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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.46 徹夜とエヴァの二人の話(1/3)
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前回の続きから

『ぜひ幾らでもさせて下さい!』

徹夜に、そう簡単に吐いたエヴァと。

『あははー。それじゃあ頑張ってね・・・最後まで。』

アリカを見ながらエヴァにそう言った徹夜と。

『やめろおおおおおおお!!!』

徹夜からサプライズでお灸をプレゼントされたアリカ。
今回はなんと前回のその続きから。
本来、予定になかったのですが、面白そうだったのであのまま続かせてみました。

「やめろよおおおおおお!!!」

っと。
アリカ方向から聞こえてきますが無視無視。
彼にもちょっとお仕置きが必要なので、お灸を添えて無視しましょう。



エヴァからだとそうなる

「はいはい、アリちゃん。お仕事行くよ。」

「いぃやぁだああああああ!!!」

イブとユウに引きずられながら、本日の仕事に向かわされたアリカ。
最後の最後まで必死に嫌がって、いつまでもヤダヤダ駄々こねてうるさくて、いつもの彼は完全にどこへいってしまっていた。

「あの、大丈夫なんですか?アリカさん。」

「お灸だから大丈夫。アリカを反省させるなら、この手が1番効くから。こっちも色々と凄く大変な思いしたからその仕返し。」

そんな彼の姿を見て心配に思うエヴァ。
けど、

「アリカさん、あんなになってまで徹夜さんとお仕事したかったんですね。」

「うん?あっはははー。そうだね。エヴァから見たら、そうなっちゃうよね。」

そう思っていたのは一瞬だけ。

「それより今日、どうしようか?」

徹夜の『それより』に掻き消され、あっという間にエヴァの関心はアリカから徹夜へ移った。



徹夜の自宅へ

「とりあえず僕もう帰らないとだから。・・・僕の家、来てみる?」

「徹夜さんの家にお邪魔してもいいんですか?」

「うん、いいよ。むしろ来てもらわないと何もお願い出来ないそうにないから。」

こうしてエヴァは徹夜と改めて2人に。
お昼過ぎに事務所から出て、駐車場に停めてる徹夜の車に乗り込む。

「昨日はアリカに何をしてあげてたの?」

「アリカさんには昨日、ご飯作りましたね。美味しいもの食べたい言われたので。」

「へえ。他には?それだけ。」

「そうですね。主に言われたのはそれぐらいですね、はい。」

向かう先は、徹夜の自宅。
もちろん誘われたのも訪問するのも今日が初めて。

「あの子は本当、純情なのかヘタレなのか。せっかくの機会をたったそれだけで終わらせるなんて、何を考えてるんだが。」

いったい徹夜の自宅は、どんな感じだろう。



目的地の前に

ちなみにエヴァがアリカに言われてしたことは、ご飯以外にも色々ありました。が、あれはエヴァにとって意地悪と認定されたため、ちゃんと聞いたと感じたのは最初の『美味いもん作ってくれ』だけです。

「・・・僕も何か作ってもらおうかな。ずっと外食続きだったから、たまには人の手が作ったものとか食べたいし。」

「いいですよ。何か食べたいものってありますか?」

「んー、正直作ってくれれば何でもいいんだけど。あ、でもちょっと和食系であっさりしてるの食べたくなってきたな。」

「あっさり系の和食ですね。分かりました、任せてください。」

そして徹夜からも同じことを言われたエヴァ。
またもや自分のお得意分野だっただけあって、1秒満たずにあっさり了承。

「え。今のでもう献立浮かんだの?」

「ある程度なら。」

「じゃあ僕んち行く前に、先にスーパー行こうか。」

必要な材料を買うためスーパーに寄ってから、徹夜の自宅へと向かうこととなった。



殺風景な部屋

事務所からスーパー。スーパーから車を走らせて数分後。
ようやく目的地へと到着。
徹夜が住まうアパートも、お一人様や単身赴任者向けでこじんまりとしており、外装も内装もエヴァ宅や志摩宅と似たり寄ったりだった。

「どうぞ、上がって。洗濯物とか掃除とか色々溜まっちゃってるから、汚くて申し訳ないところだけど。」

「お邪魔します。」

けれど初めて足を踏み入れた第一印象は、

「・・・・・・?」

「どうかした?」

「あ、いえ。徹夜さんの部屋は、あまり物が置かれていないんですね。」

正に殺風景。
自分の部屋の物の多さと比べると、あまりにも生活感に違いがあった。



殺風景な部屋 2

「買ってきたご飯食べて、シャワー浴びて、寝に来るだけの場所だから。だからそんなに物置いてても使わないし、邪魔になるだけだから要らないの。」

「・・・そうなんですね。」

「引っ越す時も荷造り少ない方が楽でしょ。」

壁紙の白さが目立つせいで、必要最低限な物はあるのに何もないように見える彼の部屋。
仕事柄でそのようなコーディネートになってしまったのだろうけれど、寂しいような切ないような複雑な気持ちになる。

「え?徹夜さん、引っ越し考えてるんですか?」

「今はまだだけど、またそのうち。チェリーストーンに就いてからだと、ここで3件目になるから珍しい話じゃないよ。」

「そんなに引っ越されてるんですか!?」

「僕の場合、満期迎えても更新しないから。」

そこには徹夜にも徹夜なりの事情があるようだった。



休められるうちに

そうして徹夜にご飯作る以外にも。エヴァは掃除やら洗濯やら、徹夜の身のまわりのことで気になったところから手をつけ始める。

「ごめんね。家事までやらせちゃって。」

「いえ。『幾らでも』と言ったのは俺ですし、徹夜さんはゆっくり休んでいて下さい。せっかくのお休みなんですから。」

そんなエヴァに申し訳なく思いつつ、お言葉に甘えることにした徹夜。
今まで重なりに重なった寝不足を少しでも解消するため、ここはエヴァ任せて自分は寝ることに。

「それじゃあ僕、隣の部屋で寝てるけど、こっちの部屋は見なくていいよ。寝てるとこ見られるのあまり好きじゃないから。」

「分かりました。では、そっちには入らないように気を付けます。」

「ありがとう。あとは好きにしていいから、よろしくね。」

「はい。おやすみなさい徹夜さん。」

彼だって久しぶりのお休み(半休だけど)。
休められるうちに、しっかりと体を休ませた。



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