、あなたに言われたことに逆らうつもりはない。そもそも私には感情はないから、何も感じることはない」
「感情がないってどういう「もう休む」

手早く慣れた手つきで後処理をし、さっさと衣類を身に纏えばオイラに背を向け眠りだす椿。これ以上踏み込むな、と言わんばかりに言葉も遮られた。感情がないって自分で言い切るかよ、普通……。考えたところでコイツは寝てしまったし、一人虚しく後処理をして休む事にした。
本当にさっきまでセックスしていたのかと疑問に思うくらいに冷めている。やはり遊女だからなのだろうか。それにしたって冷めすぎやしないか。今まで遊郭で抱いた女の中に、そんな奴は一人もいなかった。寧ろまた来てほしい、つきあってよ、等とオイラに媚を売るような女ばかりだった。だからこんなに冷めた対応をされると悔しい……というか面目が潰れる。何だってこんな気持ちにならなきゃならねえんだ、うん。

そんなモヤモヤした気持ちのまま、眠りについた。



To be continued..




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