≪ top ≪ main

サンフラワーへようこそ

同じアパートに住む大学生たちのお話
完結][大学生][季節柄][コメディ]



EP.1 サンフラワーへようこそ!(2/2)
]  [目次へ]  [

皆で一緒に晩御飯

「いらっしゃい、二人とも。」

ヒナの部屋にお邪魔すると、すでに準備が整っていたようで。テーブルにはヒナが作った簡単な料理と、レイがスーパーで買ってきた3割引きのオードブルで賑やかになっていた。

「ではではカンパーイ!」

そうして開かれたユーキ歓迎会兼皆で晩御飯。

「ってあれ?ジュース、ボクだけ!?」

だったが四人中。三人の飲み物がお酒だったことに、いきなりの疎外感。
ユーキはまだ未成年のため、一人だけジュースだった。

「ユーキにお酒はまだ早いから我慢してね。」

「分かってます。でも二十歳になったら皆さんと一緒に、ボクもお酒飲んでみたいです。」

「8年ぐらい先の話?」

「2年先の話です!!」



お酒は二十歳から

ユーキの歓迎会兼皆で晩御兼皆と宴会(一人ジュース)。

「レイ先輩。顔赤いですけど大丈夫ですか?」

「ん。赤くなるけど全然平気だ。」

一人はジュースなので論外として。
三人中、一番お酒が強いのはレイ。
顔は真っ赤になるけれど、それは見た目だけ。結構いくらでも飲めちゃうタイプ。

「ユーキも遠慮しないで食えよ?好きなのとってやるから、ほら。皿よこしな。」

「ありがとうございます。」

「ん。でも好き嫌いはあんまりするなよ?身長伸びなくなるから。」

「それはちょっともう手遅れ・・・ですね。ここ数年ちっとも伸びなくなってしまったので。」

でも飲められるのはビールだけ。
それ以外は、あまり好んで飲まない。



飲みましょう

ちなみにほかの二人は、あまりお酒に強くない。
ヒナはビールや苦いお酒は好んでおらず、アルコール度数が低いチューハイで、ほろ酔く飲むタイプ。
一方ユーヤはレイに対抗。
負けじ魂が働き飲みまくったせいで、

「あひゃひゃひゃひゃひゃ。」

あっという間に酔っ払いの完成。
笑い上戸でもあるようで、笑いが止まらない止まらない。止まってない。

「ユーヤ。ほら、ちょっと水飲め!」

「あひゃひゃひゃひゃひゃ。」

「あーあー・・・。今日がお酒デビューのくせに調子こいて飲むから。」



でも、ほどほどに

「え?ユーヤ・・・先輩、今日がお酒デビューだったんですか?」

「うん、そうだよ。ユーヤ二十歳になったばかりだからね。」

「なるほど。ボクと一つ差だって聞いていたので大丈夫なのかなって心配に思っていたんですけど、そういうことだったんですね。」

ユーヤにとって、今日はお酒デビューの記念日。
そうヒナから教えてもらう。

「誕生日迎えたとはいえ、ほどほどにさせないとね。急性アルコール中毒で倒れたりしたら危ないから。」

「ちなみにユーヤ先輩って、いつ誕生日迎えられたんですか?」

「昨日だよ。」

「!?」

ユーヤの誕生日も一緒に。



二十歳 2日目

ユーヤの誕生日が昨日と知ったユーキは、何かお祝いしたかったのか。
自分から渡せられるプレゼントがなくて、ズーンと落ち込む。

「すみませんでした。知らなかったとはいえ、お祝いできそうなもの何も持っていなくて・・・。」

「ユーキは今日来たばかりだからムリないよ。そう気を落とさないで、ね?」

「そうだな。落ち込む必要はないな。」

そんなユーキを見ていたユーヤ。

「あひゃひゃ・・・あ、ユーキ。唐揚げちょうだい唐揚げ。あーん。」

笑いが一先ず落ちつき、唐揚げを要求。『食べさせて〜』とおねだり。

「え?はい、あーん。」

「むぐむぐ。うん美味しい。ユーキからプレゼントされた唐揚げすごく美味しい。」

「え!?」

その唐揚げがユーキからのバースデープレゼントとなり、しっかりと受け取ったのでした。



めんどいので

こうしてキリのいいところで宴はお開き。
それぞれ解散していき、自分たちの部屋に戻る。
ちなみにサンフラワーは2階建てのアパートで全6部屋。
1階はヒナとレイが住んでおり、2階にはユーキとユーヤの部屋がありお隣同士。

