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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.47 感謝祭ライブの話(前編)(2/4)
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作者もクソ上司に言いたい

しかも、

「で?その『色々』ってなんだ?」

「『色々』は『色々』。あれやこれやがあったから色々なの。」

「いやいや、そうじゃなくて。その色々を詳しく話してほしいのだが。」

「え、無理。」

色々あったその色々の詳細は、語られることなかった。

「・・・いるよな。分からないことあったら訊けって偉そうに言ってくるくせに、実際訊くと全然教えないクソ上司。何が築かせた結果だ。築かさせてる結果じゃんか。」

「仕方ないだろ。この話に関わってるのは僕1人だけじゃないし、勝手に全部話すわけにもいかないんだから。」

分からないことは分からないまま。
知らないことは知らないまま。
結局、負ったことの事実が本当だと判明されただけだった。

「そうだね。志摩の研修が終わる頃なら、話せられる日が来るかもしれないね。」



CDの存在

そうして志摩から徹夜へ渡る質問は次の話題へ。
これもずっと気になっていたことの1つ。

「ところで兄貴。クロスカルテットってCDあるの?」

赤字だったライブとは言え、あんなにも劇的なスタートを果たしたクロスカルテット。
デビューを飾った曲だって2本もある。
それが収録されたCDがデビューシングルとして販売するなら是非欲しいし、オリコンチャートのランキングにクロスカルテットの名が載れるよう、プライベートからでも強く応援していたい。
だからプロデューサーである徹夜に、改めて尋ねてみたが、

「ないよ。」

と。あっさりきっぱりさっぱりとした答えが返ってきてしまった。

「リリース用のことを言ってるのなら、ないよ。」

「こ、これから作られる予定は?」

「まだ暫く予定ないかな。」

デビューしたてとはいえ、クロスカルテットだって立派なボーカルグループのアイドル。
持ち合わす曲が2つもあるのに、それがリリースされないなんて、いったい彼らは何のために歌わされてるんだろう?



CD製作費

けどそれは、だからこその理由があった。

「志摩くん。CDを1つ制作するのに、どれだけの費用が掛かるか知ってる?」

「し、知らない。」

レコーディングにMix・マスタリング。
CDのプックレットデザインにプレスデザイン等。
それを全部合わせたら果てしない制作費が掛かるそうだ。
しかし今のクロスカルテットでは賄えられず、それをプラスどころかゼロへもっていく力もなく、マイナスを作るだけだから作れない・・・と。今度はちゃんと訳を教えてくれた。

「事務所の宣伝次第で、デビュー早々でも黒字へ持っていけるケースあるけど、うちは中小だからそこまで強いこと出来ないよ。特にクロスカルテットは今💩💩💩以下だしね。」

もちろんのように余計な一言もきっちり添えて。

「兄貴。そうやって伏せるのはいいが、全然伏せれてないからな、それ。」



絵文字多用ごめんなさい

クロスカルテットは💩💩💩以下。
余計であってもなくても、そんなこと言われたら、いくらなんでも聞捨て出来ず黙ってなんかいられない。
しかもクロスカルテットは徹夜がプロデュースしてるグループなのに、なんでそんなヒドイこと言うのだろうか。

「もっとマシな表現ないのかよ・・・。」

例え話にしたって、もっと言葉を選んで欲しい。

「これでも十分、考えて選んだよ。」

だけど徹夜にとっては、それでもマシな表現だったようだ。

「だって『誰でも💩💩💩は排泄物だって分かるけど、クロスカルテットは何それ?』だからね。」

「・・・・・・。」

「だからクロスカルテットは💩💩💩以下なの。納得出来たでしょ?」

「・・・・・・。」

とりあえず💩の絵文字多用してごめんなさい。
文字で書き表すより、リアル性を感じられたのでやっちゃいました。
気持ち悪くさせてしまっていたら本当にごめんなさい。



この物語のメインは
主人公じゃありません

「まあ返済にしろCDリリースにしろ、どちらに対しても先ずはクロスカルテットを知って貰うことが大事だから。デビューしたからには、4人にもしっかり頑張ってもらわないとね。」

そうしてそこでいい感じに締め括られ、徹夜への質問タイムは終了。
話題はようやく今回の目玉。メインディッシュに触れた。

「ってことだから。当然、クロスカルテットも『感謝祭ライブ』に参加して貰うよ。」

「なんだそれ?」

チェリーストーン設立記念、感謝祭ライブ。
それは名前の通り、芸能事務所チェリーストーンの設立を記念したファンクラブ限定のサマーフェスティバル。
所属するアーティストは全員参加で、ファンクラブの皆さんにありがとうを伝える為、通常とはちょっと違う余興が含まれたライブとなっているようだ。

「さて、ここからは全員揃ってから話そうか。この話のメインは志摩くんじゃなくて、あの子たち。僕らは影でいるべき存在なんだから。」



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