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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.59 志摩とリライトたちのお話(6/6)
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譲らない攻防戦

車を走らせてから、およそ20分ぐらい。
途中、渋滞に捕まることなく、赤信号で止まる回数も少なかったため、行きよりも帰りは早く事務所に着けた。
するとイブとユウは一目散で車から降りて、事務所の中へ駆けていき、ソファーで横になってブランケットを毛布代わりにして休んでいた真昼の元へ。

「「まひるん生きてる!?!?」」

「・・・勝手に僕を殺さないで下さい。」

このあまりの騒がしさで起きてしまった真昼だが、帰ってきて早々に言われた2人の言葉にムスッとしている。
でも今まで寝ていたおかげもあり、ちょっと顔色が良くなっていた。

「イブもユウも今日の撮影の方は、いかがー・・・。」

「NO!NONO!まひるん起きちゃ駄目デス!」

「頼むから。死ぬから寝てろ!」

「さっきからヒドイ言われようですね・・・。ただ夏の暑さに疲れてしまっていただけなので、もう大丈夫ですよ。少しくらい体を起こしても。」

「いいから寝てて!!」
「いいから寝てろ!!」

けど、もう大丈夫と体を起こそうとする真昼と、絶対に体を起こさせないよう力づくで抑え付けるリライト2人。
真昼vsリライトによる譲らない攻防戦が瞬く間に始まる。

「わーっ、ストップストップ!真昼さん病人なんだから、安静にしてて!」



真昼バースデー
詳しく書けなくてごめんなさい

結局、今回の騒動の欠点は真昼にあるため、そのままソファーの上に寝かす。

「もう・・・。本当に大丈夫でしたのに。」

「倒れたまひるんが悪いデス。」

「文句あるなら、自己管理出来てなかった自分に言えって、てっちゃんにも言われてたじゃん。」

そして付近に散らばるのは、さっきコンビニで購入しまくった看病に向いてそうな品ばかり。
日付けが変わったら真昼の誕生日になるから、と。
これ全部、真昼の為に買ってきたものだから、と。
次々に封を開けていって、しっちゃかめっちゃか状態に。

「はい、まひるん。Birthdayなjellyデス。」

「誕プレのプリンもあるよー、まひるん。」

「そんなプレゼントいらないです・・・。それに今は食欲そんなにないので。」

「Boo・・・。じゃあいいデス・・・。自分で食べるデス・・・。まひるん、ひっどいデス。」

「な〜?せっかく俺もイブも、まひるんの為に買ってきたのに。あーあー、プリンだってこんなに美味いのに。」

それはまあ何と言いますか。

「ああ、もう。一口だけなら食べますから、イブもユウも拗ねない・・・んんッ!?」

「Wow!まひるん大胆♪」

「ゼリーとプリンのダブル喰いは、俺でも引くわー。」

「ゲホゴホ。2人して無理矢理スプーン突っ込んでおいて何言って・・・ッ・・・ゴホゴホ。」

「だからストップストップ!真昼さん病人なんだから、安静させてて!」

不安を装った想像は、本当に勝手だった物語。
真昼を甲斐甲斐しく看病する姿は、イブもユウも本当は心配で心配で堪らなかったんだと解釈出来るほど。
そんな3人を見て「これこそリライトだよな」とホッとした志摩だった。



