カミサマ、この恋を(デイダラ)


 
*無理矢理表現あり注意


デイダラのことを好きになったのは、初めて出会った時からだった。
私が暁に入った時に(というより入れられた。強引な勧誘のせいで)その場にいたのがデイダラとサソリだった。
最初は何だこのうるさいチビって思ったけど、デイダラを知っていくうちにただのうるさいチビという認識も薄れていった。それどころか意外と男らしい一面があったり、仲間思いなところや楽しいところを知れば知るほどデイダラのことを好きになっていく自分がいた。そんな自分に最初は気づかないフリをしていたものの、次第に隠しきれなくなって自覚するようになるまで時間はかからなかった。

デイダラも私のことを好きでいてくれたらどんなに幸せなんだろう。何度そう願ったことか。
けれど現実デイダラは、私を好きどころか芸術にしか興味がない。恋なんて単語すら知らないかもしれない。いや、知っていたとしてもデイダラが恋しているのは芸術かもしれない。

そんな時だった。ぼんやりしていたら目の前にデイダラがいて内心焦ったものの、すぐに冷静さを取り戻した。

「椿、今日はオイラの芸術に付き合うって言ってたろ、どうして来ないんだ?うん」
「え、芸術に付き合う…?」

何のことやらさっぱりだ。でもデイダラが早く来いよと言わんばかりに部屋に誘ってくる。
私はデイダラの芸術に付き合うと言って後で部屋に行くだなんて言っていたんだろうか?いくら思い返しても全く記憶にないんだけど。
まぁでもデイダラの部屋に行けるなんてラッキーだ。こんなチャンスは滅多に訪れるものではない。内心ルンルン気分で話を合わせデイダラに着いて行った。

「にしても椿がオイラの芸術に興味を持ってくれるなんてな…想像もしてなかったぞ、うん」
「え、まぁたまにはね?デイダラがあんなに好きな芸術だし?少しは気になるなぁって…」

部屋に到着し、適当に腰掛ける。初めて来るデイダラの部屋は粘土の形物がいくつもあり、作りかけの物もいくつかあった。何よりデイダラの香りで充満された部屋に幸せを感じないはずがなかった。

「でだ、コイツはオイラのアートの中でも最高傑作でな、」

一つ一つの造形物について熱く語るデイダラ。正直内容はてんで入ってこないけど、楽しそうに話すデイダラを見ているだけで幸せだった。


そんな隙を見せたのが悪かったのかもしれない。そもそもどうしてこんな目に遭っているのかもわからない。
気がつけば手足を粘土で拘束されていて、私の上に跨るデイダラ。その目はとても冷たくて仲間に向けるものとは到底思えないものだった。

「デイ、ダラ…?」

どうしてこんなことをするの?私何か気に触ることをしてしまったんだろうか。

「せっかく椿がオイラの芸術に興味を持ってくれたんだ。身体に教えてやらねーとな、うん?」

逃げようと身体を捩るもびくともしない。それどころか

「おっと、あんまり暴れたら喝するぜ?まぁ腕も足も吹っ飛んでもいいなら話は別だがな」

その言葉にピタリと動きを止める。本気だ、本気の目をしている。デイダラのことだ、ただの冗談ではなく本気で言っているのが嫌でもわかる。
動きを止めた私に気を良くしたのか、そのままスルリとデイダラの手が私の身体を撫でる。やんわりと胸を揉まれ声が出ないように必死で唇を噛み締める。

「おい、声出せよ」

首を横に振ると脅すかのように爆破の印を組もうとしてきた。すぐに顔が青ざめて、唇を噛み締めるのを諦めた。
掌の舌で愛撫されると快楽の波が電流のように身体中に走る。部屋には私の甘い声が響き渡った。

気がつけば下衣も剥ぎ取られており、秘部に至っては愛撫することもなくデイダラの自身が宛てがわれた。愛撫もしないでそんなに大きなものを押し込まれたら溜まったもんじゃない。痛いに決まっている。
爆破のことも頭の片隅にはあったが、必死で抵抗した。すると目の前のデイダラは笑顔を浮かべた。ただし、目は全く笑っていない。

「安心しろ、お前はただ痛いだけだろうが俺は気持ちよくなれるからな。たっぷり痛がれよ、うん?」

こんなに冷たい男は私の知っているデイダラじゃない。デイダラがこんなに冷酷で自分勝手な筈はない。
でも目の前にいるデイダラは冷酷そのものだ。次の瞬間、自身が私の秘部へ無理矢理挿入され激痛に私は叫んだ。



「……っ、!?」

ハッと目を開けるとそこはデイダラの部屋ではなく、自分の部屋だった。身体を確認しても何も異常はない。もちろん痛みさえもない。
あれ、まさか、今までのは…

「ゆ、夢…!?」

デイダラとの両想いを夢見て眠りについたはずだったのに、どうしてこんな夢を見るわけ!?
夢のせいで疲労感が強く、ため息しか出なかった。ドアの外からはデイダラの「椿ー、そろそろ起きてこないと任務に間に合わねえぞ、うん!」と普段通りの私を呼ぶ声が聞こえてきて安堵の息を吐いた。本当に、夢で良かったと。



ハッピーエンドにあこがれて、バッドエンドの夢を見る
(あんな夢を見て、これからどう接すればいいの?)





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