お酒から始まる(デイダラ)

 

私と芸術コンビで尾獣を捕獲したある日のことだった。デイダラは「どんなに嬉しくてもクールに喜ばなきゃなんねえぞ!うん!」とか言いつつ大喜びしていて、サソリは相変わらずクールだったけど私も飛び上がりたいくらいには嬉しかった。
その尾獣は以前、不死コンビも挑んだけど捕らえ損ねた尾獣だったから尚更。不死コンビに勝ったぞ!っていう勝敗なんてまるでないのに、何故か勝った気持ちになるという不思議な気分に。

「ねえ、こうなったらパーっとお祝いに飲もうよ!」

そんな私の提案でデイダラ、サソリ、そして私でお酒を飲んでお祝いすることになった。サソリは食べ飲みしないから、ただその場にいるだけなんだけどね。
私からこんな提案しておいてなんだけど、実はこれが初飲酒だったりする。

お酒ってどんな味するんだろう?美味しいのかな?楽しみだなーなんて浮かれていたのが1時間前の話。
初めて飲んだお酒が美味しすぎてついハイペースで飲んでしまったもんだから、完全に私は酔っ払っていた。酔っている自覚はないのだけれど、とにかく楽しい気分だ。

「おい椿、いい加減にやめておけよ、うん」

「なーんでー?こんなに美味しいんだからデイダラもサソリももっと飲みなよー!」

新たに缶を開ける私をみて呆れ返る芸術コンビ。サソリに至っては

「こうなったら拉致があかねえ。コイツはデイダラに任せたぜ」

「ちょ、オイ旦那!?こんな状態の椿とオイラ置いて逃げる気かよ、うん!?」

「逃げるなんて人聞き悪いな。部屋に戻るだけだ」

「それを逃げるって言うんだよ、うん!…って行っちまった」

早々に部屋に戻ってしまった。すっかり困り顔のデイダラは横目で私を眺めている。これ以上絡まれると厄介だとか内心色々考えているのだろう。
何を思ったのかデイダラは急に立ち上がると、私が飲もうとしていた酒を取り上げたのだった。

「ちょ、何するのよデイダラ!」

「酒はもう終わりだ。いい加減酔いを醒ませ、この酔っ払いが!」

「なっ…!!」

腹が立った私も負けじとデイダラから酒を取り返そうとするが、よろけてしまい上手く身体が動かせない。それどころか思い切りバランスを崩し、デイダラに向かって倒れ込んでしまった。

「っ、椿!?」

「いったーい…っ、え…?」

床にぶつけた箇所が痛んで目を開けると、目の前には顔を赤くしたデイダラ…が物凄く近くにいた。あと何センチかでキスするところだったんじゃないかってくらい、近く。
顔を赤くしたデイダラがかわいすぎて、ほぼ無意識に頬を触った。そして軽く抓った。

「っ、何すんだよ、うん!」

「へへ、デイダラかーわいー。顔赤くしちゃって。女の子みたい」

その私の一言にプチンときたらしい。デイダラは急に目つきが変わって私を押し倒した。形勢逆転、というやつだ。その目つきは確実に男の…いや獣のような目つきだった。

「椿が悪いんだからな?オイラのこと煽るから…」

「え、どういうこ…ん、!」

言葉を遮るように唇を奪われ、身体がぴくりと反応する。酔っていながらも頭のどこかではデイダラとキスしてる…!?と焦っている自分もいた。
それでもキスが余りに気持ち良くて、このまま流れに任せてもいいかなぁなんてふわふわした気持ちでいるのも事実で。

