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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.17 大人たちの危ない話(前編)(3/3)
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酔っ払いたち 3

真昼好みで飲まされたカクテルは三杯目で終了。

「うぅぅ・・・っ。」

どれもアルコールが強いカクテルだったためか。
志摩は目を回してしまい、すっかりお酒に潰れてしまったようだ。

「あれ?もうダメですか?真島さん、もっと飲みましょうよ。もっとオススメなお酒あるんですよ。」

「こらこらまひるん。もうそこまでしておいて。本当に危ないから、そこまでにして。お願いだから。」

それでやっと歯止めが効いたのか。
ずっと止めていた徹夜の言葉が、ようやく真昼を頷かせる。
いい感じにご飯食べて、いい感じにお酒も飲んで、いい感じに夜も更けてきたので、これにてプチ飲み会はお開き。というか徹夜がお開きにさせたのでした。



三から二へ

「大丈夫ですか?真島さん。」

「潰しておいて『大丈夫ですか?』はないと思うよ、まひるん。」

精算を済ませ、電話で呼び寄せたタクシーを待つ三人。
数分後、一台のタクシーがお迎えにやってきたのだが。

「あの、本当にいいの?まひるん。」

「はい。真島さん潰してしまったの僕なので、責任もって送り致しますよ。」

「うーん・・・。でも、なぁ・・・。」

「徹夜先輩、意外と弟さん思いなんですね?大丈夫ですよ、心配しないでください。」

「いや。そういうことじゃないんだけど。」

そのタクシーに乗ったのは真昼と志摩のみ。
酒に潰れた志摩を介抱し、志摩の実家まで送ってくれるそうだ。

「それではお先におやすみなさい、徹夜先輩。」

そんな二人を見送りながら、あることが気になっている徹夜。
真昼を心配しつつ、彼は一人で自宅へと歩いて帰って行った。

「・・・どうしよう。やっぱ言っておくべきだったかな?」



真昼宅

居酒屋を出てタクシーで自宅へと帰ってきた真昼。
肩で志摩を担ぎ付き添いながら、ゆっくりゆっくり部屋に入りソファーへ座らせる。

「真島さん。足元、気を付けてくださいね?」

「・・・・・・。」

お酒に潰れた志摩が言葉を発さなくなったせいで実家へ送り届けることが出来ず、仕方ないので自分ちで泊めてあげることにしたそうだ。

「お水、置いておきますので好きに飲んでいいですからね?僕、先にシャワー浴びてきますから。」

冷蔵庫からペットボトルのミネラルウォーターを取り出し、グラスと共にソファー前のテーブルへ。
真昼はずっと黙りっぱなしな志摩に不安を覚えつつ、そのまま一人先、浴室へと向かう。



あれ・・・?

それからしばらくして真昼が浴室から出てくる。
普段着よりも軽いスエット姿に、フェイスタオルで濡れた頭を拭いて、まさに湯上り状態。

「ふぅ・・・。」

あれだけ飲んだお酒も全てリセットされたのか。
心も体も綺麗サッパリしていた。
けど、

「あれ?」

ソファーに座らせた志摩は一向に動いてない。
差し出した水も減っておらす、あのままのまま。

(大丈夫・・・でしょうか?)

自分がそこまで酔い潰れた経験がないので、さすがの真昼も更なる不安を覚える。
もう一度、具合を覗おうとした途端、真昼の携帯電話に一通の電話が掛かってきた。



遅すぎる忠告

(ん?徹夜先輩から?)

着信相手は、なんと徹夜から。
やはりあれからも真昼と志摩のことを気にかけていたのだろう。
電話に出ると話は、そのことばかり。

『え!?志摩、そこにいるの!?』

「・・・はい。本当はご実家まで送りたかったんですけど。真島さん喋らないままで。」

自分もあのタクシーに同行するべきだった。
志摩が真昼宅にいることを知り、電話越しの徹夜の声色が険しくなる。
そして真昼に忠告を。いいえ、警告を伝えた。

『それ。オス喰い狼だから気を付けて。』



覚醒オス喰い狼

そこで真昼の携帯電話のバッテリーが切れてしまい、徹夜との通話が途絶えてしまう。

「え?どれ?」

徹夜は真昼に何を伝えたかったのか。

「・・・切れちゃいました。」

自分の背後から近づいてくる気配。
気づいた時には、すでに遅かった。

「ッ!?」

今まで動かなかった志摩が、真昼を捕まえたのだ。
そのままソファーに連れ込み、強引に押し倒す。

「わっ!?・・・ま、真島、さん?」

真昼の上には志摩が。
志摩の下には真昼が。
緊迫感溢れた異様な空気が、この部屋中に漂い二人を包む。



そして二人は・・・

指と指に絡む志摩の指。
足と足の間に入ってこようとする志摩の体。

「あ・・・の・・・?真島さん、ちょっと・・・!」

油断はどんなときだって禁物。
気がついたころには、もう遅い。

「俺とイイコトしましょうか?真昼センパイ♪」

「は?え?は!?えッ!?」

志摩の目は据わっており、真昼を捕らえて逃さない。

「あッ!待って、真島さ・・・ッ・・・!それはダメぇーーーーーッッッ!!!」

餌食となった獲物の悲鳴な断末魔が部屋中に響き渡る。
そして二人は大人の深い夜を、より濃厚に更けさせたのでした。



『CRO×QUAR』第17話を
読んでいただきありがとうございます!

タイトル通りになりますが、今回は
『大人たちの危ないお話』ということで
いろんな面でギリギリにやっちゃいました
まひるんは無事か否かはー・・、ご想像にお任せ致します

成人迎えた大人のみを集め、お酒で交えさす飲み回
久しぶりに書けて今回は非常に書いてて面白かったです
また機会があれば書きたいな・・・


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