「うへぇ。飲んだ飲んだ。」

「足元気を付けてくださいね。ユーヤ先パ・・・じゃなかった、ユーヤ。」

ユーキは酔っぱらったユーヤを介抱しながら2階へと戻り、ユーヤの部屋の前までやってくる。

「ユーキ、今日泊めて。風呂沸かすのも布団敷くのもめどい。」

「え!?」

だがユーヤが帰宅拒否。
ユーキの家に泊まりたいと、酔っぱらった口調で言い出す。

「嫌ならオレんち泊まっていいから風呂沸かして布団敷いて。」

「えッ!?」

どちらも日常的な家事なのに、どんだけ面倒臭がっているのだろう?



布団か床か

結局、ユーヤを泊めることとなった今晩。
お風呂を沸かして先に入れさせる。
ここまでは何事も問題なかったのだが。

「・・・・・・。」

布団はどうしよう?
越してきたばかりだから、用意できるのは自分の分の一組だけ。
とりあえず床に敷いたものの、ユーキはすごく悩んでいた。

(さすがに先輩を床に寝かすわけにはいかないのは分かってる。けどボクも今日引っ越し作業で疲れたから、ちゃんと布団で眠りたい。)

「ふへーっ、お湯ありがと〜。お先にいただいちゃった。」

そこへお風呂からトコトコ戻ってきたユーヤ。

「あ!お布団!ワーイ。」

「!?」

敷かれた布団を見つけた途端にボフッとダーイブ。
ユーキの葛藤なんて、なんのその。
その瞬間、どちらがどちらで寝るのか決まってしまった。



もう一つの選択肢

布団はユーヤ。床はユーキ。
それぞれ寝る場所が決まったところで、ユーキもお風呂に向かった。

(トホホ・・・。)

それから数分後。

(まあ仕方ないか。やっぱり先輩を床で寝かすわけにはいかないし・・・。)

お風呂から上がったユーキが部屋に戻ってくる。
するとユーヤが、そんな彼を見て先に寝ていた布団をペロンとめくり、

「はい、ユーキ。電気消していらっしゃい。」

「!?」

『ここにおいで』と手招き手招き。
つまり一緒に寝よ?っと誘ってきた。



一緒なら問題ない?

けど、その選択肢にさすがのユーキも戸惑いを見せる。

「ってあれ?ユーキ嫌なの?オレと一緒、嫌?」

「あ、いえ、その。ユーヤ先・・・っと、ユーヤは平気なんですか?その・・・、ボクなんかと一緒に寝て。」

「ん?別に平気だよ。ほら、ユーキだって疲れてるんだから、お布団で寝ないとちゃんと疲れ取れないよ。」

ちなみにユーキは男と一緒の布団で寝ることに抵抗感があったので躊躇っていた。
一方、ユーヤはユーキと一緒の布団で寝ることに抵抗感すら抱いていない。

「ほらほら。おいでおいで。」

「・・・・・・。」

これは気にした方が負けなのかな?



一緒なら問題ない?2

結局、布団で寝られる誘惑に勝てなかったユーキは、部屋の電気を消してから、ユーヤの隣で大人しく横になる。

「お、お邪魔します・・・。」

「うんうん。ユーキはいい子だね。」

けれど二人の間には微妙な隙間が生まれていた。
勿論ユーキが気にしてワザとおいた距離なのだが、

「ん、あれ?ユーキ。もうちょいこっちこっち。こっちおいで。」

「ひ!?ああああ。こ、ここでいいです。ここで!」

「ダメだよ!布団から出ちゃうって。ほら、こっち!」

それすらも気にしてないユーヤは、ユーヤの体に触れて自分側に引き寄せて、ぐいっと隙間を埋める。
ああ。やっぱりこれは気にした方が負けのようだった。



こうして一つの布団に男二人で共にする平和な夜。
一人は普通にしているが、もう一人は相手に背を向けており、気にした方が負けだと分かっていても抵抗感に逆らえなかった。



「サンフラワーへようこそ!」の第一話を
お読みいただきましてありがとうございます!

こちらもコメディーで書いている4コマ風小説です
キリよくキリよく書いているものの
やはり4コマ以上や4コマ以内じゃないの?
と思わせる場面が既にございます・・・(汗)

誰からの目でも4コマと見えるような書き方を
書きながら学んでいけられたらいいなっと思っております


]  [目次へ]  [
しおりを挟む


BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×