そうこう考えているうちにデイダラの手は私の衣類を剥ぎ捨てていく。身体の至る所を愛撫される度に、甘い声が部屋に響き渡っていく。

「おい、あんまり声出したらバレるぞ?うん」

「だ、って…気持ち良すぎるんだもん…」

お酒のせいで感度が増しているのか、涙で潤み赤らんだ顔でデイダラを見つめるとデイダラがゴクリと喉を鳴らしたのがわかった。

「っ、クソ…もう加減してやんねーからな!オイラが男だってこと、思い知らせてやるよ…うん」

気がつけば私の秘部は指を3本も加え込んでいたようだ。その指を抜き早々にそそり勃ったデイダラ自身を宛てがわれ、あっという間に挿入された。

「ヒ、あぁぁっ!」

「くっ…締めすぎだろ…!」

我慢出来ねえ、とガツガツと腰を打ち付けられる。まるで獣のように夢中で腰を振るデイダラに、打ち付けられる度に強い快楽の波が襲いかかってくる。

「っ、は…椿の中、奥突く度にすげえ締めつけてくるな…そんなに離したくねえのか?うん?」

「違っ…そんなつもりじゃ…っ、んぁあ!」

それでも腰の動きは休まることなく、寧ろ激しさを増していく。厭らしい水音と甘い声、荒い息遣いが響き渡り恥ずかしさから耳を塞ごうとしたが、デイダラによって阻止されてしまった。

「椿のココ、すげえ厭らしい音立ててるな」

「や、言わないで…!っ、あ!」

「そんなに俺のが気持ちいいか?」

そんなこと恥ずかしすぎて答えられるはずがない。嫌だと言わんばかりに顔を背けるとデイダラは腰の動きを止め、そればかりか自身を抜いたのだった。

「っ…え?」

「気持ち良いのか言わねえんだったら、もうやめちまおうかな。俺だけ気持ち良くても仕方ないしな?うん」

「や、なんで…!入れてよ…っ」

急に抜かれたせいで、秘部はデイダラを求めてヒクついている。秘部を撫でるようにデイダラ自身で刺激され限界だった。入りそうで入らない、その感覚がもどかしい。私だってデイダラが欲しくて堪らない。我慢なんて出来ない…!
羞恥心なんて捨ててしまえ、そう決心してほぼ酔いのせいにして私は手でデイダラ自身に触れ、

「ねえ、デイダラがほしいの…!お願いだからデイダラの、入れて…?」

素直にねだった。デイダラは満足げに口角を上げたかと思えば、「合格だな」と一気に自身を挿入し激しく腰を打ちつけた。

「あ、あぁっ、気持ち、い…っ!」

「ん、俺も気持ちいいぞ…っ、なぁ椿、どこに出してほしい…っ?」

ラストスパートをかけ腰の動きが激しさを増していく。私もだがデイダラも限界が近いのだろう。
私はデイダラが欲しくて堪らず、

「中…!中にちょうだい!」

とデイダラの腰に両脚を巻きつけ、両腕で思い切り抱き締めた。

「あぁ、もう堪んねえな、っ、」

「あ、んん!ねえ、も、イき、そう…っ!」

「もう出すぞ、うん…っ!」

私が達したとほぼ同時に中に熱が放たれた。ビクビクと出し切っているのがわかって幸せだった。
あれ、どうしてデイダラと一つになれて幸せなんだろう…?もしかして私、デイダラのことが好きなの…?
ぼんやりする頭で考えながら私は意識を失った。






「…ん」

目が覚めるとベッドの上で、側にはデイダラがいた。ゆっくりと起き上がるとデイダラは心配そうに私の顔を覗き込んだ。

「目覚めたか、大丈夫か?うん」

「あ、うん……っ!!」

返事をした後で先ほどの出来事を鮮明に思い出してしまい、一気に顔が熱くなるのがわかった。まともにデイダラの顔が見れない…!

「さっきなかなか激しかったからな、椿の声も他の奴らに聞こえてなかったらいいんだけどな?うん」

「え、私そんなに声出してたっけ…!?」

「そりゃな、アンアンよがってたじゃねえか。椿があんなにエロいとは思いもしなかったぞ、うん」

両手で顔を覆って俯いた。恥ずかしすぎる。何だって羞恥心も忘れてよがってしまったんだろう。
けど気持ちよかったのも事実で。そして何より自分の気持ちに気づいてしまった。デイダラのことが、好きなんだと。

「なぁ椿、オイラお前のことが好きなんだ。本当はずっと前から…。シた後で言うのも何なんだけど、つきあってくれないかい?うん」

デイダラの告白に喜びを隠し切れる筈がなかった。顔を覆っていた手を離し、私は満面の笑みを向けた。そんな私の顔を見て笑顔になるデイダラに、私も幸せを感じた。

まさかお酒から恋がはじまるなんて思いもしなかったなぁ、と心の中で呟いたのだった。



fin




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