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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.34 ミッドナイトな真島兄弟のお話(2/5)
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泥酔徹夜

叩いたり揺すったり、大きな声で呼び続けた結果。徹夜はなんとか意識を取り戻す。

「・・・・・・。」

「起きたか?兄貴。」

「うるさい。・・・何度も耳元で騒がないで、くれる?」

けれど徹夜の機嫌は、とっても最悪。
声色も暗くて低く落ちていて、それを一言聞いただけで志摩も察する。
こっちはあんなに心配したのに、あっちにとっては全て鬱陶しかった模様。

「水。」

「はい?」

「いいから水。・・・さっさと持ってきて。」

しかも機嫌の悪い徹夜は、いつもより最悪。
いつも最悪だけど、もっともっと最悪だった。



言い方一つで変わるモノ

「持ってくればいいのか?」

言葉の言い方って、ちょっと違うだけでかなり印象が違う。
何もそんななげやったように言わなくても・・・。
悪い機嫌を八つ当たられたら、こっちだってその最悪につられて居心地が一気に悪くなる。

「・・・・・・。」

「ちょっと待ってろ。すぐ持ってくるから。」

「・・・・・・。」

志摩は現在、研修として徹夜の元で補佐をしながら勉強している。
だけど彼がどんな内容の仕事をしているのか。知っている部分もあれば当然、知らない分からない部分だってある。
そして今日はその知らない一部で、徹夜がここまで機嫌を悪くさせるほど、いったい何があったというのか。



なんだかんだで兄が心配 2

事務所内の自販機でミネラルウォーターを買ってきた志摩。

「ほら、水。」

「・・・・・・。」

受け取った徹夜は少し飲めたようだが、調子はぐったりしたまま変わらない。
意識ははっきりしているようだけど、虚ろとした目の先はどこを見てるのか分からない。

「帰らなくて、いいの?」

「酔っぱらいの身内を置いて帰れるわけないだろ。」

「・・・そう。」

とはいえ、いつまでもこんなところで屯っていると帰ってくるかもしれない他の社員に迷惑がかかるから、場所は移したほうがよさそうだ。

「肩。」

「ん?」

「貸して。」

「お、おう。」

それは酔っぱらってる徹夜も分かっていたのか。
志摩に肩を担がせて覚束無くて危なっかしい足元で、ゆっくりゆっくりとこの場から奥へと進む。



飲酒した量

一階から二階へ。ソファーがあるあの場所なら徹夜を横にさせることが出来るから、少しずつ少しずつそこへ向かう。
それにしても直ぐ隣から漂ってくる酒の臭いを嗅いでいたら、飲んでいなくても酔ってしまいそうだ。

「何杯飲んだんだよ?」

たどり着くまで黙ったままの間は持てないから、とりあえずいちお確認。

「・・・ビールと、焼酎。」

(あれ?意外と少ない?)

「合計10。」

「!?」

「・・・は、覚えてる。そこに+α。」

「はァ!?!?!?」

するとその問いに、とんでもない量の答えが返ってきた。



アルハラは駄目ですよ

「だから。耳元で騒がないで、くれる?」

「そ、ソーリー。」

いやいやいや。
いくらなんでもそんなに飲んでいたら驚くのも無理がない。

「なんでまた?」

その時ふと、真昼が言っていたことを思い出す。
『ビール10で契約1取ってこれたら安いほう』だと。

「・・・余興。」

「よ、余興?」

飲酒の強要なのか、意図的な酔い潰しなのか。
どちらにしろアルコールハラスメントであることには違いない。
上の機嫌を損ねない為、弱い立場側の人間はやむ無く従うしか術がないのだろうか。
そしてそれを徹夜が受けただなんて、にわかに信じがたい話だった。



飲み過ぎにご注意を

「・・・心配しなくても、今回はそういうのじゃないから。」

「だけど、さ。」

「そういう風潮は昔と比べて、だいぶ減ってるから。無理しなくていいって止めてくれた人もちゃんといたよ。でも若いってだけでナメられるのも癪だから飲んで意気っただけ。」

そんなこんなで話しているうちに、お客様と待ち合わせる為のあのソファーへとようやく到着。
やっと徹夜を休ませることが出来たが、あそこからたかがあの距離だったのに凄く遠く感じた。

「でも、流石に飲みすぎちゃったね・・・。」

「流石じゃなくて、完全に飲みすぎだ。」

飲み会時期になっていくこの季節。
急性アルコール中毒は最悪の場合、命を落とします。
皆様もどうかお酒の飲みすぎにご注意を。

「仕事の為とかでも、あまり無茶すんなよ。兄貴だって、もう若くないんだから。」

「・・・・・・うん。」



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