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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.36 初めましてのお話(1/3)
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夏の節

月日が皐月の5月から水無月の6月へ。
季節も春から夏へと移り変わる。
チェリーストーンの事務所もクールビズの期間となり、社員はみんなスーツからポロシャツへと衣が替わった。
そして人員は未だに不足しているため、新卒採用は勿論、転職向けの中途採用も行っている。
そしてそしてなんと今日は中途採用された彼、深海 朝陽の初出勤日。

「本日よりこちらに配属になりました深海 朝陽(ふかみ あさひ)と申します。 初めてなのでご迷惑をおかけすることもあると思いますが、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。」

ハキハキとした聞き取りやすい声で、簡潔だけどしっかりとした自己紹介。
既存社員にパチパチと拍手で迎えられ、チェリーストーンの社員として新しく仲間に加わったのでした。



深海 朝陽という男

深海 朝陽という男を少々詳しくご紹介。
年齢は今年で26歳。
今回の転職を機に、2年ぶりの社会復帰を果たす。

「おはよう『ふかみん』。なかなか良い挨拶だったんじゃない。」

「あ、おはようございます真島幹部。やっぱ緊張しますね、こういうの。」

なので朝陽は新卒ではなく転職してきた組。
そんな彼を面接したのは徹夜。

「僕のことなら普通に名前で呼んじゃっていいよ?そういう風に呼ぶ人あんまりいないし。」

「なるほど。ならより親しみがある方のがいいですね。」

だから2人は他の人よりも少しだけ顔を見知った仲。

「じゃあ『ダーリン』でいいですか?オレのことは『ハニィ』でいいので。」

「・・・・・・。」

けれどそれとは関係なしに。
上司相手でも構わず、己をフルオープンさせる『ふかみん』だった。

「固くご遠慮願うよ。そういう親しさまで求めてないから。」

「えー。」



ふかみんという男

「徹夜先パイ。色々と質問してもいいですか。」

「どうぞ。」

朝礼後、徹夜に軽いオリエンテーションとして次々に指導されていく。

「昼休みって、いつですか?」

「忙しい時は異なるけど、だいたい12時からかな。」

「喫煙所はありますか?」

「それぞれの階に喫煙スペースあるけど、そこ以外は全面禁煙だから協力してね。てか、ふかみん煙草吸うんだ?」

「売れない子を折檻するようなお仕置部屋って何処ですか?」

「ふかみん。キミちょっと、質問が全部なんかおかしいね。」

けれど、またもやそれとは関係なしに。
徹夜相手でも構わず、己をフルオープンさせる『ふかみん』だった。



朝陽の教育係り

「っということで。ふかみんも研修中は誰かの補佐をしながら仕事覚えてもらうから、よろしくね。」

新卒だろうが転職だろうが、未経験者なら最初は誰だって新人社員。
どの新人にも研修期間が儲けられており、朝陽も始めは研修からスタートだ。

「っていうことは。オレ、徹夜先パイから教わることになるんですね。」

「そうしてあげたいのは山々だけど、僕もさすがに2人は見られないからな。どうしよう・・・。」

初っ端からキャラが強い彼を教育指導していく社員。
それに見事、抜擢されたのは。

「あ、まひる〜ん。ちょっとこっち来て〜。」

徹夜ではなく、徹夜の後輩にあたるリライト専属プロデューサーの真昼だった。



命令はいつでも絶対

「っというわけだから。まひるん、ふかみんよろしくね。」

「何がどういうわけですか!?『っというわけだから』と言われても何がなんだか分かりません。」

朝陽の指導を、徹夜に指名された真昼。
けれどこれは事前に聞いていた話ではなく、突然今日。たった今、徹夜の視界にたまたま入ったからされたお話。

「僕には志摩くんが既にいるし、まひるんにだってこういう経験必要だし。」

「なら僕が真島さん見ます!」

「ダ〜メ。それは僕が許可出来ない。」

もちろんそんないきなりの重役を了承出来ない真昼。

「僕も元で育った経験を。今度は、ふかみんに教えてあげてね。」

「・・・はい。」

けど結局最後には言いくるめられてしまい、徹夜の絶対命令どおりに、朝陽を担当する教育指導者は真昼となった。



真昼と朝陽

社会に出れば年下が上司。年上が部下なんてありふれており、あまり珍しくない組織関係。
でも真昼にとって自分の後輩が出来るのは、チェリーストーンに勤めてから初めてな経験。
しかも相手は年上。年齢も5つの差があれば、緊張してしまうのも無理がない。
そんな中で改めて互いにご挨拶。

「失礼致しました。本日付け・・・っというか、たった今ですが教育指導を任された陸地 真昼です。よろしくお願いいたします。」

「深海 朝陽です。こちらこそ、よろしくお願いします。」

真昼と朝陽。
まひるんとふかみん。
徹夜が名付けたニックネームが似た者同士の2人。

「・・・『ダーリン』は求めてるけど、『ハニィ』は求めてないんだよなぁ、オレ。」

「はい?」

「ふかみん。そんな理由でまひるん拒否ったら、さすがに僕も怒るよー。」

教育指導が徹夜じゃなくて真昼だったことで、明らか様にテンションを下げた朝陽だが、果たしてうまくやっていけるのだろうか。

「だってオレ、同属嫌いで。」

「安心して。まひるんと全然同じじゃないから。むしろふかみんのような属性、他にいないから。」



まひるんとふかみん

色々と不安要素は多々あるが決まった以上、拒否は不可。
朝陽は真昼の元で研修しながら補佐をすることとなった。

「それでは深海さん。」

「ううん。そこは『深海さん』じゃなくて、普通に『朝陽くん』でいいよ。学校の部活で後輩いたでしょ?それと同じ感覚で大丈夫だから。オレのが年上だけど上司なんだから、そこは年齢を気にしないで。」

「そうですね。では・・・、朝陽くん。」

「なんですか?まひるん先パイ。」

せめて勤務中はほど良い関係の仲になってほしいと願いたいところだ。

「そこは『真昼』じゃないんですね。」

「え?だって徹夜先パイがずっとまひるん言ってたから、まひるん先パイの呼び名かと。」

「『真昼』でもいいんですよ。」

「ううん。オレもまひるんがいいから、まひるんにする。」

「・・・そうですか。」



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