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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.52 志摩と朝陽の休日前夜のお話(3/4)
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23と26の成人男

「そんなにいいのか?煙草って。」

だから気になって口から出たこの一言。
それがきっかけの始まり。

「1本吸ってみる?オレのでよければ試しに。」

「え!?」

朝陽がポケットから煙草をポンッと取り出し、その1本を志摩に手渡そうとしていた。

「いやいやいやいや。俺は吸いたくて言ったわけじゃなくて。良さが全然、俺には分からないから言っただけでででで。」

「なら、なおさら1回でもいいから吸ってみなよ。じゃないと良さもクソさも分からないでしょ?何事も経験大事(はぁーと)。」

「・・・朝陽さんがソレ言うと、すごくやらしいことのように思える。」

「えーっ。それはちょっと心外じゃない?」

ちなみに志摩も朝陽も成人済みの男なので、このネタ書かせていただきました。
煙草は20歳になってから。
未成年の方は吸わない、成人の方は吸わせないように・・・。



お試し初体験

なのでそんな誘惑に推されて負けて、志摩は渡されたその1本だけお試しに。
朝陽に導かれるまま口に咥えた。

「火ィ付けるから、そのままじっとしててね。」

「・・・・・・っ。」

おかげで心も体もドッキドキ。
口元近くで灯される小さな火が、より強い緊張を持たせてくる。
そしてその煙草に火がつけられた途端、

「・・・ブヘッ!?げほごほっ!」

思いっきり噎せてしまい、このドッキドキが裏切られるほど雰囲気すらも台無しにさせてしまう。

「わ!?大丈夫!?ましクン。」

「ゴホゲホゴホゲホ、ケヘケヘケヘ・・・ッ。ムリムリムリ!俺ニハ煙草、無理デス!!」

「あははー、やっぱり?でもこれでよく分かったでしょ?クソの部分が。」

あまりの噎せ具合に朝陽もビックリしてたけど、噎せることだけは想定内だった模様。
志摩はゲホゴホだけど朝陽はケラケラしていて、この誘い自体、彼の悪巧みにハメられたのだと後になってようやく気付いたのだった。



参照 Act.1

「ふぅ・・・、ご馳走さまでしたーっ。最近のファミレスのご飯も美味しいんだね。久しぶりだったから余計にビックリしたよ。」

そんなこんなでようやく注文した品が届き、残さず食してご馳走さま。
お腹いっぱいになったことだし、そろそろ店を出ようとレジにて会計してもらう。
しかしその直前で朝陽の口から「あ。」という声が零れた。

(あ、やっぱりそのパターン?)

だから志摩はその後に続くセリフが、妙に予測出来て警戒した。

「今、細いのなくて万札崩したいから出させて〜。」

「え。」

だけど実際に続いたのは予測したこととは逆パターン。
全額自分じゃなくて全額朝陽が支払ったことに、思わず呆気を取られたのだった。

「会計直前で『あ』言うから、金がないとか下ろすの忘れたから払ってって言われるかと思った。」

「・・・え、なにそれ?いくらなんでもオレ、そんなことしないよ。てか、いるの?そんなことする人。」

「いるんだな、これが。身内で。」



会計後、改めてのお会計

そうして会計も済まして店から出た2人。

「うわぁ・・・、外は夜でも暑いね。中は冷房で涼しかったおかげで余計に蒸し暑く感じるよ・・・。」

「ちょっと待った朝陽さん、お金お金!」

けどまだそこで何かあったのか。
先を歩く朝陽を慌てて追い掛ける志摩。

「これ、俺の分ですから。」

確かにさっきは朝陽が全額支払った。が、自分はまだ1円たりとも出してないから、改めてワリカンさせてほしいと申し出る。

「ん?あぁ、いいよいいよ。誘ったのこっちだし、調子乗ってましクンに色々と無理させちゃってたから。」

「あ、いや、でも・・・!」

「いいからいいから。年下のましクンに払わすのもなんだし、ね。ここは甘えていいところだからオレの驕りってことにさせて。」

でもそれは朝陽の方からお断り。
「大丈夫、大丈夫」と何度も口にして、志摩に財布を戻させた。



不慣れで隠せないドキマギ

元を正せば誘いは志摩からだった今回の話。
だから奢ってもらった申し訳なさと、急な年上アピールで反応に戸惑いを映してしまう。

「・・・ご馳走さまでした。」

「うん。それであってるよ、ましクン。また都合がついたとき、一緒にご飯行こうね。」

「つ、次はちゃんと俺にも払わせて下さいね!?」

「はいはい。」

そんな彼を、朝陽は見透かしてるのか何なのか。

「ましクン、ちょっといい?」

「え?」

そう言って志摩の手を引きながら、近くにあった公園へと連れていく。



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