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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.34 ミッドナイトな真島兄弟のお話(4/5)
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真昼は見た

翌朝。日が上る早朝の頃、バタンッと扉がしまる物音で、ふと目が覚めた。

(ん。・・・誰か、入ってきた?)

パタパタと聞こえる足音が、こちらにやって来る。
そして他の誰かより先に見てしまった徹夜と志摩の二人の様子。

「ただいま戻りましー・・・え!?」

それは彼、やっと仕事が終えて戻ってきた真昼にも衝撃的だったのか。それとも誰かがいると思っていなかったのか。
二つの意味を込めて驚いた声を上げた。

「お疲れ様です、真昼さん。」

「あ、お疲れ様ですー・・・じゃなくて!真島さんまだ帰ってなかったんですか!?」



真昼は見た 2

「それに徹夜先輩と何してー・・・。」

恐らくこの酒の臭さが真昼にも届いてるはず。
+そこに志摩もいて、+徹夜のシャツが全開な場面を見たら、未遂で終わった志摩との出来事が真昼の中でリバイバル。

「・・・・・・・・・。」

「ごめんなさい真昼さん。そんな目で見ないで。その想像だけは本当やめて。」

そのせいで要らぬ誤解が生じてしまい、今まで見たことない怖い表情で睨まれてしまった。
志摩に対する真昼の好感度が絶賛下降中。

「・・・僕に近寄らないで下さいね。」

(ああぁぁぁ・・・。)

近づけないこの状況の中で言われるその言葉。
ただでさえあまり好かれてないのに、あれ以上に嫌われることってあるんですね。



真昼は見た 3

「・・・あ。おかえり、まひるん。」

そんな志摩と真昼の話し声で、徹夜も目が覚めたようで、ゴソゴソと起き出す。
やっと肩が軽くなったが、おかげで凝りがひどく感じる。

「徹夜先輩もお疲れ様です。えっと、大丈夫・・・ですか?」

「んー・・・、色々と怠いかな・・・。」

「怠い・・・ですか。」

「だから真昼さん。そんな目で見ないで。そんなんじゃないから。本当にそういうのじゃないから。怒るよ?俺も。」

早く真昼の要らぬ誤解を解きたいところ。
それには志摩だけではなく、徹夜からの弁明もあれば効果は覿面。
その誤解だけは勘弁してほしかったので、起きてくれた徹夜にもそれを求めようとしたのだが、

「・・・あれ?志摩くん、なんでまだいるの?」

「えー・・・。」

まさかのまさか。徹夜は昨晩のこと何も覚えていないのだろうか。
帰るの諦めて、あんなに尽くしてやってたのに・・・。



一致しなかった考え

「覚えてないのかよ、昨日の夜のこと。」

「覚えてるよ。DNA一緒だからって、どこぞのオス喰い変態狼さんと一緒にしないでくれない?」

けれどそうじゃない様子。
志摩と比べて徹夜の酒ぐせは酷くないので、兄としてもそれを一緒と扱われるのは嫌だようだ。
じゃあなぜあんなことを言うんだろう。

「仮眠室に運んでくれれば、あとは帰ってよかったって言ってるの。任せたって言ったでしょ?」

「いやいやいや、なにそれ?仮眠室?どこそれ?」

「あれ?入社の日、教えてなかったっけ?」

「知りませんが、そんなとこ。」

っと思ったが、志摩と徹夜。あの昨晩、意図が合っていなかっただけだった。



仮眠室=社畜部屋?

そして改めて教えられる仮眠室という場所。

「三階の奥に二つほどあるんだよ。終電逃して帰れなくなったときとか、休憩で寝たいときとか、休められるように。」

「知らなかった。そんな場所があっただなんて。」

「きっかけは僕だから。当時余った部屋の有効活用に提案したら採用されちゃって。」

社員はもちろんのこと。
所属してるアイドルの子達も、その部屋は使えるようだ。
チェリーストーンの事務所にそんな部屋があったことを初めて知り、志摩の中で新たに開放される。

「まひるんも仕事終わったばかりで疲れてるでしょ?仮眠室で寝てきたら?」

「嫌ですよ。あんな畜生な社畜部屋。」

「社畜部屋・・・。あれ?じゃあ前、ここで合宿してたときエーチたち、そこ使えたんじゃ?」

「完全一人部屋で狭いからね。二組ずつ別れて寝させるほどのペースないから。」

けどそれをもっと早く。入社のときに教えてもらっていたら・・・。今さら知ってもちょっと遅くて、取れてない疲れにその疲れが無駄に重なってきた。



夕方までおやすみなさい

こうして真昼は退勤していき、全開だったシャツだけ戻した徹夜も改めて一時的に帰ることにしたようだ。
そして志摩はー・・・、

「じゃあ志摩くん使ってく?付き合わせちゃったことには代わりないし、上には僕から言っておくから休んできていいよ。」

「え。いいのか?」

「僕も今日は夕方からだから、それまでには起きてきてね。クロスカルテットも今日からレッスン再開だから。」

「おう。」

徹夜(上司)の権限もあってか。
夕方まで休めることとなり、試しに仮眠室というやらを使うことにした。

「兄貴は使わないのか?」

「うん。僕も嫌だから使わないよ。あんな社畜部屋。」

「きっかけを自分で作っといて何言ってんだ。」



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