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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.45 Birthday of Alica(2/5)
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アリカの自宅 初訪問

それから2人が再会したのは数時間後の夕方。
送られてきた住所を頼りに、エヴァがアリカの自宅にピンポーンとやってきた。

「悪かったな。てっさんの送りを断るわけにはいかなかったから事務所から連れてくること出来なくて。ここに来るまで迷わなかったか?」

「平気でした。ただアリカさんが引っ越した先って、こんなに大きなマンションだったんですね。」

「セキュリティーしっかりしてるとこに引っ越せって言われたからな。あと防音ちゃんとなってるとこにしたかったし。」

繁華街に建つ高層マンション、7階の一室に住むアリカ。
高校を卒業した今年の春に引っ越してきて、現在は彼も1人暮らしをしているのだ。

「お家賃、俺んちより何倍もありそう・・・。」

「え、あ、うん、ああ、まあ・・・そうだな。いきなりそんな現実的な感想言われるとは思わなかったわ。」



日常にありふれる極上な幸せ

そして何か美味いもの作れと言ったアリカのオーダーは、なんと『ハンバーグ』。

「ハンバーグで良かったですか?」

「ああ。俺も忙しくてエヴァのご飯、最近食ってなかったしな。」

「アリカさんって、エーチと好みあまり変わらないですよね。」

「悪かったな子供舌で。いいだろ?別に。その・・・っ・・・なんだ。エヴァが作るハンバーグす、好き・・・だし、さ。」

材料を入れた手提げの買い物袋をキッチンに。
一緒に持ってきたエプロンに着替え、手を洗い終えれば準備完了。

「分かりました。では美味しいハンバーグ、頑張って作りますね。」

エヴァのエプロン姿なんて見慣れているのに、自分ちってだけで、もっっっの凄く新鮮。
おかげでアリカは体をムズムズソワソワさせながら、めちゃくちゃに照れてて全然落ち着いてない。
自分の好きな子が自宅のキッチンで、自分のために作ってくれるこの幸せを極上に噛み締めていた。

「な、何か手伝えることってある?」

「特には。出来上がるまでゆっくり休んでいて下さい。」



対面式キッチンはたいていお洒落

「アリカさんちのキッチンってキレイで大きいですね。対面型で凄くお洒落ですし。」

「キレイなのは全然使ってないからだけどな。ちゃんと使うのは炊飯器ぐらい。おかずとかはコンビニので済ませるとき多いし。」

エヴァ一度こういう対面型のシステムキッチンを使ってみたかったのか。
アリカのキッチンに感激して目を輝かし、あちらこちら探って食器類の場所を覚える。

「それってすごく勿体なくないですか?」

「いやー・・・。生まれて此の方、料理なんてしたことないしな。」

「料理なんてやっていくうちに慣れますよ。俺も1年前、最初は焼き魚オンリーでしたから。」

「え、ウソ!?マジで!?」

メインデッシュはご要望通りのハンバーグ。

「え?え?え?だってエヴァ今めちゃくちゃ色々作るじゃん。おかずはもちろんデザートまで。」

「デザート類は小学生の頃から弟の分のおやつも作ってましたから、ちょっと話が別ですね。」

「え、あ、そう。自炊へのスタート地点が全然俺と違うのな。」

そこにもう1品野菜系の副菜とサラダとスープを付ければ、栄養満点な献立の出来上り。
エヴァはアリカとお喋りしながら手慣れた手付きで、開始した調理をどんどん進めていく。



未成年の飲酒シーンは絶対に書けません

しかし、

「アリカさんちってお酒置いてないんですね。」

「酒!?当たり前だろ!怖いこと言うな!俺まだ未成年だからあるわけねえだろ。飲んでたらその時点で業界から永久追放されんだろうが。」

「料理酒の話です。あと味醂もなくてビックリでした。」

全然料理しないアリカのキッチンは、広くて大きいのにエヴァにとってあまり快適ではない空間。

「アリカさん。『ナツメグ』って何処にあります?」

「なにそれ?」

「・・・・・・・・・・・え。」

自宅の台所と違って色々と勝手がきかなくて、最初の感動がどんどん薄れて手狭になっていった。
ちなみにナツメグは独特な甘い芳香があり、ハンバーグを作るときに用いられる絶対的存在のスパイスです。

「買ってきましょうか?ナツメグ。料理酒も味醂もなんなら一緒に。」

「だ、大丈夫です。なくても出来ますから。ちょっといつもより味違うくなりますが。」



雑穀米は好き嫌い別れやすい

「アリカさんちのご飯って、雑穀米なんですね。」

「ちょっとでもカロリー抑えたくて最近、雑穀米に変えたんだ。」

本日のメニューは、デミグラスソースのハンバーグに、トマトのチーズ焼き、彩り豊かなシーザーサラダにベーコンと野菜たっぷりなコンソメスープ、あと雑穀米。

「あ、雑穀米大丈夫だったか?あれだったら白米パック、コンビニから買ってくるけど。」

「いえ、平気です。雑穀米、俺も好きですから。」

「へあ。」

「へあ?」

盛り付けまで完成したモノから、次々とテーブルに並べていく。
そして全部揃って2人とも食卓へ座ったら、仲良く揃っていただきます。

「アリカさん、どうかしましたか?俺、なんか変なことでも言いました?」

「なんでもない、ナンデモナイ。なんでもないから、ちょっと放っといて。」

「???」

・・・どうでもいいですが、今エヴァが好きだと言ったのは雑穀米のことです。アリカのことじゃないです。
それでも過剰に反応してしまったアリカは、顔が真っ赤になるほど照れて、緩んでキモくなる口を手の甲で隠してエヴァからそっぽを向いた。



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