悪魔の誘惑 | ナノ








▼ 悪魔の秘め事1

「はぁっ…あんっ…蛍君」

「ほら、もっと動いてよ」

みちるが俺を求めれば、煽る様に下から突き上げた。


そう、先生をどれだけ抱いても足りないんだ…


______________________________________


「蛍君、ずっと好きだったの。
    私と付き合ってください」

放課後、校舎の裏に呼び出されて告白をされる。
今年入ってから何回目だっけ?

今回はかわいいって割と有名らしい3組の…名前は覚えてない女子に呼び出された。

実際どーでもいいけど。

だって、俺は先生以外に興味ないし、正直、学校の女子なんてガキにしかみえない。

で、毎回お決まりのセリフを言うんだ。

「ごめんね。気持ちは嬉しいけど、今は彼女を作る気ないから…」

申し訳なさそうに眉を下げて答えれば、だいたいの奴は引き下がる。

「遊びでもいいから私と付き合って!!
    お願いだから!」

しかし、今回はそれに当てはまらず諦めが悪い。

…たまにいるんだよね。こーゆーしつこい女。

きちんと断っておかないと後がめんどくさいと心の中で溜息をつく。

「遊びで君と付き合うほど暇がないんだ。申し訳ないけど」

そう無表情で言い放てば、泣きながら彼女は立ち去った。

時間の無駄だよな。マジで。

なんて考えながら校舎に戻ろうとすると、みちる先生と鉢合わせた。

先生は俺を見た瞬間、とても驚いた表情をしていた。



「先生、今日、俺が女の子振ったとこみたでしょ?」

俺のモノを口に含んでいるみちる先生に話しかける。俺達はいつもの様に先生の家で、情事に耽っていた。

「…見たわ。泣いてたわよ、あの子可哀想だった」

ちゅっと音をさせて口を離し、質問に答える。
唇から亀頭に向かって銀糸が伸びているのがエロい。

「蛍君も、私なんかよりも本当は同じ世代の女の子と付き合った方がいいと思う…」

そう悲しそうに目を伏せる愛しい人。

――何だよ、それ。

嫉妬すらしてもらえないのか?

ムカついた俺は彼女の顔に肉棒を押し付ける。

「無駄口叩かないで早く舐めろよ」

冷たく命令し、その喉奥まで俺自身を捩じ込む。


先生は何も知らない。


俺は高校に入る前から、貴女の事を知っていた。

入試の日から全ては始まっていたんだ―――

あの日、一番前の席で俺は困っていた。

持ってきた腕時計が試験の前に止まってしまったからだ。

もちろん、会場の教室にも時計はなくて…
緊張と時間が判らない不安で机を見つめたままで震えていた。

「顔色悪いけど、大丈夫?具合悪いの?」

そんな時に試験監督の先生が気づいて話かけてくれた。
その問いかけに顔をあげれば、艶やかな黒髪を後ろで一つに束ねて、白い肌に涼しげな切れ長の瞳、細く通った鼻筋に薄い桃色の唇に彩られた、とても綺麗だけど冷たそうな女の人が立っていた。

「すいません。時計が止まってしまって…」

俺が恐る恐るそう言うと、先生は目を丸くした。

「そっか、不安だよね。ちょっと待って」

すると、先生は教室の皆に向かって

「この教室内で時計忘れた人いる?」

と、呼び掛けた。

幸い誰も忘れた人がいなかったから、先生が俺に自分の腕時計を貸してくれた。


「先生、ありがとうございました!本当に助かりました!」

最後にそうお礼を言って返すと

「4月にぜひ会いましょう」

先刻からは想像もつかないくらいの、温かくてまるで花が咲いた様な笑顔を見せてくれた。

一目で心を奪われたんだ。

もちろん、その後、俺は首席で合格。

美人で、授業も面白くて、生徒からも人気があるみちる先生は皆の憧れで。
そんな先生に少しでも近付きたくて、俺を見て欲しくて、学校行事の中心となって動いていたんだ。


「ん"んっ、ん"っ」

そんな自分にとって大切な人が苦しそうに俺に舌を這わせる。
この表情は初めて抱いた時の顔を彷彿とさせ、苦い気持ちになった。


…初めは、あんな事するつもりなかったんだ。

この人の瞳に映るだけでよかったのに。

だけどあの日、後藤先生とのキスを目撃してしまった瞬間、全てが変わった。

衝撃だった。

自分が憧れていたものはただの偶像だと思い知らされたんだ。

先生も所詮はただの女。

しかも、不倫までしていたなんて、自分の気持ちが踏みにじられた怒りが沸いて許せなかった。

けれども、怒りが鎮まれば、別の考えが浮かんでくる。
未来のない恋愛なんかよりも、俺のものになる方がよっぽど幸せになると思った。

だから、悪魔に魂を売り渡してでも手に入れたいと思った。

だって、先生を思う気持ちは誰にも負けないから。



「みちる、飲めよ」

シーツを握り締め、力一杯に喉奥に白濁の液を放つ。

「んっ…」

苦しそうに眉をひそめて俺の精液を飲み込む様を眺める。

この人が俺のものになったと感じる瞬間の一つだ。

みちる先生の全部が欲しい。

過去の男達の記憶なんか忘れさせて、全て俺に塗り替えてあげる。
    


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