そうしてホテルに帰って行ったアリカは、海でボロクソに噂されまくっていた影響か。思わずくしゃみひとつ。
(この感じ、またアイツらか。)
そんな彼が今いる場所は、ホテル内からでも海を見渡すことができるラウンジに。 そこで待ち合わせていたようで。
「お待たせしましたアリカさん。遅くなってしまってごめんなさい。」
部屋で着替えたエヴァが彼の元へと再びやって来る。
「・・・シャワー浴びてたからだろ?」
「え?あ、はい。汗と潮風で体がベタベタしていて気持ち悪かったので、つい。」
「ついじゃねえよ、ついじゃ。部屋で着替えるっつってから、ここで何分待たされたと思って。」
「10分?」
「30分!ったく、腕時計してるのに、どんな時間感覚してんだよ。」
が、待ってる時間が長かった。長すぎたせいで不機嫌なのは変わらず。 むしろ待たされたせいで余計にブスッとしていた。
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