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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.19 GW合宿の話 説明会(1/2)
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ガンバレウィーク

時は4月下旬。
ゴールデンウィーク前半の休日が訪れる季節。

そんなある日の夕方。
チェリーストーンの事務所、一番広い部屋に集められたクロスカルテットのエーチ、アズ、キィ、エヴァの四人。
プロデューサーの徹夜から集合をかけられていたのだが、徹夜以外にも補佐の志摩や、リライト専属プロデューサーの真昼も何故か居合わせており、いつもにまして緊迫で異様な空気が漂う。

「じゃあ皆に行き渡ったスケジュール表に目を通して。」

「こ、これは!?」

徹夜から配布された数枚の紙を針なしホッチキスで止められただけのしおり。
そこにはゴールデンウィーク前半の休日から後半の最終日まで。スケジュールがギッシリと。平日以外すべて埋められている。

「GW合宿と書いてガンバレウィーク合宿と名付けさせてもらおうか♪」

そんな微妙な雰囲気の中、徹夜一人だけがニコニコとしていた。



4−2=誰と誰?

「今回の発案はまひるんだから、まひるん彼らに説明お願い。」

「はい。」

そして徹夜の指示で、ガンバレウィーク合宿に関して、真昼の口から説明される。

「来月中旬にリライトの新曲をリリース予定で、それを徹夜先輩と話し合った結果。クロスカルテットにもバックダンサーをお願いすることになりまして。それでこの合宿期間中、皆さんに振付を覚えていただき四人のうち二人に絞り、収録の時にリライトと一緒にやってもらおうかと思ってます。」

「「「「!!」」」」

それはまさに二つの椅子を四人で奪い合う椅子取りゲーム。
普段から仲の良い彼らに設けられた争いの場。

「短い期間で振り付け全部覚えてもらうのは大変だけど、小さな小さなオーディションって思ってもらえればいいよ。」

さて四人のうち二人。その席に座れるのは誰と誰なのだろうか・・・。



2対1

「合宿期間中、平日以外は休みないから。それまで、ゆっくり休んでおくようにね。」

こうして数十分に及んだ徹夜・真昼からの説明は以上。
あっという間に解散をかけて、二人はこの部屋から出て行く。
そして一人残った志摩は、

(何も二人に絞らなくてもいいのに・・・。)

皆に説明される最後の最後まで、この合宿の案に猛反対していた。
なので決定された今でも、まだ反論を抱く。
けれど上司二人は聞く耳持たずで、その反論を受け付けなかった。

『真島さん。そういう世界でもあるわけですから・・・。』

『練習だよ練習。結果が良くても悪くても、今後の糧に繋がってくれればいいんだから。』

発案の原理は費用節約。
でもどうやらそれ以外の目的も、このガンバレウィーク合宿に隠されているようだ。



こっちこっち

(はぁ・・・。)

それでも納得が素直にできない志摩。
小さく溜息を吐き、合宿中に何か揉め事が起きないことを願った。

「しましまちゃん。」

「ん?」

その時、まだ帰ってなかったクロスカルテットの四人。
残っていた志摩を、キィが呼び止めてくる。

「こっちこっち。こっちきて、こっちこっち。」

「???」



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