それから直ぐのこと。 志摩の携帯電話にメールの受信音が鳴り響く。
「ん、兄貴からだ。」
それは待ちに待った徹夜からの連絡。 アリカの仕事がこの時間まで長引き、お酒の付き合いもあったようでやっと今終わったらしい。
「てっちゃんからのメール?」
「うん。早くても明日の朝には来れるってさ。あ、飲酒運転だけはしないよう返信しておかないと。」
一行だけに纏められたぶっきらぼうな文章。
『今日中にそっちに行けられなくてごめん』
どうやら自分は、また要らない心配をしていたようだ。 印象がいつだって最低な兄貴だから、余計な気を回してしまったのだろう。 徹夜だって徹夜なりに、こっちのことを気にかけていたことが分かる一行メールだった。
(・・・にしても兄貴から、こんなメールもらうのも逆に気持ちが悪いな。)
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