事務所内の自販機でミネラルウォーターを買ってきた志摩。
「ほら、水。」
「・・・・・・。」
受け取った徹夜は少し飲めたようだが、調子はぐったりしたまま変わらない。 意識ははっきりしているようだけど、虚ろとした目の先はどこを見てるのか分からない。
「帰らなくて、いいの?」
「酔っぱらいの身内を置いて帰れるわけないだろ。」
「・・・そう。」
とはいえ、いつまでもこんなところで屯っていると帰ってくるかもしれない他の社員に迷惑がかかるから、場所は移したほうがよさそうだ。
「肩。」
「ん?」
「貸して。」
「お、おう。」
それは酔っぱらってる徹夜も分かっていたのか。 志摩に肩を担がせて覚束無くて危なっかしい足元で、ゆっくりゆっくりとこの場から奥へと進む。
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