その日の夜。 こんなに更けた深夜の時間に、真昼がよく行く酒屋のバーで、真昼と徹夜の姿が揃っていた。
「ごめんね、こんな時間で待ち合わせちゃって。まひるんも疲れてるのに。」
「いえ、此方もさっき終わったばかりですから気にしないで下さい。」
片方はビールを、もう片方はモスコミュールのカクテルを。この間の騒がしかったプチ宴会とは違い、静かに乾杯。 一緒に注文したミックスナッツをつまみながら、ゆっくりと過ごす。
「前から思ってたけど。まひるんってカクテル好きだよね〜。」
「個人的にカクテルが一番飲み進めやすいんです。ビールだと直ぐお腹いっぱいになるから、沢山飲むこと出来なくて損してる気分になるんですよね。」
店内のBGMで流れているジャズ演奏が、より静かな夜を演出しているが、そんな中でも二人はいつもの二人だった。
「じゃあまひるん的には『甘いお酒が好きな男は男らしくない』っていう話、どう思う?」
「偏見もいいとこです。自分の好きなモノ・飲みたいモノを飲んで、何が悪いんですか。」
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