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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.13 志摩とキィの二人の話(2/3)
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志摩の指導

「えー。それじゃあ早く生まれた人とか、すごく損じゃん!」

「気持ちは凄く分かるけど我慢しよ?俺も4月生まれで友達より早く18になったけど、卒業までちゃんと我慢したよ。」

来月で18歳になるキィだけど、まだ高校生。
なので成人コーナーの利用を志摩の指導により、禁止を言いつけられてしまう。
教職を目指していた人間だけあって、それはやはり見逃せられなかったようだ。

「あ、じゃあ高校生辞めればOK?」

「キィちゃん。そんな理由で高校生辞めたら、将来もの凄く後悔するし切ないから本気で止めときな。」


必需品といえば必需品

そんなことがあり成人向けの雑誌を諦めさせられたキィはプーと少しご機嫌ナナメ。
雑誌コーナーの次に真後ろの衛生品コーナーに目を向け、

「あ。」

めぼしい商品を見つける。
しかし、

「じゃあしましまちゃん。僕、これがいい。」

「え?」

「0.02ミリの超ウスウスだって♪」

「ダメーーーー!!それはもっとダメ!!」

キィの手にはカラフルでキラキラにラメった妖艶な箱が。
志摩はそれを目にした途端、全力でキィから取り上げ、慌てて元の位置に戻させた。

「キィちゃん!今のワザと?絶対にワザとだよね!?」

「え〜?そんなことないよぉ〜?僕にだってホラ、必要になる時あるわけだし〜?」

「あってもダメ!流石にそれも買ってあげられないよ!!」

「えーッ!!」


コンビニって便利だね

「コンビニって本当、色んなもの揃ってて便利だよね。」

「そうだね。本当便利になったよね。・・・便利すぎて俺、さらに疲れたよ。」

それからもキィは色々と商品を物色するものの、『これ欲しい』となかなか言ってこない。

「お。これなんてアズにピッタリじゃない?目がシャッキリする栄養ドリンクだってさ。」

さっきまであんなに積極的だったのに、そこまでの興味を一切示さなくなってしまった。

(コンビニの買い物で、これだけ長く時間かかったのって初めてかも・・・。)


タイムアップ

「キィちゃん、そろそろ事務所に戻らないと・・・。」

「え!?もう!?」

時間が気になって仕方がなくなった志摩は、そうキィに伝える。

「兄貴のパシ・・・、おつかいで来たわけだから。」

「あ、そっか。」

けどキィ自身は、もっとゆっくりしていたかったようだ。
切り上げるのは可哀相だったけど、その思いごとやむなく中断させた。

「てっちゃんからのおつかい、すっかり忘れてたよ。」

言われたことにおとなしく従ってくれたが、どこか寂しそうにテンションも思いっきり下がっている。
でもこれ以上の時間ロスは、本当にマズイんだ。

(ごめんよ、キィちゃん。)


選べない二択

結局、キィが欲しがったモノを持たないままレジへ。
『買ってあげる』と言った手前、何も買ってあげられないオチは、いくらなんでも切なすぎる。

(だからと言って、あの二択のどっちかを買うわけにもいかないしな。・・・どうしよう。)

そのとき、

「ん?」

「・・・・・・・・・。」

レジの隣に置かれたフードショーケースを、キィがジィっと凝視するほど見つめていた。


これが欲しい!

「え?え!?なんでここにもこのコロッケあるの!?」

それは60円で売られている、いたって普通の牛肉コロッケ。
それを見てキィは驚いており、テンションもあっという間に元通り。

「キィちゃん。コロッケ食べたいの?」

「うん!僕これがいい!これ食べたい!!」

「はいはい。コロッケだね。」

人差し指で差し、パタパタ燥ぐ元気なキィを見て、志摩も元気を取り戻しクスクスと笑う。



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