南涼
2012/12/17 19:38




愛だと呼ぶには大げさな気がした。


と言うか、自信が無いんだ。
どれだけたくさんの優しい奴らに囲まれていても、どれだけお日さま園が居心地の良い場所でも。確かに埋められない胸の痛みが、傷が、欠片があって。

あとどのくらい経ったらこの痛みを乗り越えられるのかわからない。
明日かもしれねーし、ずっと一生かもしれねぇ。
どんなに威張ってても、所詮俺はまだ中学生のガキだから。愛を語るには歳も背も、心だって足りないんだ。


だけど、コイツを大事にしたいって気持ちは本当だから。
守ってやる。一緒に居てやる。強がってるくせに不器用で怖がりなお前の事、ちゃんと俺だけは分かっててやるから。

だからもう少しだけ待ってろよ。
お前が望むなら頭を撫でてやるし、手だって繋ぐ。眠れない夜は抱き締めてやる。泣きたい時は、俺がいつだってそばに居るから。


愛を語るのは、もう少しだけ。


「・・・良いよ、それで。晴矢にしては充分だよ」

「・・・どういう意味だ」

「ありがとう、って言ってるんだよ」

「・・・ふーすけ」

「ん、」

「・・・・・・好きだ」

「・・・・・・・・・私も嫌いじゃない」


そう言って風介が静かに笑って瞳を閉じるから、俺は引き寄せられるように自然にキスをした。


(どっちもどっち)
(素直じゃないね)
(でも愛しいね)


***************

いつもいつも似たり寄ったりの南涼で申し訳ないです・・・!
あ、南涼に限った話じゃないですね(笑)
南涼幸せになれ〜!!!!

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