あの日から一週間。

あれから丸井くんが図書室に来るなんてこともなく、また窓の外を眺める日々が続いた。

そして、今日。放課後の図書室はいつもより賑わっていた。なぜなら、


「赤也。そうではないと何度言えば分かるのだ!!」

「うぇっ、すいません副部長…」

「丸井。それはこの公式を使った方がやりやすいぞ」


テニス部がここでテスト勉強をしているからだ。いつもはファミレスを使っていると聞いていたのになぜ図書室なのか。

それだけならまだしも、どこからかその噂をかぎつけたファン達もいるのだからうるさいことこの上ない。一応図書室ということで普段よりかは抑えているのだろうけど、普段の静けさに慣れている私には辛いものがある。

今日はもう帰ろうかな、と思い席を立つ。丸井くんが見れるとはいえ、流石にこの雰囲気のなか本は読めない。テスト勉強もしなくてはいけないし。ちなみに今日はちゃんとカウンター当番の人が来たので問題ない。

図書室を出るとき、最後にテニス部を見ると、柳くんと目があった。柳くんが会釈をしてきたので私も頭をさげる。次に顔を上げると柳くんの行動を不思議に思ったのか丸井くんがこちらを見ていて、驚いてしまい、いそいでドアを閉めた。


(顔が熱い…。また、可愛くない反応しちゃったな)


私は電車通学なので駅までの道のりをゆっくり歩く。公園の横を歩きながら、子供達は元気だな。なんて年寄り臭いことを思っていたとき、


「みょうじ!」


と、聞き覚えのある、でもあり得ない声が聞こえた。


「丸井、くん」


振り返ると、少し息の上がっている彼で。なんで、と疑問ばかりが浮かぶ。


「勉強会してたんじゃないの?」

「いや、それが赤也がとうとうギブアップしてよ。解散になったんだよぃ」


丸井くんはなんで、私に声かけたんだろう。ていうか、どうすればいいんだろう…。頭はパニック状態だ。


「みょうじって電車通学だろぃ?良ければ駅まで一緒に帰ろうぜ!」

「え、」


助けてよおかしくなりそう。
(急展開すぎて、頭が追いつかない…)
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