lover complex1



「おあいて君!久しぶり!元気にしてる?」

「もちろんです!なまえ先輩から教えてもらった事を活かして、新しい取引先ともうすぐ話がまとまりそうです!」

久しぶりになまえに社内で会えた事で、おあいては自然と笑顔が溢れだす。
つい数ヶ月前までは同じ部署だったが、彼女の異動により顔を合わせることがなくなってしまったからだ。

「そっかぁ流石だね! また、久しぶりに一緒にご飯食べたりしたいな」

「僕も、また先輩の家でご飯…「おーい!
なまえ〜!会議遅れるぞ!」

おあいてが会話を続けようとすると誰かに遮られた。

「ごめん!おあいて2君!すぐ行く!」

廊下の向こうで待っているのは、
なまえと同じ部署のおあいて2だった。

「じゃあ、行くね。
また連絡するし、おあいて君も
連絡ちょうだいね!」

笑顔で手を振ったかと思うと、同僚の元へ駆けて行くなまえ。
おあいては取り残されてしまった。

おあいて2は企画部のエースと呼ばれる実力者で、しかもモデル顔負けのルックス。
なまえも仕事の実力は折り紙つきであり、凛として聡明な美人。
2人が並ぶ姿は、どこから見てもお似合いだった。

そんな完璧な彼と楽しそうに話している彼女におあいては悲しそうに視線を送った。


月が雲に隠れている夜、人通りの少ない住宅街をおあいては一人で歩いていた。
取引先に提出する資料に間違いが発覚し、その修正のための残業の帰り道。
彼の足取りは重かった。

僕は一体何なんだろう…?
なまえ先輩よりも年下で、
仕事もあんなくだらない間違いをしてる様じゃおあいて2先輩にも到底敵わない…
なまえ先輩に認めてもらいたくて頑張ってきたけど疲れちゃったよ…
全部がどうでもよくなってきた。

「はぁっ…」

溜め息を溢した彼に、さらに雨粒が落ちてきた。

あぁ、最悪だ…
雨まで降ってくるなんて…

土砂降りの雨はおあいての髪の毛もスーツも何もかもを水浸しにした。
傘も無いし、雨宿りできる場所もない。

そんな時、ふと近くになまえのマンションがある事を思い出した彼は、携帯に手を伸ばした。


ピンポーンとインターホンが鳴る。
事前に連絡を受けていたなまえは、タオルを持って玄関へと走った。

「はーい!」

なまえはドアを開けた瞬間固まった。

そこにいたのは、確かにおあいてだったが、彼女が知る彼とは全く違う姿だったからだ。

全身がずぶ濡れで、俯いており、彼の纏う雰囲気も物々しくて暗い。
いつもの笑顔で穏やかな彼とはかけ離れていた。

「おあいて…君?」

なまえが訝しげに声をかける。

「なまえ先輩…」

顔を上げた後輩を見てなまえは息を飲んだ。

ガチャンと扉が閉まる。

伏し目がちでどこか寂しく、そして悩ましげな視線を送るおあいて。
濡れて漆黒の髪から滴る雫は、彼の白い肌を伝い唇を濡らしている。
彼の全てが妖しくて艶かしかった。
いつも弟の様に可愛らしいと思っていた彼に、なまえは初めて男の色気を感じたのだった。

「とりあえず、タオルを…んっ!?」

いきなりなまえは唇を塞がれる。
タオルがぱさりと力なく床に落ちた。
おあいてはなまえを抱き寄せて舌を口腔内に侵入させる。

「ん"んっ…んっ…!」

なまえは彼の胸を叩いて拒絶しようとするも、当の本人は角度を変えて何度も繰り返し彼女の口の中を懐柔する。
そして、そのままなまえを押し倒した。

「おあいて君!止めて!」

なまえが必死に彼の下から逃れようとするも、おあいてがのし掛かり彼女の両腕を押さえているため叶わない。
彼女は身体の自由も、彼の冷えた身体に体温も奪われていた。

おあいては一言も発する事なく彼女の首筋に舌を這わせながら、彼女の衣服を捲り上げた。

「やぁっ!ダメ…!」

彼女の訴えも虚しく、彼は剥き出しにした胸の先端に吸い付く。
与えられる刺激と、冷たさによってすぐに突起が顕れる。

その様子におあいては口角を上げて胸元に紅い印を刻みながら、なまえの短パンを下着と共に一気に引き下ろした。
そのまま彼は不敵に微笑んで、秘裂に指を伸ばす。

「ダメって言ってたけど濡れてるよ?」

嬉しそうに蜜口の中に指を忍ばせる。
なまえは身体を捩って抵抗しようとするも、中を掻き回される度に力が抜けていった。

「っあ…やぁ…」

彼女の口からは拒絶の言葉に混じって、甘い吐息が漏れている。

おあいての長くて綺麗な指にくちゅくちゅと優しく、時に激しく膣肉を刺激され、なまえの中に徐々に快感が芽生えてきた。

「なまえ先輩は、おあいて2先輩と付き合ってるの?」

不意に指の動きを止めた彼が問いかける。

「うぁっ…?」

「先輩が正直に答えてくれたら、止めてあげる」

なまえの瞳をおあいてが覗き込んできた。


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