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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.24 GW合宿の話 (3)(1/3)
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GW合宿 後半スタート

日はゆっくりと確かに進み、春の大型連休・ゴールデンウィークも本格化。と共にガンバレウィークも後半へ。
キィの協力の元で後半戦は、クロスカルテットが初めて稽古合宿を行なった南浦家の別荘で行うこととなった。

「キィちゃんありがとうございます。場所を貸していただいて。」

「うん。だってもう寝袋で寝るの嫌なんだもん。」

泣いても笑っても、これで4人のうちの2人が決まる。
クロスカルテットのエーチ、アズ、キィ、エヴァの四人。
リライトのイブとユウの二人。
プロデューサーの真昼と徹夜の補佐の志摩。
こうして徹夜を抜かした全員が再び揃ったところで、後半戦が始まった。

「それでは今日を入れたこの三日間で決まりますので、最後まで張り切ってやりましょうね。」



最後まで諦めない

「真昼さん。今、いいですか?」

長時間に渡るレッスンの間にも、数分足らずの休憩時間。
水分補給やらトイレ休憩やらに当てられているが、その隙が生まれた時に志摩が真昼を呼び止めた。

「真島さん、ごめんなさい。以前から言ってる通り・・・。」

「そこを何とか考え直して欲しくて。」

もちろん用はこの椅子取りゲームのこと。
志摩は2から4へと枠を増やせないかと、初日の頃から今までも、ずっと交渉を続けていたのだ。
けれど真昼が頷かない限りは平行線を辿るだけ。

「まひるーん、ちょっといいデスか〜?」

「はーい!・・・それでは真島さん。すみませんが、失礼しますね。」

「・・・・・・ぁ。」

言うだけ無駄?やるだけ無意味?
そういうマイナスは一切思わないように、考えないように。それでも諦めたくない気持ちで自分を上手に誤魔化した。



四人と一人

そして日は沈んでいくと共に、『お疲れ様でした』で今日もレッスン終了。
けれどリライトはまだこれからが仕事の為、忙しくここから出て行き現場へ向かって行った

「あーぁー。せっかく僕んちの別荘に来たんだから、ゆっくりしてってほしかったのに。」

「仕方ないよ、キィちゃん。リライトにもリライトの仕事があるんだから。」

「やっぱ僕たちと違って忙しいんだね。」

だから今ここに残ってるのはクロスカルテットの四人と志摩一人、合わせて五人だけ。

「ところでキィちゃん。キッチン借りてもいい?それと食材も少しだけ。」

「好きなだけ使っていいけど、どうしたの?しましまちゃん。」

他は誰もいない。自分も今日はここで寝泊まりするつもりでいたから『今日もお疲れ様』っということで、志摩は四人を労うことにしたようだ。

「今日も皆、疲れてるでしょ?だから俺が皆の晩御飯作ろうって思って。」

「え!?」



前のお礼も含めて

「え、志摩ちゃんが作るの?」

「本当に大丈夫?しましまちゃん、ちゃんとしたもの作れるの?」

「あ、ひどいな。これでも人並みぐらいの料理は出来るよ。」

まさかのその展開。この前は四人が志摩を審査員に仕立てて晩御飯を作ってくれたが、今回はその逆。
その時のお礼も含めて、みんなに晩御飯を作る志摩。

「しまちゃんのご飯、楽しみだね。」

「俺、手伝いますよ?志摩さん一人じゃ大変ですし。」

「いいからいいから。ご飯出来るまで皆、大人しく休んでて。」

はてさて彼は一体、何を作るのかな?



2と1と無

志摩は張り切っており、珍しく自信たっぷり。
せっかくなので一人一人リクエストを取ることにした。

「エーチは何食べたい?」

「オレ?オレはなんでもいいよ。」

「アズは?」

「うーん・・・、カレーかな?」

「僕、納豆ご飯食べたい。それなら失敗しないでしょ?」

「キィちゃん、ちょっとは信用してよ〜。エヴァも何がいい?」

「え。なら俺もカレーにします。」

カレー二票に、納豆ご飯一票、エーチは無票。っというわけで多数決でカレーに決まったが受け取ったリクエストが何というか・・・。
信頼回復、名誉挽回。前の合宿で失ったモノも取り戻す為にも気合いを十二分に入れた。



志摩が作るカレー

「でも今からカレーなんて作ったら、食べるの深夜にならない?」

そんなこんなで今晩の献立。
けど多数決で決まった結果に、キィは少しだけ不満を感じていたようだ。

「だってカレーって色んなスパイス入れたりして煮込んだら、そうとう時間かかるって。」

「きぃちゃん。レトルトならすぐ出来るよ。」

「あ、そっか。じゃあしましまちゃん、レトルトカレー作ってくれるんだ?」

「うん、全然違うよ。」

それもこれもお腹がペコペコのせい?
空腹だって不機嫌の素になるのだ。お腹の虫がぐ〜っと鳴る声が、四方行から聞こえてきても可笑しくはないだろう。

「少し時間かかるけど、具材もそこまで大きく切らなければ大丈夫だよ。カレールー使うから、そんなにかからないと思うし。」

「『かれーるう』って何?」



小麦粉をバターで炒めて
カレー粉と混ぜ合わせたモノ

カレーを知ってても、カレールーを知らなかったキィ。
初めて聞いた単語に首を傾げる。
だけどそれを口で説明すると、ややこしくなりそうだったので実際に見せてみた。

「カレールーはカレールーだよキィちゃん。キィちゃんの別荘には流石に置いてないって思ったから、休憩の時に買ってきてたんだ。見たことない?こういうの。」

すると、

「ない。」

っと、案の定で即答に返ってきた。
それを一緒に聞いてたエーチも、キィの答えに驚く。

「じゃあキィちゃん、本当に本場のカレーしか知らないんだ。オレ、逆にこっちのカレーしか食べたことないよ。」

「本場って、え???カレーに偽物なんてあるの?」

「あれ?それ言われると不安になってきた・・・。オレが食べてたカレーって偽物になるのかな?」

「え!?じゃあ僕らしましまちゃんに偽物のカレー食べさせられるの!?」

「えぇ!?志摩ちゃん偽物のカレー作るの!?」

すると二人の会話は、二人して(一人はアホ、もう一人は本気で)ボケていくからどんどんとんでもない方向へ。
読者様。読者様の中でこの二人に、つっこみを入れてくれる優しい読者様はいませんか?っと。志摩も匙を投げてまで緊急的につっこみを募集したくなった。



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