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サンフラワーへようこそ

同じアパートに住む大学生たちのお話
完結][大学生][季節柄][コメディ]



EP.2 サンフラワーの住人たち(1/2)
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住人は皆、大学生

とある町。とある場所。とある地域に建つ学生アパート『サンフラワー』。
101号室に住んでいるのはヒナ。大学三年生。モテ男くんだが彼女はつくらない主義。
103号室に住んでいるのはレイ。同じく大学三年生。女嫌いだけど男が好きというわけではない。
201号室に住んでいるのはユーキ。大学一年生。童顔+低身長で見た目はモロ中学生。
202号室に住んでいるのはユーヤ。大学二年生。自由奔放で人見知り知らず。
そこに住む住人は四人で全員。皆、大学生なのである。


このお話は山もなければ谷もなく、いたって平坦で平凡な日常系コメディ。
住人みんな仲良く。和気藹々と暮らしているそんなお話です。



5月は暑い!

春が訪れて気が付けば、もう5月。
あっという間にゴールデンウィークが過ぎたが、天気のいい日は続き、洗濯物や布団を干すのには快適で絶好調。
けれど、

「あっつい!あっつい!あっついよーッ!」

「今日も最高気温30度近くいくみたいだね。」

暖かいというより暑い気温。
春よりも、夏を感じさせるそんな日々。

「もう暑いのムリ!冬が恋しいよ〜。」

「それ。冬の時は逆のこと言ってなかった?」

「ってことでヒナ〜。冷たい麦茶おかわりプリーズ。」

「はいはい。今淹れるから待っててね。」

ヒナの部屋にお邪魔していたユーヤは、あまりの暑さにだら〜んとだれていた。



ごろんごろん

「ヒマだよヒマ〜。レイは学校、ユーキもまだ学校。ヒマだよヒナ〜、ヒナだよヒマ〜。」

「ナチュラルに僕とヒマを混ぜないの。」

ヒナの部屋で、だらんだらんなユーヤ。
床で右にごろん。左にごろん。ごろんごろんと寝転がり暇を弄ぶ。

「そういえばユーキと同じ大学だって聞いたけど、一緒じゃなかったの?」

「学部違うから、構内でなかなか会えないんだよ。だからオレちょい寂しい。」

そんなユーヤの話し相手をしながら、自分の課題を進めるヒナだった。



モテモテなヒナ

その間もSNSアプリの受信音がヒナの携帯電話、スマートフォンから鳴りっぱなし。
その度に課題を中断させているから、勉強に集中してないのが丸わかり。

「今、連絡しあってるのって、ほとんど女子?」

「グループだから男もいるよ。時折、個人的にくるけど。」

「ホント、ヒナってモテるよね。」

「まぁね。」

「否定しないんだ・・・。」

寝転びながら、そんなヒナを冷やかすユーヤ。

「なんで彼女つくらないの?そんなにモテるのに勿体ない。」

「モテるからと言っても、彼女がほしいわけじゃないからね。」



モテモテなヒナ 2

「ヒナのケータイ。女子の登録数も多いじゃん?そんなに集めてどうするの?」

モテモテなヒナに質問攻撃が続く。

「基本は向こうからだから、連絡くれる子には返すようにしてるけれど、それだけだね。特にどうもしてないかな。」

「ふーん?」

「でもなんだろうね。レイにも話したことあるけど、やっぱり矛盾してるのかな僕。」

「矛盾?」

「たくさんあると落ち着く感じがするんだよね。なんかこうー・・・、例えるなら非常食的な感じ?」

「うわぁ・・・。その例え最悪。ヒナに非常な時が一生こないこと祈っとくよ。」

でも終始、お緩くほのぼのとした(?)会話だった。



ユーキご帰宅

「暑いー・・・。」

それからしばらくして。
トン、トン、トンと階段を上る音が、ヒナの部屋まで届く。

「ん!ユーキ帰ってきた!」

それを耳にした途端にハッとしたユーヤ。
ガバッと勢いよく起き上がり、ヒナに部屋から出ていく。

「いってらっしゃい。」

そして、

「ユーキーーーー!!!」

「うわぁぁぁああああ!?」

そのままの勢いでいきなり追いかけたせいで、悲鳴上げて急いで逃げたユーキ。
けれどあっという間に追いつかれ、自分の部屋の前で取っ捕まったのでした。



おかえりなさい

「いきなり追っかけてこないで下さいよ。ビックリしたじゃないですか!」

「ごめんごめんご。やっとユーキが帰ってきたから、ついつい嬉しくて。」

ユーヤの腕に捕まったユーキは、その中でおとなしくしている。
突然追われて驚きすぎたせいか、若干涙目になっていた。

「おかえりユーキ♪」

「ただいまです。ユー・・・ヤ。」

「あはは。あれから結構経つのに、まだ呼び捨て慣れない感じ?」

「すみません。最初よりは慣れましたけれど、やはり年上の人を呼び捨てるだなんて幼い頃ぶりですから、なかなか難しいですね。」

「一つ差なんだから気にしなくてもいいのにー。新鮮でいいけどさ。」

何はともあれ。おかえり、ユーキ。



外見、中学生

「おかえりなさいユーキ。」

「ただいまです、ヒナ先輩。」

自分の課題を後回しにすることにしたのか。
ユーヤの後を追うように、ゆっくりと階段を上ってきたヒナ。
帰ってきたばかりのユーキを出向く。

「さっき凄い悲鳴だったけれど大丈夫?」

「調子こいて追いかけたから、ユーキちょい泣かしちゃった。」

「泣いてないです!ビックリしただけです!」

これにてサンフラワー住人の三人が揃う。

「だってさっき涙目に・・・「泣いてないですってば!ビックリしただけですから!!」

ユーヤに驚かされたことで涙目になったことを、ユーキは必死に否定。
バレバレだったのに全力否定する姿が、外見年齢にピッタリフィットで、なんだかちょっぴり微笑ましかった。



ヒナんちに揃う三人

「そっちの大学はどう?少しは慣れた?」

帰ってきたユーキは持っていた荷物を自分の部屋に片付けた後。そのままユーヤと一緒にヒナの部屋に招かれる。

「通うだけならなんとかって感じですね。」

そして冷たい麦茶と、ちょっとしたスナック菓子をご馳走に。

「ギリギリ提出の課題に追われる毎日で、勉学に関してはあまり慣れないです・・・。大学生って、こんなに大変だったんだって思い知りました。もっと自由なイメージしていたので。」

「分かる分かる。僕も一年のころは課題で毎日が大変だったから、慣れるまで辛抱したよ。でも一年経てば、きっとユーキにも自由な時間出来るから大丈夫だよ。」

「そうでしょうか?」

再びごろんごろんしてるユーヤを見ながら、自身の近状報告を話の種として花を咲かせた。

「ほら。目の前に自由しまくってる二年生いるでしょ?」

「・・・なるほど。」



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