「19にもなった男が、イチャついてる現場見て、慌てて茶々入れにくんじゃないの。」
見られたことも邪魔されたことも、本当は全然気にしてないくせに続くお説教。 まさか朝陽さんに『KY(空気読め)』を言われるとは思わなかったのか、アリカは体を一瞬だけ竦ませる。
「そこは黙って、見て見ぬフリするとこでしょうが。」
「だ、だったとしても、もうちょっと場所を!エーチたちだっているわけだし!」
「もー、うるさいなあ。」
思わず反論したが、朝陽さんが言葉を強くするせいで脆く。それどころか、
「何、羨ましいの?ならヘタってないで、アリカもエヴァにしてきたらいいじゃん。綺麗事ばかり並べてないでさ、醜くて貪欲な部分も晒したらいいじゃん。」
「・・・ッ!」
まるで挑発するかのように、流し目で煽てしまう。 しかしそこには反論ないのか。
「・・・邪魔して、悪かったな。」
アリカは一息吐いて、この場を去って行った。
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