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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.30 Re Light 新曲披露の話(1/4)
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訪れた今日という日

都内のとある某スタジオにて。
リライトのイブとユウと専属プロデューサーの真昼。そしてあのGW合宿で見事バックダンサーに選ばれたアズとキィ、徹夜の代役で志摩の姿が揃っていた。

「ついにこの日がやって来たんだ・・・。」

リライトの新曲がついに発売される今週の水曜日。
今日はその曲が地上波で初めて披露される収録日。
楽屋に案内された6人は、自分たちの時間が訪れるまで控えている。

「はい。これがお二人の衣装となります。衣装合わせした時と同じモノなので、サイズ等々問題ないと思います。が、万が一。何かありましたら直ぐに伝えて下さいね。」

「あ、これが本番の衣装だったんだ!上も下も真っ黒だったから、合わせ用の服かと思ってた。」

「えへへ。きぃちゃんとボク、真っ黒いけどお揃いだね。」

「だね!イエーイ!」

「いえーい!」

そしてさっそく衣装チェンジを。
アズとキィはバックダンサー用の衣装にお着替え。
身長が違うので大きさはそれぞれで異なっているが、デザインはどちらも一緒。
お揃いの衣装に喜び、ハイタッチを交わす。



ぷちセクシーでゴシックなリライト

一方、リライトのイブとユウの2人も本番用の衣装にチェンジしていた。
イブはパープル、ユウはアクア。それぞれのイメージカラーが入った、ぷちセクシーでゴシックなデザインとなっている。

「わぁ!いっちゃん髪結っててオシャレ!」

「YES♪今日はポニーテールを高くしてまーす!」

それは普段の印象をガラリと変えていた。
イブもユウも、どちらも凄くカッコいい!

「あれ?ユウは眼鏡取らないの?」

「まあ・・・。」

「え、でも眼鏡掛けたままって危なくない?コンタクトに変えた方がいいんじゃ?」

「無理無理。目にモノ入れるとか怖くて、俺には絶対に無理だから。」

クロスカルテットにはなくて、リライトにしかない魅力が詰め込まれているお二人だった。



志摩の出番

「ほらほら。そろそろ移動して下さい。」

リハーサルも終えて、本番まで間も無く。
スタジオのスタッフさんから真昼に案内が入り、その指示に従った彼は4人を移動させる。
控え室の楽屋から収録用のステージへと続く廊下は、細くて長くて何処までも続いているようだった。

(う・・・、俺まで胃が痛くなってきた・・・。)

リライト2人についていくアズとキィの後ろを歩く志摩。
自分の出番は全くもってないのに、それでもこの道を歩くだけで。一歩前に進むだけでドキドキする鼓動が大きくなっていた。
でもそれはきっと出番があるアズやキィも一緒。いやそれ以上かもしれない。
メインはイブとユウだけど、2人にとってこれが初めてのステージなのだから。

(こういうときこそが、俺の出番・・・だよな?)

だからこそ志摩は自分の役割はなんなのか。
兄の徹夜がいない分、自分が今出来ることを自分で見つけだす。



緊張しないおまじない

「2人とも緊張してる?」

自分の前を歩くアズとキィに声を掛けてみた。

「もちろんだよ。心臓ドッキドキ。」

「流石に僕も緊張してヤバイよ。」

やっぱりいくらこの2人でも緊張しているようで、今まで見たことのない固い表情を見せる。
アズなんて一切欠伸してないし、キィもいつもの元気がなくてなんだか物足りない。
そんな2人にどんな声をかけるのが賢明?どんな言葉を送るのが一番適しているんだろう。
アズとキィの2人を、なんとしてでも励ましたい。

「そういう時は手の平に『人』っていう字を3回書いて飲み込むと落ち着くって、よく言うよね。」

なので緊張した時こそ、しない為によくある・よくやる話を聞かせたのだが、

「え?『ひと』?」

「なにそれ?人じゃなくて人間じゃダメなの?」

2人にとって、これが初耳なのだろう。
頭に余計なクエッションマークを浮かばせてしまった。



おまじないの効果

志摩は分からない2人の為に、実際に自分がやって見せてあげる。

「うん。漢字でこう「人」って手の平に三回書いて、それを飲み込みの。」

「人、人、人・・・ごくんっ。」

「んー、うん。気休め程度って感じで少しは落ち着いたね。」

するとさっそく真似してくれたのだが、効果はちょっと薄い。
キィが素直に感想を述べた通り、本当に気休め程度の様子だった。
こんなアズやキィと比べて、リライトの2人はいつも通り。緊張しているのかすら分からない。

(真昼さんは、こういう時どうしてるんだろう?)

ここでもクロスカルテットとリライトとの経験の差がモノを言っているのだろうか。



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