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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]
登場人物紹介
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Act.12 志摩とエーチの二人の話(1/3)
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絶体絶命エーチ | それはエーチの一言から始まった。
「志摩ちゃん助けて!」
「え?」
本日、クロカルの稽古はお休みの日。 なのにエーチが事務所に一人訪れ、徹夜のパシリ(主に雑務)をしていた志摩に助けを求め泣きつく。
「数学がー!数学のテストがー!!」
その表情は文字通り、絶体絶命だった。
| 絶望的な正解率 | 「数学のテストがどうしたの?」
どうやらエーチは今日、学校の授業で数学のミニテストを受けたそうだ。
「助けてよ志摩ちゃん。このままじゃオレ、中間テストで赤点とっちゃう!」
その解答用紙は見事にバツバツバツのバツだらけ。 正解してる答えを見つける方が早い。
「助けてよー、志摩ちゃん!」
(うわぁ・・・。)
それは文字通り、絶望的だった。
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一緒に頑張ろう | こうして開かれたエーチのための勉強会。 場所は以前と同じ、机が広く使えるお客様用の席を勝手に借りて始める。
「ごめんね志摩ちゃん。仕事中だったのに。」
「いやいや、いいよ。俺にとっての仕事は、こっちもメインだったりするから。」
(ここまでとは思ってなかったけど。)
そしてソファーに座るエーチの隣で、間違えてる問いを一個ずつ確認。
「頑張ろう。うん、よしっ!」
元教職を目指していた志摩にとって、ここは頼られどころの見せどころ? さて、エーチと一緒に頑張りましょうか。
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赤点はアウト | エーチが通う栗ノ木高校は男女共学の進学校。 定期的の学力テストで赤点を一教科でもとってしまうと、強制的に二週間補習授業を参加しないといけないだそうだ。
「赤点だけでも免れれば大丈夫。」
「エーチ。それはいくらなんでも志し低くないか?」
「そんなことないよ。だってオレ今までずっと数学補習の常連だったし、去年の学期末で皆に迷惑かけちゃったし・・・。」
「お、おう・・・。」
(こりゃ大変だ・・・。)
それはデビューが控えてるからという理由があってもなくても、エーチ自身にとっても事務所にとってもマズイこと。 その一言により、志摩はエーチの赤点阻止のために全力を尽くすことを心に誓う。
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同じ学校のアイツ | (そういえば。)
エーチが通う栗ノ木高校には、エヴァも通っている。 クラス違うと前に教えてくれたが、学年は一緒。 前にエヴァの数学のノート見たとき正解率良かったし、またエヴァから教わるのも一つの手だったのでは?
「今日はエヴァと一緒じゃないんだな。ほら、前もここで一緒に勉強してたよね?」
それを問うと、
「あー、うん。実はすでに声掛けた後で・・・。」
苦々しい表情を見せるエーチ。 目は明後日の方向、遠くを見つめていた。
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来なかった理由 | 「そしたらアイツ、なんて言ったと思う?」
「?」
そして、
『アホ移るからヤダ。』
と、玉砕されたと話す。
「ヒドイと思わない!?人をアホ扱いしてさー!」
よほどエヴァに断られたのが悔しかったのか。 今度はキーキーと怒りを露わにする。
「何がメンバー誰よりも優しいだよ!アイツ、オレだけ当たりヒドすぎだろ!バカエヴァー!」
でも何だかんだで二人の仲がいいのは、その話を聞いて納得。・・・納得? 頑張れエーチ。どんまいエーチ。と、心の中でソッと応援した。
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