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イケメンくんと平凡くんが
お付き合い始めました

三ケ月という限定付きで
完結][イケメン×平凡(主人公)][高校生]



EP.1 イケメンくんと平凡くん(3/4)
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せっかくのイケメンな外見も、その一言で台無し。
どこが性格までイケメンだ?なんてことを堂々と言い張ってんだ!自分で何を言ったか分かってるのか?

「だからー・・・俺と付き合って下さい。」

「うん。絶対に嫌。もっと嫌。」

「あ、あれ?なんでまだ断るの?」

特待クラスにいるんだよな?頭が良いはずなんだよな?
そんなので断られない100%の自信は、本当にどこからやってくるんだろう。

「俺と付き合ってよ!300円あげるから!」

「ならオレは200円プラスでやるから、お前こそ諦めろ。」

「じゃあその500円貰うから、俺と付き合って!」

「それはただ単にオレが500円損してるだけだろ!誰がやるか!」

付き合って下さい→嫌。
付き合って下さい→嫌。
付き合って下さい→嫌。
どうアプローチされても断るオレ。
さっきから会話が平行のまま、一向に解決しない。いい加減、それに痺れが切れたのか。

「付き合ってくれるまで、俺はここから退かない!家になんて帰さないから!」

「・・・・・・・・・。」

ここにきて脅迫。
最終的の手段だったのか、何を血迷ったのか。そう脅してまでこの話を決着させようとする。・・・コイツが諦めてくれれば、そこでもう終わってる話なんだけどね。
けどオレは、そんな脅しなどに動じない。
動じるほどの内容じゃないから動じない。

「はいはい、分かった。付き合うー・・・って言っても、どうせ退く気ないんだろ?」

あれだけ断っても、しつこく一点張りだったんだ。
たかがそれだけで素直に退くはずがなく、きっとそれにも裏があるに決まってる。
そんなことが見え見えな脅しに怯む必要なんてー・・・。

「え!?付き合ってくれるの!?わーっ、ありがとう!俺、すっごく嬉しいよ!」

ん・・・?

「あ、家に帰るの邪魔してゴメンね。今すぐ退くね。気を付けて帰ってね。」

え???

「ワーイ、ワーイ。」

「待て待て待て待て。ちょっと待て、オイ!」

何を、どうして、そうなった!?
オレが言った言葉を、どう解釈したのか。
それを聞いた途端にすんなりと人の前から退き、一人あっちで大喜び。
そんなオチの話に当然、納得できないオレは青い顔で、奴を引き戻して異議申す。

「ん?なに?あぁ、そっか。俺たち付き合うことになったんだもんね。はい、いつでもどうぞ。」

「だからちょっと待て!誰が付き合う言った!?」

何が両手広げてギューギューウェルカムだ!その腕どっちもへし折るぞ!

「え。だって付き合うって言ってくれたじゃない。だから俺、退いたのに。」

「確かに言ったけど、そうじゃない。そういう意味で言ったわけじゃないから。」

「でも退いたんだから、俺と付き合うしかないよね。」

「!?」

コイツの解釈に抗議したのが間違っていたのか。
一方的に成立させた交渉で、言葉の恐ろしさを武器にしてオレから奪う選択肢。
いやいやいやいや。いやいやいやいや。
それはコイツが勝手に退いて、勝手に違う解釈して、勝手に変なことを言ってるだけ。
オレは何も悪くない。オレは何も悪くない。オレは何も悪くない。



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