▼ first night 前編1
夜も更けて、眠る時間が近づいてきた。
「寝室、私はどこになるの?」
肌の手入れと髪の毛を乾かし終えて、お揃いの真っ白なパジャマを着ている環に問いかける。
さっきまでリビングでお酒を飲んでいたはずの徹の姿はなく、既に寝室に入ってしまっていた様だ。
「まだ、案内してなかったよね。おいで?」
与えられた部屋にベッドも布団もなくてどうしていいかわからないと訴えれば、ニコニコとした環に手を引かれる。
「ここだよ。俺達三人の寝室」
連れられて来たのは、片桐さんからの説明の際には2人のプライベートルームだからと中を見せられなかった部屋だった。
ドアの奥に広がるそこにはキングサイズのベッドが中心に置いてあり、あとはルームライトとサイドテーブル、ソファが一対あるだけ。
そして、それを収めているのはダークブラウンのフローリングにアイボリーの壁。
加えて、天井には大きなファンが付いており、まるで高級なホテルの寝室みたいな生活感のない場所だった。
しかも、すでにベッドには真黒なパジャマを着た徹が寝そべっており私達を待ち構えていた。
「遅えよ。お前ら」
「ごめんごめん。じゃあ、しのぶはベッドに座ってて?」
環に言われるがままに座れば徹がいつの間にか横にいて肩を抱いてきて、そのまま環がサイドテーブルから何かを取り出す様を眺める。
「明日からこれをきちんと飲んでね」
近づいてきた環がそっと私の手を取り、長方形の箱を乗せる。
「これって…」
「ピルに決まってんだろ?」
私の髪の毛で遊びながら、徹が当然の様に告げる。
手渡されたモノを確認すれば、確かに避妊薬の箱だった。
微かに震える。
これの意味するところが分からないほど鈍くはない。
今まで、彼氏と身体を重ねる時には必ず避妊具をつけさせていた。
まして、こんな風に関係を持つことなんて自分には一生無縁だと思っていたし、恋愛関係ではない男性を直に受け入れる日が来るなんて考えた事もなかった。
確かに、今回の話を受け入れた際に肉体関係を持つ事になるかもしれないという可能性は頭の片隅にはあったけれど…
「俺達はまだ君と三人だけの生活を満喫したいから、ちゃんとしてね」
「容赦しなからな」
妖しく笑窪を見せる環と不敵に歯を覗かせる徹。
飼われると言うことがどういう事かを実感させられる。
けれども、拒む事は出来なかった。
いくら友人の様に振舞っていても、所詮は"ご主人様"と"ペット"の関係なのだ。
あの日、契約書にサインをした瞬間から、この二人の命令に従うより他にはない。
「心配そうな顔しないで?アフターピルもちゃんと用意してあるから、今日はそっちを飲めばいいし」
いつの間にか背後に回った徹に身体を抑えられて、環が正面から諭す様に私を見つめる。
そして、私のパジャマのボタンに手をかけた。
プツリ、プツリとボタンが一つずつ外されて、肌に外気が触れる。パジャマはパサリと軽い音を立てて、フローリングに無造作に落ちた。
「んっ…っ…」
「声、我慢すんな」
「あぁっ!あうっ…!」
晒された胸の先端を環に吸われて反応してしまう。声を出すのが嫌で我慢しようとしても、徹が両腕を押さえてて口を塞ぐ事も出来ないし、耳許でそんな事を囁かれて耳朶を甘く噛まれればゾクリと背筋に快感が走って声が出てしまう。
「はぁっ…お願い…電気消して…」
部屋には間接照明しかなくて薄暗かったけれど、それでも全てが見えてしまう状況では恥ずかしさにどうかなってしまいそうだった。
「ダメだよ。これからずっと俺達と一緒に過ごすしのぶの全部を確認しなきゃいけないから。ほら、こっちもみせて?」
優しい口調とは裏腹に強引に大きく股を開かせて、中心を曝け出される。
「ピンクで美味しそうだね…」
嬉しそうに目を細めて、環がそっと淵を指でなぞった。
「ほら、もっと身体開けって」
「ひゃあっ…!!」
後ろから私を抱え込んでる徹が両胸の先端の飾りを摘まんで刺激を与えれば、身体の力が抜けてしまう。
その隙に、環は私の股の間に身体を納めて舌を埋め込んだ。
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