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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.60 Birthday of You (6/6)
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着替えないのにお揃い・・・?

それから暫くして、ようやく浴室から出てきたユウと真昼。
さすがに着替えまで用意してなかったから、2人ともお揃いの格好をするしかなかったようだ。
もう夜は遅すぎているので、時間を気にして寝ることにしたのか、向かった場所はソファーではなく寝室。
そこでベットに座らせたユウを、濡れた体から髪まで、真昼が棚から出したタオルで甲斐甲斐しく拭いていた。

「あのさ・・・、まひるん。前から気になってたこと、あったんだけど。今さらな気もするけど、訊いていい?」

「なんでしょう?」

そしてユウから真昼に、質問が。

「まひるんが俺らをしつこく怒るのは分かってんだけどさ。なんでシマちゃんにまでしつこく怒ってんのさ。」

前から気になってたこの話題。
今さらだけど、今さらだから改めて尋ねる。
でもそれは真昼にとって、あんまり思い出したくない過去の出来事。

「僕も全てをお話しするのは嫌なんですが。」

だから大幅省いて、その一部だけ教えてくれた。



真昼のトップシークレット

ちょっとだけ舌を出してテヘペロと、少し照れた顔をして、

「僕の、ここー・・・。志摩くんに見られちゃったので。」

足の付け根の内側にある、可愛らしい星形のホクロに指を差して見せる。
その途端、ユウの表情は一気に変わった。

「・・・・・・どういった経緯で?」

「全てをお話しするのは嫌だと。僕、今、言いましたよね?」

まるで正反対のような顔色をして、省いた部分を問いただしたが、真昼は受け答えを完全拒否。
絶対に答えてくれなかった。

「未遂でしたから大丈夫ですよ。志摩くんブン殴って記憶飛ばさせたので、きっともう志摩くんも、ここの部分だけは覚えてないはずです。」

「昔の電気器具を直す時みたいに、まひるんに加減なく殴られたシマちゃんが可哀想・・・。自業自得だから同情しないけど。」



まひるんからのプレゼント

ユウをタオルで拭き拭きしていた場所も、全部が済めば、これにて終了。
自分のことを後回しにしていた真昼は、同じタオルで自分を拭き始める。

「そういやまひるん、プレゼントは?」

「はい?」

「誕生日プレゼント。イブやスタッフ、ファンからは貰ったけど、まだまひるんから貰ってないんだけど。」

2人の会話は、次の話題へ。
このまま今日が終わってしまわないうちに、ユウが催促してきた。

「え・・・。お酒奢っただけじゃ駄目でした?」

でも真昼は、既にプレゼントを渡した気でいた模様。

「人を酔い潰しておいて、何言ってんだか。」

「えー、いいじゃないですか。奢り酒。20歳の誕生日には、相応しいプレゼントだったと思いますよ。」

それは物ではなく、形として。



まひるんからのプレゼント 2

「仕方ないですね。ではー・・・。」

そしてこれも催促してきたユウの為に。

「・・・僕・・・。」

物ではないモノを。

「とか、いかがでー・・・、あっ!」

そんなモノをプレゼントにしようとしたから、今までおとなしかったユウに油断していた真昼は、丸ごと全部ベッドに持ってかれ押し倒された。

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」



迷惑かけ合う3人の関係

「そういうこと言う場合、俺かイブ。どっちかちゃんと選んでからにしろよ。」

「じゃあユウにします。今日のところは。だって今日はユウの誕生日なんですから。」

真昼の上には、ユウが。
ユウの下には、真昼が。
こんな状態で倒されたというのに、上を見て平然としている真昼。
こんな状況にさせたというのに、ユウは下を見て溜め息を吐く。

「・・・2股とか、サイテーなんだけど。」

「最初に僕に迷惑かけたサイテーな2人が、何を言ってんですか。」

「言っとくけど平穏を保っていられるのは、俺らのおかげだからな。」

「僕のおかげでは?だから僕も仕返しとして、2人にしか迷惑かけてないんですよ。」

ここにはいないイブも交えた会話も、ここで一段落したのか。させたのか。
ベット付近のサイドテーブルに掛けてた眼鏡を置くと共に、照明用のリコモンに手を伸ばしたユウは、それで部屋の明かりを全て落とす。



夏が終わる1歩手前の夜

8月30日。
それはリライトの1人。ユウこと下関 悠の誕生日。
そして夏が終わる1歩手前の日でもある。

「今日、煽りすぎじゃね?」

「バレちゃいました?」

「これだけ散々やられたら、バレバレだって。」

「・・・・・・・・・。」

「これだけ俺を煽ってきたんだから。寝かす気なんてないから覚悟しろよ。ー・・・真昼。」

「・・・・・・はい。」

秋はもうすぐそこまでやってきているのに。
ユウと真昼の2人の夜は、誰よりも暑い熱帯夜となったのだった。



『CRO×QUAR』第60話を
読んでいただきありがとうございます

今回にてCRO×QUARの
夏季節は終了、次回から秋となります!
休止期間含めて2年掛かったので
本当に長い夏でした(青ノ葉側はもっと長いけど)
にしても熱帯夜表現が便利すぎて
何回も使っておりました
そのせいで次回の秋からどう表現していいか
ちょっと悩んでおります(汗)

それでは作中の中では言えない空気に
なってしまったので締めとして改めてー・・・。


ユウ誕生日おめでとう!!!




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