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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.22 GW合宿の話 (2)(2/3)
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朝からいました

徹夜の代わり、補佐として今日も朝からクロカルの皆と一緒にいた志摩。
一対一の個人個人の練習になって自分の名前が呼ばれることがなかった、志摩はずっと四人の様子を見守る。

(頑張れ〜!皆、超頑張れ〜!)

そして用意されていたパイプ椅子にも座らず、立ったまま心の声でエールを送り続けていた。
エーチもアズもキィもエヴァも、きっと出来る。絶対出来るようになる。
四人が真昼の望むように完成したら、この椅子取りゲームの椅子を二つから四つに増やしてくれるんじゃないかと、そう信じて・・・。



ガンバレウィーク 前半終了

「はい、終了ー。もう時間も時間ですし、前半の合宿はこれにておしまいにしましょうか。」

「四人とも、お疲れー。」

「お疲れ様デ〜ス。」

そうして進んだ時間は、それぞれの成果を離していく。
その最後は、どんよりとした重い空気が漂う。

「・・・お疲れ様、でした。」

それは疲れからやってきているのか。気持ち的な問題なのか。

「・・・・・・・・・。」

これにてガンバレウィーク前半戦はおしまい。まだ後半戦を残っているのに、まるでいつもの四人じゃないように見えた。



深夜に揃う二人

その日の夜。
こんなに更けた深夜の時間に、真昼がよく行く酒屋のバーで、真昼と徹夜の姿が揃っていた。

「ごめんね、こんな時間で待ち合わせちゃって。まひるんも疲れてるのに。」

「いえ、此方もさっき終わったばかりですから気にしないで下さい。」

片方はビールを、もう片方はモスコミュールのカクテルを。この間の騒がしかったプチ宴会とは違い、静かに乾杯。
一緒に注文したミックスナッツをつまみながら、ゆっくりと過ごす。

「前から思ってたけど。まひるんってカクテル好きだよね〜。」

「個人的にカクテルが一番飲み進めやすいんです。ビールだと直ぐお腹いっぱいになるから、沢山飲むこと出来なくて損してる気分になるんですよね。」

店内のBGMで流れているジャズ演奏が、より静かな夜を演出しているが、そんな中でも二人はいつもの二人だった。

「じゃあまひるん的には『甘いお酒が好きな男は男らしくない』っていう話、どう思う?」

「偏見もいいとこです。自分の好きなモノ・飲みたいモノを飲んで、何が悪いんですか。」



リライトの海外ロケ

「そういえばまひるん。リライトの海外ロケのこと、まだ怒ってるの?」

同じ事務所で働く先輩の徹夜と、その後輩の真昼。
年の差は志摩以上に離れてる二人だけど、仕事仲間としてその差があまり気にならなくなるほどお互いに信頼し合っている。
なので徹夜から真昼へ。その質問を改めて訊き出す。

「『まだ』じゃなくて当然です!当たり前じゃないですか。おかげ様でこの仕事、辞めたくなりましたから。」

「あらら〜。まあ確かにアレは僕もヒドイな〜って思ったよ、うん。」

「そう思っていたのでしたら徹夜先輩も止めに入って下さいよ。」

「いやいや僕でも無理だったでしょ?リライト二人を見れるのは、まひるんだけなんだから。」

するとやっぱりというか、案の定というか。
真昼はまだその件のことに関して今もしつこく怒っており、お酒のお代わりを繰り返しながら、愚痴愚痴と愚痴をぶつける。



リライトの海外ロケで

「歳が一つ差ってだけで専属にさせられたんですよ、僕。」

「その辺は人手不足が原因でもあるからどうしようも・・・ねぇ。」

リライトの海外ロケが決まったきっかけは、イブとユウが『海外ロケやりた〜い』とチェリーストーンの社長の前で言ったのが原因。
翌日『2日後、よろしく』指令が、容赦なく唐突にリライト専属プロデューサー・真昼へ下ったのだ。
そのせいで予約までして楽しみにしていた新作の小説が買えなくなり、挙句にリライトは向かった海外ロケ先で『もう飽きた』『帰りたい』『味噌スープ飲みたい』などなど散々、ワガママ言いたい放題だった為、真昼の怒りが爆発したという・・・。

「なのでこの合宿中、何度もクロスカルテットが羨ましく思いました。二人と比べたらいい子達すぎて。」

「けどそんなリライトを一番理解してるのは、まひるんなんだよ。その座を誰かに明け渡すなんて真似、しないよね?」

「したくても出来ません。なのであの二人が迷惑かけるのは、せめて僕だけであってほしいです。・・・専属でいる限りは。」

けどこうして愚痴を吐かせることにより、彼の怒りが少し落ち着く・・・方向へ向かっていたらいいなと、密かに思う徹夜だった。



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