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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.13 志摩とキィの二人の話(1/3)
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パシリ業務

それはある日のこと。

「志摩くん。缶コーヒー。温かいのでよろしくー。」

「は?」

徹夜から志摩へ。突然のパシリ命令。
いつもながらの買い出しをニコニコとした笑顔で頼んでくる。

「いいから、さっさと買ってきて。」

「ぐ・・・。」

そして相変わらず、それに逆らえない志摩。
兄であり、上司でもある徹夜の命令は今日も絶対的だった。



ドアバン

「それ僕も行きたい!!」

「「え?」」」

バンッと扉をダイナミックかつ、元気に勢いよく明けて現れたキィ。
この話を彼もドアの向こうから聞いていたのだろうか。

「コンビニでしょ?コンビニ行くんでしょ?僕も行きたい行きたい!」

ちなみに今日もクロスカルテットのスケジュールはお休み。
なのに何故、キィがここに現れたのか不明のまま、今回は志摩とキィの話で進んでいく。




やったね志摩くん。話の都合上、最近すごく主人公っぽいよ!
作者としては、そろそろ出番を引きずり下ろしたい・・・。



キィとコンビニへ

「じゃあ一緒に行こうか、キィちゃん。」

「やったぁ!」

こうして志摩と一緒にコンビニに行くこととなったキィ。

「コンビニ〜♪コンビニ〜♪コ・ン・ビ・ニ♪コンビニ〜♪」

『コンビニ』で即興曲を歌いながら、その場でクルクル回りハイテンション。
そんなご機嫌なキィを見て、志摩は思う。

(たかがコンビニ行くだけで、こんなにはしゃぐ人初めて見た・・・。)



10分圏内の距離

「ごめんねキィちゃん。兄貴のパシリなんかに付き合せて。」

「いいよいいよ。てか僕から行きたいって言ったんだから気にしなぁい、気にしないっ!」

それから一緒に事務所を出た二人。
おつかい先のコンビニまで向かおうとしたのだが。

「あれ?車で行くんじゃないの?」

「え?だって歩いてすぐそこの距離だよ?」

キィの移動は、いつだって家の車が基本。
なので歩きでコンビニに向かおうとした志摩に違和感を抱く。

「僕ん家のハイヤー呼ぶ?その方があっという間に着くよ。」

「イヤイヤイヤ。すぐそこだから!歩いてすぐそこだから!10分の距離だから!」



キィの感覚

「散歩ついでみたいな距離だから、歩きで十分だよ。」

「ふーん。そんなもんかね?」

結局、志摩の説得に応じ、キィは渋々コンビニまで徒歩で向かうことにしたようだ。
けれど、

「しましまちゃん、まだ〜?」

「・・・・・・。」

「まだ着かないの?あとどんだけ〜?」

「・・・・・・。」

「やっぱ僕ん家のハイヤー呼ぼうか?」

「ダメ!もうちょっとだから!建物すぐそこだから!もう見えてるから!だからもうちょっと頑張ろう?キィちゃん!」

徒歩10分の距離は、キィにとって遠かったようだ。
それからもグダグダと文句が口から出まくり、ご両親の脛力を何度も召喚しようとするのでした。



10分の感覚

あっという間の10分?
凄く長く感じた10分?
ようやく事務所から最寄りのコンビニにご到着。

「はぁ〜・・・っ。やっと着いたぁ!」

「お疲れ様、キィちゃん。」

「もー、ホントだよ!徒歩10分って、すごく遠いじゃん!しましまちゃんに騙された〜!」

キィも志摩もお互いにヤレヤレとして、お互い疲労の色を顔に染めていた。

(あぁ。行きだけでこんなに疲れるって思いもしなかった。)



なんでもいいって言ったよね?

「キィちゃん。お買い物に付き合ってくれたお礼に、キィちゃんのも何か一つ買ってあげるよ。」

「ホント!?」

なにはともあれ。
徹夜のパシ・・・、おつかいに付き合ってくれたのだ。
だから志摩はお礼として、キィに何かを買ってあげようとした。

「なんでもいいよ。なんでもいいから好きなの一つ持っておいで。」

「やったぁ!」

しかし彼が真っ直ぐ向かって行った先はコンビニの雑誌コーナー。
イキイキと奥へ奥へと足を運ばせるものだから読めたオチ。

「キィちゃん待った!エッチな本は駄目だからね!」

「えっ。今、なんでもいいって言ったよね!?」

「確かに言ったけど、それは駄目!!」

「えーッ!!」

そして大人向けの怪しい雑誌を手に取ろうとしたので、強引にストップをかけたのでした。



まだ17歳

「ほら。ちゃんと『成人向けコーナー』って区切られているでしょ?」

成人向けの雑誌を欲しがったキィに、そう注意をする。

「じゃあ来月ならOK?」

「え?」

「だって来月の10日は僕のバースデーだもん♪ちゃんと覚えててくれてた?」

話の流れで知った彼の誕生日。
けどそれはキィのプロフィール用紙にも記載されている情報でもあり、補佐の志摩ももちろんきちんと覚えている。

「だから18歳になるから来月ならOKなんだよね?」

「ダメ。キィちゃんまだ高校生だからダメ。」

「えーッ!!」

ちなみにキィのバースデーの話は、まだしばらく先だけど色々と計画中。
どうぞ、お楽しみに!



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