基緑
2013/01/23 23:06
「もし、もしもだよ」
たとえ話はそんなに嫌いじゃない。
だけど、やっぱり好きにもなれない。
だってそれは希望と言うよりも、どちらかと言えば悲しみに満ちた願望だから。
目の前の受け入れられない現実から目を背けて、逃げているだけのように思えるから。
「たとえば、俺とヒロトが出会わない運命もあったのかなぁ」
「あったと思うよ。多分ね、」
「・・・そっか。じゃあ何で俺達は出会っちゃったんだろうね」
「後悔してるの?」
「まさか。すごいラッキーなんだなって思うよ」
「・・・俺達が出会えたのは運命だよって言ったらどうする?」
「安っぽいドラマみたいなセリフだなぁって笑うよ」
「ヒドイよ緑川」
だけど多分、きっと本当に運命。
出会えない可能性、ほんの1秒にも満たないタイムログ、ずれた一瞬の交わらない未来。
だけど俺達は、こうして出会えた。奇跡かもしれない。だから奇跡なんだ。
まるで誰かに導かれたかのように。俺達は出会い、惹かれあって、恋に堕ちた。
「誰かって誰だよ」
「さあ。・・・まぁ、心当たりは3人くらい居るけど」
「心当たり多すぎない?」
「だから運命ってことにしようよ」
出会えなかったとしても運命。出会えたことも運命。なんて都合の良い話なんだろう。
だけど、現実にならなかったたとえ話じゃなくて、どうせならこれからの未来の約束の話をしようよ。2人一緒なら、きっとどこまでも希望に満ち溢れているから、
「・・・やっぱりヒロトはキザって言うか、クサイよね」
「・・・緑川、その言い方はさすがに傷つくよ」
もしも、たとえば。俺達がお日さま園で出会わなかったとしても。
きっと俺は、世界中のどこに居てもたった一人、お前だけに恋をするよ。
(不確かな約束)
(訪れない運命)
(だから僕は、君を離さない)
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やっと普通の基緑のいちゃいちゃが書けました!
・・・ってあれ、これ普通・・・?
((聞くな
さて、導いたのは誰でしょう(゜▽゜)
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