自己防衛だって貴方の為

しかしその呼吸は、真昼に聞かれていた。

「真島さん、どうかしましたか?」

「あ、いえ、何でも。」

「それはそうとイブとユウの仕事ぶり。真島さんから見て如何でした?」

なのであわあわと慌てて誤魔化したけれど、今日の報告と共に感じていた不安まで、つい漏らしてしまう。

「あ、ハイ。イブもユウもしっかりやっていましたよ。俺としては、しっかりしすぎてて真昼さんのこと心配じゃないのかな?って、ちょっと変なこと考えてしまいましたが。」

すると、

「何を言ってますか?シマチャン。ボクらまひるん倒れたあたりから、すっごく心配してたデスよ。」

「自己防衛、自己防衛。感染症のある風邪だったら、迂闊に近付く方がマズイっしょ。」

「な、なるほど。」

一緒に話を聞いていたイブもユウも、志摩の不安を全否定。
あの時から彼らも自分らが出来る最低限なことをしていたのだ。



リライトは3人でリライト

「まひるんが一生懸命、ボクらの為にとってきたお仕事デスから。しっかりやらないは、まひるんに失礼デス。それこそ、まひるん望まないデスから。」

「やらなかったら、いつまでもしつっこく今日のこと言ってくるだろうしな。まひるん鬼畜だし。」

「余計なことまで言わないで下さい・・・、ユウ。」

仕事をとってくる真昼に応える為に、しっかり仕事を熟していたリライト。
最後の一言は余計だったけど、これがリライトによる表裏一体の姿なんだ。

「なんか・・・、リライトってカッコいいですね。」

「YES!リライトはボクとユウの2人デスが、まひるん合わせてのRe Lightデスから♪」

「まひるんあってのリライト。リライトあってのまひるんだからねー。」

徹夜が学んでほしいとメッセージで言ってきたことは、このことだったのだろうか。
クロスカルテットの4人も、いつかリライト2人。いや3人のような未来に辿り着いてほしいと。志摩は強く思い、強く羨ましくなった。



真昼による志摩の呼び方

「真島さんも、今日は本当にありがとうございました。おかげさまで大事に至らずに済みました。」

「あ、いえ、俺は、その。情けない姿を2人に見せちゃったから、逆に申し訳ないです。」

そんな志摩とリライトたちのやりとりを遠くから見ていた朝陽。
報告書の仕事を終えると、こっちにやって来て、会話の輪に入る。

「ところでまひるん先パイ。なんでましクンだけ『真島さん』なの?」

「え。」

「チェリーストーンの真島は、徹夜先パイとましクンの2人だけで、慣れてる人からしたら問題ないだろうけどさ。慣れてない人が聞いたら、どっちの真島のこと言ってるのか分からなくない?」

そして今までずっと疑問に思っていたのか。
志摩に対する真昼の呼び方を指摘してきたのだ。

「あ、でも朝陽さん。真昼さんの場合、兄貴のことは名前で呼んでますし。違いは、ちゃんと・・・。」

「え・・・。お兄さんは名前で呼んで、その弟は名字で呼ぶって、なんか微妙じゃない?」

朝陽が言ってることは何となく分かる気がするが、彼の場合も徹夜は『徹夜先パイ』。志摩は『ましクン』と、ふざけ呼びしてるから、朝陽には言われたくない言葉だ。
それ、ブーメランますよっと言ってやりたい。



真昼による志摩の呼び方 2

真昼が志摩を名前で呼ばないのには理由がある。

「「・・・・・・。」」

だって2人の間には、未遂で終わったあの事後があったから。
いつまでもしつっこく怒ってて。
そのせいで、あんまり好かれてなくて。
チラッと合わせた視線からも、それを物語ってきた。

「俺は気にしてないんで、別にこのままで大丈夫ですよ。それ言ったら朝陽さんこそ。俺の名前は真島 志摩だから。まし ましまじゃないから、ちゃんと覚えてって言いたいですし。」

「えー。オレはましクンのままでいいでしょ?もうオレにとってのましクンは、もう愛称的な感覚だし。」

けど、

「・・・そうですね。朝陽くんの言う通り、徹夜先輩は徹夜先輩なのに、真島さんは真島さんって、ちょっと微妙でしたね。考えが足らなくて、今までごめんなさいでした。」

朝陽の意見に頷いた真昼。



リライト&真昼と、これからも

「志摩くん・・・で、いいですか?」

「え、あ・・・、はい。あ、なんか、えっと、すみません。」

何かから何かに変わるのは一瞬のきっかけ。
この日を境に、真昼からの呼び名が『真島さん』ではなく『志摩くん』に変わっていく。

「いえ。志摩くんが謝ること何もないですよ。僕もこれしきのことで、志摩くんのこと許したりしませんから。」

「・・・まだ怒ってたんですね。」

「当たり前です。絶対、時効になんてさせませんから。」

「まひるん先パイ、何?その話。ましクン、まひるん先パイに何やらかしたの?」

こうして色々あった今日の話は、これにておしまい。
リライトのイブ、ユウ、真昼の3人と。以前よりもずっと仲良くなれた、そんな気がする1日だった。

「志摩くん。これからもイブとユウ、リライトの2人と仲良くして下さいね。」

「えぇ、もちろん。そこに真昼さんも含めて、こちらこそ今後ともよろしくお願いします。」



『CRO×QUAR』第59話を
読んでいただきありがとうございます

真昼バースデーがリアルタイムに
合わせられなかった訳・・・
8月はユウ
9月はエーチと
まだまだバースデー回が続くため
おかげで去年の多忙時も
合わせられないと見越した為、
ほぼ1年休止した理由が
ここに存在していたりします


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