そしてまた別の日。 今日はレイの部屋で勉強していた時、
『!!』
いつもの騒音が、またこっちまで聞こえてきた。 ヒナは『出ないと・・・』と零し、いつものように対応しようとしたから、レイが抱えて阻止する。
『ストップ。行かなくていい。』
『・・・でも。』
『部屋の鍵、ちゃんと閉めてきたんだろ?なら出ることない。』
一人ではなく、二人だったせいか。 今日のは別の感情まで覚える音がしており、掴む腕の力も無意識に強くなる。
『大丈夫だから、このままおとなしくしてろよ。』
『このまま・・・、で?』
いつにも増して続いた音と罵声は、暫くしてからようやく止み、やっと静かになった。
『確かにこれだけ煩いと近所迷惑だった、ね。・・・今までごめんなさい。』
『それは分かってもらえたようで何よりだな。』
『でも、もう大丈夫だからありがとう。腕・・・、そろそろ離して?』
『ん?あぁ、悪い。』
|