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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.55 夏休み海旅行のお話(中編)(3/3)
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スイカの食べ方

「キィちゃんのときは邪魔しなかったんだな、お前ら(リライト)。」

「いい加減割ってくれないと、スイカが温くなって不味くなるし。」

「バージンには優しく〜がモットーですよ、アリカ。」

割れたスイカは一旦、真昼にお預け。
パラソル下で食べやすく切り分けて、全員の手にスイカが渡ったらいただきます。

「んんっ?!このスイカ甘くて美味しい!」

「おいしいね♪」

「真昼さん、塩ってあります?」

「もちろん持ってきてますよ。種はここのお皿にお願いしますね。」

エーチもアズもエヴァも。アリカやイブやユウまでも。
みんなしてそのままスイカをガブッとかぶり付いて食べるから、またもやキィはポカン。

「・・・ねえ、まひるん。スプーンってある?」

みんなのように食べることなく。
1人だけスプーンを要求した。



スイカの食べ方 2

すると、

「キィちゃん、要らない要らない。スイカにスプーンは要らないって。」

「え!?」

「そのままGOでOKデスよ、キィ。」

「え、え、え。」

「種が邪魔だったら、指で退かしたり。ー・・・ぷっ。口の中に入っても、こんな風に出しちゃえば問題ないから。」

「え?!え?!え?!」

そんな彼に、スプーン不要なスイカの食べ方を皆で伝授。
そのまま食べた方が美味しいよーと教えるものの、キィは驚くばかり。

「でもそのままがっつくのって、なんかはしたなくない?」

「全然はしたなくないよ。キィちゃんが公然と関わらず、オレのことをエッチ呼びまくるよりは、ちっともはしたなくないよ。」

けれど彼が抱えてた不安は、エーチのお答えによりズバリと解決。



スイカの食べ方 3

「こうやって食べるんだよキィちゃん。」

「・・・・・・。」

そんなエーチの食べ方を見て、真似るキィ。
シャクッと音を立てて、スイカを一口モグモグ。

「どう?キィちゃん。こういう食べ方もいいでしょ?」

「なんかすごいワイルドな気がする。」

「えー!ひょっとしてダメ?」

そのまま『んー』と考え込んでしまい、初めて食べる食べ方だから新鮮だったけど、やっぱり自分には合わなかった模様。
結局、真昼にスプーンをお願いして持ってきてもらうこととなった。

「オレ的には、スイカはかぶり付いてこそなのになー。」

「まあまあ。スイカの食べ方も、人それぞれってことで。」



2日目の夜

それから時間は進み、2日目の夜を迎えた。
部屋替えは改めて、1つはアリカとリライト。もう1つはクロスカルテットの4人が揃っていた。

「アズとエヴァ、寝るの早ッ!」

「ホント、2人っていつも一緒に寝てるよね。」

そしてアズとエヴァは、もうすでにスヤスヤと夢の中。
一方、まだまだ起きていたエーチとキィ。
いつも喧しいと怒られる2人だけど、先に寝てる平和な2人を気遣い、この時ばかりは静かにお喋りを続ける。

「あーあー・・・。もう明日で旅行おしまいかー。なんかあっという間だったな〜。」

「スイカ割りが、あんなスリルのあるものだって思わなかった!初めてだったけど、すっごく面白かったし。」

「でしょでしょ!?イブ先輩も言ってたけど『スイカ割りは、やってみてこそ』だったよね!?」

もちろん話題は、この旅行の積もる思い出話。
楽しかったこととか。
面白かったこととか。
語る度にテンションも上がるから、つい声を上げてしまうが、ハッと気づいてクールダウン。
静かさをキープしようと、その意識は忘れないよう気をつけた。



2日目の夜 2

「さてと。オレもそろそろ寝ようかな。キィちゃん、電気切るから先に布団入ってていいよ。」

「ハァーイ。」

そんなこんなでほどよい時間を迎え、自分たちも寝ようとするエーチ。
部屋の電気をパチンとスイッチ切って消灯させて、真っ暗になった室内。
足元に気をつけながら、よいしょよいしょっと。ゆっくりゆっくり自分が使うベッド方向へ。なんとか無事にたどり着き、ホッと一息つくと共に布団の中に入った途端、何かとぶつかる。

(???)

なんだろう?こんなとこに大きな荷物でも置いたっけ?と、気になって見てみると、

「・・・何してるの?キィちゃん。」

なんとそこにはキィもいて。ぶつかったエーチをニコニコとした顔で見ていた。

「何してるって、え?普通に『寝てる』って答えればいいの?」

「ちょっとあってるけど、ちょっと違う。」



喧し組の夜

「なんでキィちゃん、ここで寝ようとしてるの?」

「エッチがそろそろ寝ようって言ったから。」

「キィちゃんのベッドあっちでしょ?」

なぜ、キィがエーチのベッドにいる。
その答えは簡単。かなり簡単。

「えー、僕らも2人で寝ようよー。あっちだって2人で寝てるわけだし。」

「え!?」

アズとエヴァが2人で一緒に寝てるのを見て、自分もその真似っこを。

「ほーら。エッチも早く横になってよ。」

「わー!?」

エーチをウェルカム!と言わんばかりに、そのまま掴まえて布団の中へと引きずりこんだ。しかし、

「やだやだやだやだ!離して、キィちゃん!オレは男と一緒に寝るなんてやだー!」

エーチは彼の誘いをノーサンキューでお断り!
ばったんばったん暴れてまで、キィから逃れようとする。
エーチならイエスマンでOKしてくれるって思ってたのに。



喧し組の夜 2

「えー。なんでそんなに嫌がるの?」

「あっちの2人が一緒に寝てるからって、それをオレまで一緒にしないで!男なら普通に嫌だから!男と一緒に寝るなんて!!」

一般的な理由でキィを断るエーチ。

「よーく考えて?オレと寝るイコール男と一緒に1つのベッドで夜を明けるってことだよ。キィちゃんだって嫌でしょ?そんなの。」

一生懸命、説明して。
一生懸命、納得させようとして。
一生懸命、諦めさせようと試みた。
でも、

「え。別に嫌じゃないよ。僕。」

「・・・・・・・・・。」

その力説は効かなかった模様。
キィにけろっとした顔で、大丈夫と問題を解決させられる。

「だって一緒に寝るだけでしょ?エッチなことまでするわけじゃないんだし平気だよ全然。」

「・・・・・・・・・。」

「ん?むしろエッチが僕とエッチな想像してた?」

「してませんッ!あとエーチだから!何回も何回もオレをエッチエッチ連呼しないで!」

よって結局、エーチとキィもアズとエヴァ同様。一緒のベッドで寝ることとなったのでした。



『CRO×QUAR』第55話を
読んでいただきありがとうございます

大変お待たせいたしました&
更新予定日から大遅刻すぎる更新で
大変申し訳ないです・・・

中編は平和組で始まり、喧し組で締めとなりました


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